後日談2
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白いだけで面白味も何もない空間に飽きるという感性すら失ってきたところで、ふと気が付くと自分は砂漠を歩いていた。柔らかい砂地に気付いて足を止めると、腕の中で寝ていたらしい謎の生き物が目を覚まして不思議そうに鳴く。
「ガァ?」
「がぁ。見ろぉ。地面が砂になってるぜぇ」
そう話しかけながらしゃがんで謎の生き物へも砂を見せた。手で掬って眼前へ差し出したそれに謎の生き物はおっかなびっくりと言った様子で手を伸ばし、指先を砂に突っ込んではその感覚が気に入ったらしい。
腕の中から降りたがる謎の生き物を降ろしてやれば、足踏みをして砂の感触を楽しんでいた。砂漠の先に何かありはしないかと遠くを眺めてみるが、地面が砂へ変わったこと以外に変化はないらしい。
この変化には意味があるのかと考えていると、足下でバサッと砂が跳ねた。視線を向ければ謎の生き物が少しの間に何があったのか砂に埋もれている。手を伸ばして助け上げれば、首を振って顔へ付いた砂を払った謎の生き物が盛大に喚きだした。恐らくは砂に埋もれて驚いたか怒ったかだろう。
ちょっと笑いながらその顔に残っていた砂を手で払ってやる。
「自業自得だろぉ。眼には入ってねぇなぁ?」
「ガァァ!」
「ハイハイがぁああ。出発するぞぉ」
まだ顔に残った砂が気になるのか、手で顔を何度も擦っている謎の生き物を再び抱き上げ、やはり宛てもなく歩き出した。今までと違うのは後ろへ足跡が残るからとりあえずは進んでいることを実感できることか。
途中で抱かれている事に飽きたらしい謎の生き物が、腕を伝って肩へと昇る。今までより高くなった視界にご満悦らしい謎の生き物を、とりあえず落ちないように気を付けてやりながら進んでいけば、今度はすぐに足の下で堅い何かを踏む感触に至った。
見下ろせば砂へ埋まるようにして石畳が丁寧に敷かれている。人工的にも思えるそれにこれを辿っていけば何処かへ行けるだろうかと思いながら視線を戻すと、前方に黒髪の少女が立っていた。
謎の生き物と一緒だと言ってしまうと失礼な気もするが、綺麗な黒髪に紅い瞳の、全体的に黒い少女である。
何処か見覚えのあるその少女は自分を待っていたかのように自分を見つめ、それから肩に乗っていた謎の生き物に驚いていた。
「エレボス――!?」
「? こいつエレボスって言うのかぁ?」
「ガァ?」
肩の上の謎の生き物を指差せば、謎の生き物が自分の指を掴んで首を捻る。掴んだ指を噛もうとしたので阻止しようと引っ張れば、謎の生き物が残念そうにした。
「覚えて、いないんですか?」
「うん。ついでに言うと自分の名前も覚えてねぇ」
「えっ!?」
驚く少女にとって、自分が名前も覚えていないことは予想外だったらしい。
「ガァ?」
「がぁ。見ろぉ。地面が砂になってるぜぇ」
そう話しかけながらしゃがんで謎の生き物へも砂を見せた。手で掬って眼前へ差し出したそれに謎の生き物はおっかなびっくりと言った様子で手を伸ばし、指先を砂に突っ込んではその感覚が気に入ったらしい。
腕の中から降りたがる謎の生き物を降ろしてやれば、足踏みをして砂の感触を楽しんでいた。砂漠の先に何かありはしないかと遠くを眺めてみるが、地面が砂へ変わったこと以外に変化はないらしい。
この変化には意味があるのかと考えていると、足下でバサッと砂が跳ねた。視線を向ければ謎の生き物が少しの間に何があったのか砂に埋もれている。手を伸ばして助け上げれば、首を振って顔へ付いた砂を払った謎の生き物が盛大に喚きだした。恐らくは砂に埋もれて驚いたか怒ったかだろう。
ちょっと笑いながらその顔に残っていた砂を手で払ってやる。
「自業自得だろぉ。眼には入ってねぇなぁ?」
「ガァァ!」
「ハイハイがぁああ。出発するぞぉ」
まだ顔に残った砂が気になるのか、手で顔を何度も擦っている謎の生き物を再び抱き上げ、やはり宛てもなく歩き出した。今までと違うのは後ろへ足跡が残るからとりあえずは進んでいることを実感できることか。
途中で抱かれている事に飽きたらしい謎の生き物が、腕を伝って肩へと昇る。今までより高くなった視界にご満悦らしい謎の生き物を、とりあえず落ちないように気を付けてやりながら進んでいけば、今度はすぐに足の下で堅い何かを踏む感触に至った。
見下ろせば砂へ埋まるようにして石畳が丁寧に敷かれている。人工的にも思えるそれにこれを辿っていけば何処かへ行けるだろうかと思いながら視線を戻すと、前方に黒髪の少女が立っていた。
謎の生き物と一緒だと言ってしまうと失礼な気もするが、綺麗な黒髪に紅い瞳の、全体的に黒い少女である。
何処か見覚えのあるその少女は自分を待っていたかのように自分を見つめ、それから肩に乗っていた謎の生き物に驚いていた。
「エレボス――!?」
「? こいつエレボスって言うのかぁ?」
「ガァ?」
肩の上の謎の生き物を指差せば、謎の生き物が自分の指を掴んで首を捻る。掴んだ指を噛もうとしたので阻止しようと引っ張れば、謎の生き物が残念そうにした。
「覚えて、いないんですか?」
「うん。ついでに言うと自分の名前も覚えてねぇ」
「えっ!?」
驚く少女にとって、自分が名前も覚えていないことは予想外だったらしい。