ペルソナP3P
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「斑鳩は成績も優秀だし素行も特に問題無いしな……進路については考えてるか」
「就職をして、働きながら資格をとるなどしていこうかと考えています。頼れる人がいないので」
「ん? 叔父さんがいただろ?」
「口約束ですが絶縁しました。従姉妹がちょっとやらかしまして」
「そ、そうか……大変だな斑鳩も」
『やらかした』の意味をどうとらえたのか。だがアマネが警察に被害届も相談もしていないだけで、従姉妹のやったことは犯罪にもなりうるだろう。
一年であっても行なわれた進路相談に、アマネは『一度目』にはなんと答えたのかと職員室を後にしながら思い出してみたが、やはり就職と言っていた筈だ。
一月三十一日を気にしながらも、その先の未来を漠然と考えてもいた。その時は厚かましくも『ニュクスを倒せば未来はある』と思っていたのである。
結局それはあまりいい形ではないが実現した。『二度目』の今も未来“だけ”はあるだろう。
「おーなんちゃって優等生。進路相談はどうだったよ」
階段を上がろうとしたところで声を掛けられて、振り返れば購買で買い物をしていたらしい錦が手を振っていた。優等生ではないのだがと思いながら会釈をすれば、錦は歩調を早めてアマネの元へ寄ってくる。
錦も二年生なので進路相談があった筈だ。
「先輩こそどんな進路を?」
「大学行って、雲雀の『風紀財団』に入るかもしれねーっていったら担任の顔が青ざめてたな」
「それは……」
それを聞かされたであろう錦の担任に内心で同情しておく。最近の風紀財団の社会的評価からすれば一応エリート街道だと思うが。
その風紀財団からも、沢田達からもアマネの元へこれといって連絡はなかった。アマネがそう望んで頼んだというところもあったが、誰一人として現れないのは少し意外でもあったのだ。
会いたいとは思う。特にきっといるであろう『鏡』の存在に。
けれどもあの片割れは恐らく今もイタリアにいるだろうし、自分が再会していない現状そう簡単に渡日出来るとも思えなかった。いや、アイツはやろうとすれば何処へでも行く奴だが。
でもアマネに会いに来てはくれないだろう。もう殆どアマネとアイツとの縁は薄い。会いたいと思っているのもアマネだけかもしれなかった。
だから会いたかったら会いに行くしかない。行けるかどうかは別として。
「……イタリアに行きてぇなぁ」
「なんでイタリア。話が突拍子だなオイ」
階段を上がりながら錦がツッコミを入れてくる。錦が持っているビニール袋がガサガサと音を立てて揺れていた。
「就職をして、働きながら資格をとるなどしていこうかと考えています。頼れる人がいないので」
「ん? 叔父さんがいただろ?」
「口約束ですが絶縁しました。従姉妹がちょっとやらかしまして」
「そ、そうか……大変だな斑鳩も」
『やらかした』の意味をどうとらえたのか。だがアマネが警察に被害届も相談もしていないだけで、従姉妹のやったことは犯罪にもなりうるだろう。
一年であっても行なわれた進路相談に、アマネは『一度目』にはなんと答えたのかと職員室を後にしながら思い出してみたが、やはり就職と言っていた筈だ。
一月三十一日を気にしながらも、その先の未来を漠然と考えてもいた。その時は厚かましくも『ニュクスを倒せば未来はある』と思っていたのである。
結局それはあまりいい形ではないが実現した。『二度目』の今も未来“だけ”はあるだろう。
「おーなんちゃって優等生。進路相談はどうだったよ」
階段を上がろうとしたところで声を掛けられて、振り返れば購買で買い物をしていたらしい錦が手を振っていた。優等生ではないのだがと思いながら会釈をすれば、錦は歩調を早めてアマネの元へ寄ってくる。
錦も二年生なので進路相談があった筈だ。
「先輩こそどんな進路を?」
「大学行って、雲雀の『風紀財団』に入るかもしれねーっていったら担任の顔が青ざめてたな」
「それは……」
それを聞かされたであろう錦の担任に内心で同情しておく。最近の風紀財団の社会的評価からすれば一応エリート街道だと思うが。
その風紀財団からも、沢田達からもアマネの元へこれといって連絡はなかった。アマネがそう望んで頼んだというところもあったが、誰一人として現れないのは少し意外でもあったのだ。
会いたいとは思う。特にきっといるであろう『鏡』の存在に。
けれどもあの片割れは恐らく今もイタリアにいるだろうし、自分が再会していない現状そう簡単に渡日出来るとも思えなかった。いや、アイツはやろうとすれば何処へでも行く奴だが。
でもアマネに会いに来てはくれないだろう。もう殆どアマネとアイツとの縁は薄い。会いたいと思っているのもアマネだけかもしれなかった。
だから会いたかったら会いに行くしかない。行けるかどうかは別として。
「……イタリアに行きてぇなぁ」
「なんでイタリア。話が突拍子だなオイ」
階段を上がりながら錦がツッコミを入れてくる。錦が持っているビニール袋がガサガサと音を立てて揺れていた。