ペルソナP3P
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真田視点
起きてきた天田とコロマルをお供に付けてアマネを送り出し、真田はアマネが作っていった朝食の後片付けをしながら朝方の話を思い返す。
美鶴の話によれば、彼の経歴にペルソナと関わる案件はないらしい。影時間を認識していたかどうかは不明だが、少なくとも桐条財閥やSEESとの関わりは皆無だった。
それを抜きにしてもアマネの話は筋が通らない。真田達はアマネとは今年になって初めて出会った筈だというのに、アマネはまるで『以前からの知り合いだった』ように話すのだ。
アマネが無意識にかその認識で話す時、アマネはそれを過去形で話していた。シンジや美鶴の父親のこともそうだ。
実際には死んでおらずむしろアマネによって助けられ、アマネだってそれを理解しているというのに、アマネは『二人は死んだ』と言っていた。
その差異の理由が分からない。
「死んだ未来と死んでいない未来、か……?」
アマネの兄も死んだという。兄が死んで真田達は悲しみ、それが嫌でアマネは何かをやろうとしている。
だが真田はそんな事実を知らない。
「明彦。もう起きていたのか」
ラウンジへ降りてきたらしい美鶴が厨房へと入ってくる。
「斑鳩はどうだ?」
「もう目を覚まして一度アパートへ帰った。アイツを大晦日まで寮に泊めてもいいか?」
「もう斑鳩に言ってしまったんだろう? あと数日だし仕方ない」
厨房のテーブルに置かれている、アマネが作っていった朝食を美鶴が一瞥してから寄っていった。アマネが作っていったのはおにぎりだが、お嬢様である美鶴がおにぎりを知っているのかどうか。
興味津々の体で手を伸ばそうとしている美鶴を眺めながら、ふと幾月が本性を現した時のことを思い出した。
『やり直したってこんなモンだよ』
『君は“時を操る神器”を手に入れたんだな!?』
シャドウの力を利用して“時を操る”事が出来るかも知れないという考えから、美鶴の祖父が作りだそうとしていたもの。もしそれが本当に出来たのなら『過去へ戻る』ことも出来るのではないか。
アマネはシンジが禍根に思っていたペルソナを暴走させてしまった日を知っていた。大型シャドウを倒しても影時間が消えないことを知っていた。そして望月や、ニュクスのことも。
そこまで考えて真田は考えることをあえて中断した。考えるのはいいが、その正解を問うことはきっと出来ない現状、もう少し判断材料が欲しいと思ったのだ。
「アマネに貸すのはシンジの部屋でいいな」
「空室は掃除をしていないからな。明彦がそれでいいならいいだろう」
起きてきた天田とコロマルをお供に付けてアマネを送り出し、真田はアマネが作っていった朝食の後片付けをしながら朝方の話を思い返す。
美鶴の話によれば、彼の経歴にペルソナと関わる案件はないらしい。影時間を認識していたかどうかは不明だが、少なくとも桐条財閥やSEESとの関わりは皆無だった。
それを抜きにしてもアマネの話は筋が通らない。真田達はアマネとは今年になって初めて出会った筈だというのに、アマネはまるで『以前からの知り合いだった』ように話すのだ。
アマネが無意識にかその認識で話す時、アマネはそれを過去形で話していた。シンジや美鶴の父親のこともそうだ。
実際には死んでおらずむしろアマネによって助けられ、アマネだってそれを理解しているというのに、アマネは『二人は死んだ』と言っていた。
その差異の理由が分からない。
「死んだ未来と死んでいない未来、か……?」
アマネの兄も死んだという。兄が死んで真田達は悲しみ、それが嫌でアマネは何かをやろうとしている。
だが真田はそんな事実を知らない。
「明彦。もう起きていたのか」
ラウンジへ降りてきたらしい美鶴が厨房へと入ってくる。
「斑鳩はどうだ?」
「もう目を覚まして一度アパートへ帰った。アイツを大晦日まで寮に泊めてもいいか?」
「もう斑鳩に言ってしまったんだろう? あと数日だし仕方ない」
厨房のテーブルに置かれている、アマネが作っていった朝食を美鶴が一瞥してから寄っていった。アマネが作っていったのはおにぎりだが、お嬢様である美鶴がおにぎりを知っているのかどうか。
興味津々の体で手を伸ばそうとしている美鶴を眺めながら、ふと幾月が本性を現した時のことを思い出した。
『やり直したってこんなモンだよ』
『君は“時を操る神器”を手に入れたんだな!?』
シャドウの力を利用して“時を操る”事が出来るかも知れないという考えから、美鶴の祖父が作りだそうとしていたもの。もしそれが本当に出来たのなら『過去へ戻る』ことも出来るのではないか。
アマネはシンジが禍根に思っていたペルソナを暴走させてしまった日を知っていた。大型シャドウを倒しても影時間が消えないことを知っていた。そして望月や、ニュクスのことも。
そこまで考えて真田は考えることをあえて中断した。考えるのはいいが、その正解を問うことはきっと出来ない現状、もう少し判断材料が欲しいと思ったのだ。
「アマネに貸すのはシンジの部屋でいいな」
「空室は掃除をしていないからな。明彦がそれでいいならいいだろう」