ペルソナP3P
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冬休みになってすぐ、こっそり地元へと帰って両親の墓参りをしてきた。大晦日に有里達がどちらの選択をするのか分からないが、どちらであったとしても、もう三月を過ぎるまで墓参りへ来ることはないだろう。
三月を過ぎても来るかどうかは決めていない。叔父の家へは寄らず中学時代の同級生達にも会わないように巌戸台へ帰った。
大晦日当日が来る前にアパートの大掃除も冬休みの課題も済ませてしまって、後はひたすら影時間にタルタロスの探索へ時間を割こうと考える。探索をないがしろにして、一月三十一日に頂上へ行けないなんてことになったら目も当てられない。
そうしてタルタロスの探索をしている最中に、休憩を兼ねてエントランスの階段へ腰を下ろして仮眠を取っていると正面の扉が開いてSEESのメンバーが入ってきた。アマネが居ることに気づいて驚く有里達に、アマネは立ち上がって探索を再開する為に昇降機へ向かう。
探索の再開と言えば聞こえはいいが逃げようと思ったのである。だが桐条に呼ばれてしまい、更にはコロマルにも回り込まれてしまって逃げられなかった。
「どこに行くんだ?」
「……探索です」
「一人で? 危なくない?」
「別に、今までも一人でしたし特に問題は」
「問題ねーんだろ。どうせ」
驚く岳羽へそう返せば伊織へ吐き捨てられる。伊織を見ると伊織は憎々しげにわざとらしくアマネから視線を逸らしていて、山岸へ小声でなだめられていた。
きっと殴ったことをまだ怒っているのだろう。アマネもそれに関しては謝罪以外の言葉はないので、彼が許してくれるまではこちらから無かったことにするつもりもなかった。
伊織だって、チドリを亡くした上にニュクスのことで絶対的な死が訪れるなんて突拍子のない話の中心へ立たされて、すぐに吹っ切れる事が出来る訳がない。それは充分に分かっているつもりだった。
だからアマネは何も言わずにコロマルを押しのけて昇降機へ向かう。アマネから言えることなど何もない。
アマネ自身は憎まれても恨まれても構わなかった。アマネは別に世界やSEESの皆を救って英雄へなりたいわけではない。むしろアマネのやっていることなど知らずにいればいいとすら思う。
無知は罪だ。イゴールもそう言った。だが知らなくていいこともある。アマネの行動は彼女達にとっては知らなくていいことだ。
覚えている頂上へ近い階層で、アマネは昇降機を降りて通路を進む。一人でも問題はない。
問題はないから、恨んでいたり憎々しく思っているのなら、話しかけないで欲しかった。
三月を過ぎても来るかどうかは決めていない。叔父の家へは寄らず中学時代の同級生達にも会わないように巌戸台へ帰った。
大晦日当日が来る前にアパートの大掃除も冬休みの課題も済ませてしまって、後はひたすら影時間にタルタロスの探索へ時間を割こうと考える。探索をないがしろにして、一月三十一日に頂上へ行けないなんてことになったら目も当てられない。
そうしてタルタロスの探索をしている最中に、休憩を兼ねてエントランスの階段へ腰を下ろして仮眠を取っていると正面の扉が開いてSEESのメンバーが入ってきた。アマネが居ることに気づいて驚く有里達に、アマネは立ち上がって探索を再開する為に昇降機へ向かう。
探索の再開と言えば聞こえはいいが逃げようと思ったのである。だが桐条に呼ばれてしまい、更にはコロマルにも回り込まれてしまって逃げられなかった。
「どこに行くんだ?」
「……探索です」
「一人で? 危なくない?」
「別に、今までも一人でしたし特に問題は」
「問題ねーんだろ。どうせ」
驚く岳羽へそう返せば伊織へ吐き捨てられる。伊織を見ると伊織は憎々しげにわざとらしくアマネから視線を逸らしていて、山岸へ小声でなだめられていた。
きっと殴ったことをまだ怒っているのだろう。アマネもそれに関しては謝罪以外の言葉はないので、彼が許してくれるまではこちらから無かったことにするつもりもなかった。
伊織だって、チドリを亡くした上にニュクスのことで絶対的な死が訪れるなんて突拍子のない話の中心へ立たされて、すぐに吹っ切れる事が出来る訳がない。それは充分に分かっているつもりだった。
だからアマネは何も言わずにコロマルを押しのけて昇降機へ向かう。アマネから言えることなど何もない。
アマネ自身は憎まれても恨まれても構わなかった。アマネは別に世界やSEESの皆を救って英雄へなりたいわけではない。むしろアマネのやっていることなど知らずにいればいいとすら思う。
無知は罪だ。イゴールもそう言った。だが知らなくていいこともある。アマネの行動は彼女達にとっては知らなくていいことだ。
覚えている頂上へ近い階層で、アマネは昇降機を降りて通路を進む。一人でも問題はない。
問題はないから、恨んでいたり憎々しく思っているのなら、話しかけないで欲しかった。