ペルソナP3P
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試験結果の掲示を見た佐藤とクラスメイトと、学校帰りにワックで試験の打ち上げと称した反省会、という名目の寄り道をした。もうすぐ到来するクリスマスの予定や冬休みの計画、出される課題で勉強会を開くかと話し合っているクラスメイト達を横目に、アマネは夕食も兼ねたワックバーガーセットを口へ運ぶ。
「斑鳩って結構もくもく食べるな」
「お前と違ってこぼさないだけじゃね? お前テーブル見てみ? 食べカスやばいって」
「そういやさ、アライグマにクッキー渡すと水で洗うんだけど、クッキー水に突っ込んでこするから崩れて無くなっちゃうんだって」
「何それカワイソウ」
「アライグマとレッサーパンダって見分けつく?」
「付くよ」
「つかねーのかよ」
「ゲーセンのユーフォーキャッチャーで今パンダのヌイグルミあったよな?」
「取りに行く?」
「欲しいの?」
明日になれば忘れてしまうような会話だ。近くを通り過ぎた月光館の女子生徒が話をこぼれ聞いて笑っていた。それに気付かないまま佐藤がポテトを摘んで振り返る。
「斑鳩は? 冬休みはやっぱり実家に帰るの?」
何も言っていないから、きっと特にその質問へ大した意味はない。
「帰らねぇよ」
だからアマネも大した話題ではないとばかりに返した。
帰る実家も、家も場所もつもりもない。色々なことが片付いたら、もう一度叔父一家と連絡を取るかどうかも全く考えていなかった。
中学卒業までは世話になったのだからその分の義理は立てなければならないとも思うが、従姉妹のしでかしたことを考えるとその義理を立てる事より再び関わることが嫌になってくる。
いずれにせよ冬休みに叔父の家へ行く予定は無かった。だが冬休みが明けて三学期を過ぎた先の、春休みはまだ“存在”するのかどうか分からない。
アマネの返事を聞いた佐藤は楽しげである。
「じゃあ初詣一緒に行かね?」
「クリスマスをさしおいてもう初詣かよ佐藤」
「バッカ。クリスマスは彼女と過ごせっていう佐藤の優しさだよ」
「あ、そうかスマン佐藤ありがとう。彼女居ねーけど」
「彼女居ないっていうな。出来るかも知れないだろ。望み捨てんな」
「希望ってのはな、薄い望みってことなんだぜ諸君。絶望の中の一筋の光だ」
「つまり見つけるのが大変だと」
「周りが暗ければ目立つってことじゃん?」
「ってかクリスマス遊べば良くね?」
「……クリスマスは、無理かも知れねぇけど初詣なら多分大丈夫」
やっと食べ終えたバーガーの包み紙を畳んだ。
「斑鳩って結構もくもく食べるな」
「お前と違ってこぼさないだけじゃね? お前テーブル見てみ? 食べカスやばいって」
「そういやさ、アライグマにクッキー渡すと水で洗うんだけど、クッキー水に突っ込んでこするから崩れて無くなっちゃうんだって」
「何それカワイソウ」
「アライグマとレッサーパンダって見分けつく?」
「付くよ」
「つかねーのかよ」
「ゲーセンのユーフォーキャッチャーで今パンダのヌイグルミあったよな?」
「取りに行く?」
「欲しいの?」
明日になれば忘れてしまうような会話だ。近くを通り過ぎた月光館の女子生徒が話をこぼれ聞いて笑っていた。それに気付かないまま佐藤がポテトを摘んで振り返る。
「斑鳩は? 冬休みはやっぱり実家に帰るの?」
何も言っていないから、きっと特にその質問へ大した意味はない。
「帰らねぇよ」
だからアマネも大した話題ではないとばかりに返した。
帰る実家も、家も場所もつもりもない。色々なことが片付いたら、もう一度叔父一家と連絡を取るかどうかも全く考えていなかった。
中学卒業までは世話になったのだからその分の義理は立てなければならないとも思うが、従姉妹のしでかしたことを考えるとその義理を立てる事より再び関わることが嫌になってくる。
いずれにせよ冬休みに叔父の家へ行く予定は無かった。だが冬休みが明けて三学期を過ぎた先の、春休みはまだ“存在”するのかどうか分からない。
アマネの返事を聞いた佐藤は楽しげである。
「じゃあ初詣一緒に行かね?」
「クリスマスをさしおいてもう初詣かよ佐藤」
「バッカ。クリスマスは彼女と過ごせっていう佐藤の優しさだよ」
「あ、そうかスマン佐藤ありがとう。彼女居ねーけど」
「彼女居ないっていうな。出来るかも知れないだろ。望み捨てんな」
「希望ってのはな、薄い望みってことなんだぜ諸君。絶望の中の一筋の光だ」
「つまり見つけるのが大変だと」
「周りが暗ければ目立つってことじゃん?」
「ってかクリスマス遊べば良くね?」
「……クリスマスは、無理かも知れねぇけど初詣なら多分大丈夫」
やっと食べ終えたバーガーの包み紙を畳んだ。