ペルソナP3P
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朝のニュースで、辰巳記念病院で爆発事故だかがあったらしいことを告げていた。入院患者の一人が行方不明になったとされており、その患者の下の名前は『チドリ』
「…タカヤめぇ」
学校を休んで捜しに行く事も考えたが、最近休んでばかりだし明日の夜にはタルタロス前で会える。
会えるのだが、彼女はそこで死んでしまうのだ。
アマネの経験した『昔』では彼女は“生き返った”。その理由は彼女のペルソナが持つ特殊能力のお陰でもあり奇跡でもあったが、色々と“変わって”いる現状では、その『昔』と同じく彼女が生き返るという確証が無い。
けれどもだからといって、アマネが彼女を救うことは出来ないだろう。似ているとはいえアマネと彼女は違うのだ。故に決して相容れる事は無い。
彼女が伊織という存在を見つけたようには、アマネはいかないのだ。
例えば彼女にとっての『伊織』がアマネにとっての『兄』だとしよう。けれども彼はアマネの傍に居てくれない。
「……ナンセンスだなぁ」
「何が?」
学校の休み時間、朝のニュースを見てからずっと考えている事へ終止符を打つように呟くと、聞こえたらしく女子から貰ったポッキーを咥えていた佐藤が振り返った。あと一時間もすれば昼だというのにお菓子を食っているのは、多分次の授業が休み時間を潰す事で有名な教師担当の授業だからだろう。
ポッキーの一本を差し出してくるので口で咥えて受け取った。
「……知り合いが遠距離恋愛をしようかどうか悩んでる時、佐藤はどうするぅ?」
「ぅえ? んー、距離によるけどそこは『一緒に行こう!』ってプロポーズするとこじゃん?」
「一緒に逝かれたら困る」
「なんで? ん? 三角関係的な?」
「残念だがそんな事はねぇ」
否定すると佐藤はふざけるのをやめて、改めて真剣に考える。佐藤のそういうところは、今も『昔』も変わらずいいところだと思う。
「斑鳩の傍に残るほうをちゃんと元気付けてやって、別れない様にしてあげればいんじゃね? 距離から出来たからって忘れるとか、オレはそれ真実の愛じゃないと思うね!」
近くの席で聞いていた同級生が吹き出していたが、それはアマネが『親友達』から教わった事だった。
ああなんだ同じなのかと思うとストンと納得が出来る。伊織がチドリを忘れなければ、彼等は『一緒』だと。
「――いやそれじゃ駄目なんだよ。死に別れとか俺じゃあるまいし」
「え!? 遠距離恋愛ってそーいう!? つか斑鳩死に別れっ……?」
「俺の話じゃねぇよ。そもそも恋人がいねぇし」
「ですよねー。彼女いない同盟だもんねー」
何故か教室の隅でコチラを振り返っていた女子たちが安堵していた。
「…タカヤめぇ」
学校を休んで捜しに行く事も考えたが、最近休んでばかりだし明日の夜にはタルタロス前で会える。
会えるのだが、彼女はそこで死んでしまうのだ。
アマネの経験した『昔』では彼女は“生き返った”。その理由は彼女のペルソナが持つ特殊能力のお陰でもあり奇跡でもあったが、色々と“変わって”いる現状では、その『昔』と同じく彼女が生き返るという確証が無い。
けれどもだからといって、アマネが彼女を救うことは出来ないだろう。似ているとはいえアマネと彼女は違うのだ。故に決して相容れる事は無い。
彼女が伊織という存在を見つけたようには、アマネはいかないのだ。
例えば彼女にとっての『伊織』がアマネにとっての『兄』だとしよう。けれども彼はアマネの傍に居てくれない。
「……ナンセンスだなぁ」
「何が?」
学校の休み時間、朝のニュースを見てからずっと考えている事へ終止符を打つように呟くと、聞こえたらしく女子から貰ったポッキーを咥えていた佐藤が振り返った。あと一時間もすれば昼だというのにお菓子を食っているのは、多分次の授業が休み時間を潰す事で有名な教師担当の授業だからだろう。
ポッキーの一本を差し出してくるので口で咥えて受け取った。
「……知り合いが遠距離恋愛をしようかどうか悩んでる時、佐藤はどうするぅ?」
「ぅえ? んー、距離によるけどそこは『一緒に行こう!』ってプロポーズするとこじゃん?」
「一緒に逝かれたら困る」
「なんで? ん? 三角関係的な?」
「残念だがそんな事はねぇ」
否定すると佐藤はふざけるのをやめて、改めて真剣に考える。佐藤のそういうところは、今も『昔』も変わらずいいところだと思う。
「斑鳩の傍に残るほうをちゃんと元気付けてやって、別れない様にしてあげればいんじゃね? 距離から出来たからって忘れるとか、オレはそれ真実の愛じゃないと思うね!」
近くの席で聞いていた同級生が吹き出していたが、それはアマネが『親友達』から教わった事だった。
ああなんだ同じなのかと思うとストンと納得が出来る。伊織がチドリを忘れなければ、彼等は『一緒』だと。
「――いやそれじゃ駄目なんだよ。死に別れとか俺じゃあるまいし」
「え!? 遠距離恋愛ってそーいう!? つか斑鳩死に別れっ……?」
「俺の話じゃねぇよ。そもそも恋人がいねぇし」
「ですよねー。彼女いない同盟だもんねー」
何故か教室の隅でコチラを振り返っていた女子たちが安堵していた。