ペルソナP3P
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二泊三日の修学旅行から帰ってきた伊織達は、寮のラウンジへアマネがいる事に気づくと酷く驚いていた。
「……真田先輩、他の皆さんに伝えてなかったんですか」
「いや伝えてはいたぞ。ちゃんと全員から許可も取った。お前の姿に驚いてるんだろ」
そんな驚く事だろうかと自分の姿を見下ろせば、制服の上着を脱いだ格好にエプロン。何もおかしいところは無い。
ラウンジで宿題をやっている途中で辞書が必要になり、取りに行っていた天田が戻ってくる。そうしてアマネの隣へごく自然に座る姿に、桐条が目を丸くしていた。
「だから何なんです」
「君は……面倒見がいい、のか?」
「それは――」
「美鶴さん! アマネさんのご飯凄く美味しかったんですよ!」
「面倒見が良いんだな」
疑問を自問自答のように確定させて桐条が納得したように頷く。間違ってはいないが何だが釈然ともしないのはアマネがこの寮へ住んでいる訳では無いからか。
そうしている間にも荷物を自室へ置きに行った有里や岳羽が、天田へのお土産を持ってラウンジへ戻ってくる。寮生が帰ってきたのならアマネも帰っていいと思うのだが、帰る前に一言挨拶をしたいのにタイミングが分からない。
「喉渇いちゃった。お茶飲も」
「お湯は沸いてますけど、茶葉は新しいのを淹れねぇと」
「僕も貰っていいですか」
「あ、わたしも欲しい」
「ねえ天田君このお土産食べる? アマネ君も」
「そうだ天田! オレもお土産買ってきたんだけどさー」
それぞれ好き勝手にラウンジへ戻ってくる寮生に、何故かごく自然にアマネまで加わっているようで戸惑う。天田の宿題なんて手伝わずに、さっさと帰っておけばよかったと思うが後の祭りだ。
アマネが戸惑っていることに気づいてか、コロマルを撫でていたアイギスが寄ってくる。
「どうかしましたか?」
「しましたかも何も、俺帰っていいんですよね?」
「帰ってしまうのですか?」
「そんな残念そうに言われても……」
そんな残念がられる程、アイギスと関わりを持っていた覚えは無いのだが。
もういっその事挨拶せず帰っていいだろうかと考えたところで、最後の一人だった真田が二階から降りてくる。これでやっと帰れる、と思ったところでキッチンの方から悲鳴と何かを落とす音がした。
「誰か箒とちりとり持って来てくれる? あ、アマネ君! お土産あるからまだ帰らないでね!」
「……。……お茶飲む人ぉ!」
ヤケクソになって叫ぶと数人の手が上がる。その人数を覚えてキッチンへ行き、有里の代わりにお茶を淹れた。
結局、寮生の夕食も作ってから帰ることになったのは絶対何かの策略だと思う。土産だった八つ橋は美味しかったし料理も絶賛してもらえたが、何かが絶対にずれているとしか思えなかった。
「……真田先輩、他の皆さんに伝えてなかったんですか」
「いや伝えてはいたぞ。ちゃんと全員から許可も取った。お前の姿に驚いてるんだろ」
そんな驚く事だろうかと自分の姿を見下ろせば、制服の上着を脱いだ格好にエプロン。何もおかしいところは無い。
ラウンジで宿題をやっている途中で辞書が必要になり、取りに行っていた天田が戻ってくる。そうしてアマネの隣へごく自然に座る姿に、桐条が目を丸くしていた。
「だから何なんです」
「君は……面倒見がいい、のか?」
「それは――」
「美鶴さん! アマネさんのご飯凄く美味しかったんですよ!」
「面倒見が良いんだな」
疑問を自問自答のように確定させて桐条が納得したように頷く。間違ってはいないが何だが釈然ともしないのはアマネがこの寮へ住んでいる訳では無いからか。
そうしている間にも荷物を自室へ置きに行った有里や岳羽が、天田へのお土産を持ってラウンジへ戻ってくる。寮生が帰ってきたのならアマネも帰っていいと思うのだが、帰る前に一言挨拶をしたいのにタイミングが分からない。
「喉渇いちゃった。お茶飲も」
「お湯は沸いてますけど、茶葉は新しいのを淹れねぇと」
「僕も貰っていいですか」
「あ、わたしも欲しい」
「ねえ天田君このお土産食べる? アマネ君も」
「そうだ天田! オレもお土産買ってきたんだけどさー」
それぞれ好き勝手にラウンジへ戻ってくる寮生に、何故かごく自然にアマネまで加わっているようで戸惑う。天田の宿題なんて手伝わずに、さっさと帰っておけばよかったと思うが後の祭りだ。
アマネが戸惑っていることに気づいてか、コロマルを撫でていたアイギスが寄ってくる。
「どうかしましたか?」
「しましたかも何も、俺帰っていいんですよね?」
「帰ってしまうのですか?」
「そんな残念そうに言われても……」
そんな残念がられる程、アイギスと関わりを持っていた覚えは無いのだが。
もういっその事挨拶せず帰っていいだろうかと考えたところで、最後の一人だった真田が二階から降りてくる。これでやっと帰れる、と思ったところでキッチンの方から悲鳴と何かを落とす音がした。
「誰か箒とちりとり持って来てくれる? あ、アマネ君! お土産あるからまだ帰らないでね!」
「……。……お茶飲む人ぉ!」
ヤケクソになって叫ぶと数人の手が上がる。その人数を覚えてキッチンへ行き、有里の代わりにお茶を淹れた。
結局、寮生の夕食も作ってから帰ることになったのは絶対何かの策略だと思う。土産だった八つ橋は美味しかったし料理も絶賛してもらえたが、何かが絶対にずれているとしか思えなかった。