ペルソナP3P
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放課後の校門で佇んでいると目的の人物が歩いてくるのが見えて、アマネはより掛かっていた校門から背中を離した。そんなアマネの姿を見た岳羽が足を止める。
「……何か、用?」
「これを貴女へ」
鞄の中から、今までに桐条サーバや至るところをハッキングしてかき集めた、十年前の事故に関する資料から岳羽詠一郎の関わっていた物を抜粋したものを取り出して差し出した。ストレガについて調べる過程での、アマネにとっては副産物だったが彼女にとっては眼を通してもいいはずの物だろう。
流石に屋久島で見たであろう映像の大本は拾えなかったが、その辺は幾月が持っているかもしれない。少なくとも持っていた筈なので今後桐条が許せば探せる可能性はある。幾月の物は『前』ならば全て桐条財閥が回収していた。
アマネの手からそれを受け取った岳羽は、鞄へそれをしまってから真っ直ぐにアマネを見る。
「キミ、ここの生徒だったんだ」
「不良だとでも思っていましたか?」
「うん……うん。少なくとも高校生っぽくはないよね」
「残念な事によく言われます」
肩を竦めながら言えば岳羽も少しだけ笑った。『前』にも似たような事を言われたなと思い出す。
けれどもアマネがいても、幾月の事をもっと早く止める事も出来なかった。結局は何も出来なかった子供だったのだ。
「……わたしね、キミに言われた事を考えてみたんだけど、アレって桐条先輩の為なんでしょ?」
聞かれてアマネが肯定も否定もせずにいれば、岳羽は言葉を選ぶように視線を逸らす。
「キミは知ってるみたいだからいいけどさ。こういう言い方したくないけど……『罪人の子供』って立場、辛いもん」
「貴女も桐条先輩も『罪人の子供』なんかではありません」
「分かってる。でもずっとそう考えてきたんだもの。ちょっと直ぐには変えられないよ」
十年は長い。人の感情を消すにも罪悪感で押し潰すにも充分な時間だ。
けれども一年だって長いのだ。更に言えば一日だって影時間が存在していなくとも長く、全ては覚悟をするか否かだ。相対性理論を提唱したアインシュタインは偉大である。
「変えてください。俺は貴女達が落ち込んでいるのを見るのも結構嫌なんです」
そう言えば岳羽は驚いたようにアマネを見て、それから恥ずかしげに顔を逸らした。
「キミって、結構言うんだね」
「? 何をですか?」
「あー、そういう……いいや。なんでもない」
何故か呆れられてしまったらしく首を傾げる。とりあえず渡したい物は受け取ってもらえたので良しとした。
「……何か、用?」
「これを貴女へ」
鞄の中から、今までに桐条サーバや至るところをハッキングしてかき集めた、十年前の事故に関する資料から岳羽詠一郎の関わっていた物を抜粋したものを取り出して差し出した。ストレガについて調べる過程での、アマネにとっては副産物だったが彼女にとっては眼を通してもいいはずの物だろう。
流石に屋久島で見たであろう映像の大本は拾えなかったが、その辺は幾月が持っているかもしれない。少なくとも持っていた筈なので今後桐条が許せば探せる可能性はある。幾月の物は『前』ならば全て桐条財閥が回収していた。
アマネの手からそれを受け取った岳羽は、鞄へそれをしまってから真っ直ぐにアマネを見る。
「キミ、ここの生徒だったんだ」
「不良だとでも思っていましたか?」
「うん……うん。少なくとも高校生っぽくはないよね」
「残念な事によく言われます」
肩を竦めながら言えば岳羽も少しだけ笑った。『前』にも似たような事を言われたなと思い出す。
けれどもアマネがいても、幾月の事をもっと早く止める事も出来なかった。結局は何も出来なかった子供だったのだ。
「……わたしね、キミに言われた事を考えてみたんだけど、アレって桐条先輩の為なんでしょ?」
聞かれてアマネが肯定も否定もせずにいれば、岳羽は言葉を選ぶように視線を逸らす。
「キミは知ってるみたいだからいいけどさ。こういう言い方したくないけど……『罪人の子供』って立場、辛いもん」
「貴女も桐条先輩も『罪人の子供』なんかではありません」
「分かってる。でもずっとそう考えてきたんだもの。ちょっと直ぐには変えられないよ」
十年は長い。人の感情を消すにも罪悪感で押し潰すにも充分な時間だ。
けれども一年だって長いのだ。更に言えば一日だって影時間が存在していなくとも長く、全ては覚悟をするか否かだ。相対性理論を提唱したアインシュタインは偉大である。
「変えてください。俺は貴女達が落ち込んでいるのを見るのも結構嫌なんです」
そう言えば岳羽は驚いたようにアマネを見て、それから恥ずかしげに顔を逸らした。
「キミって、結構言うんだね」
「? 何をですか?」
「あー、そういう……いいや。なんでもない」
何故か呆れられてしまったらしく首を傾げる。とりあえず渡したい物は受け取ってもらえたので良しとした。