ペルソナP3P
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休むのだろうと思っていたのに、キッチンで塩にぎりを作っていたら真田と天田、それと有里がやってきて座り込んだ。話し掛けられはしなかったのでアマネは黙っておにぎりを作り続け、出来上がったところでダイニングテーブルの上へ置いて帰ろうとしたら、天田に腕を掴まれた。
「いっ……!」
有里といい天田といい、何故撃たれた腕を掴むのか問いただしたい。思わず天田を振り払って腕を押さえ悶絶する。治療したとはいえ素人の手当てだ。しかも鎮痛剤は無い。
腕輪を手に入れたので鎮静の特質を持つ雨の炎で鎮めればいいのだが、有里達の目がある場所では流石に行なえる訳が無かった。深呼吸で痛みを無理に逃がしてから振り返れば、アマネが怪我をしていたことを思い出したのか天田が申し訳無さそうにしている。
「頼むから右腕はやめてくれぇ」
天田の頭を撫でつつそう頼んだ。ちょっと涙目になっていたかもしれない。
「あ、ごめんなさい。っていうか、大丈夫なんですか」
「弾は貫通してるし血は止まってるしなぁ。一応は平気だぜぇ」
「普通は平気じゃないと思うんだがな」
真田の何とも言えない様な物言いは、あったら困るが撃たれたことが無いからこそ言えるものだ。二度目になったら嫌でも耐性は付く。アマネの場合二度目なんてものでは無いかもしれないが。
腕を掴むなと言ったせいか、アマネの服を掴んだ天田にまだ何か用があるのかと振り返る。その先では既に有里がおにぎりへ手を伸ばしていた。別にいいのだが年頃の女子高生があんなに頬張るのはどうなのだろうか。
「で、何か用かぁ?」
「そんな大した事じゃないんですけど、ありがとうございました」
前置きもなく礼を言われて思わず眉をしかめてしまう。アマネが何故礼を言われているのか分からない事に気づいたのか、天田が慌てて続けた。
「その、昨日の事とか! ……荒垣さんの、こととか」
「アキのことに関してはオレにも礼を言わせてくれるか。医者の話では迅速な処置のお陰で一命を取り留めたところもあるらしい」
真田の口から改めて『荒垣が生きている』と言われると、やはり思った以上に感動する。
「あの、もし良ければ、荒垣さんの入院している場所を教えてもらえますか?」
「知らなかったのか? ……いや、そうだな。分かった」
「ありがとうございます」
「一緒にお見舞い行く?」
「それはいいです。一人で行きます……有里さん。全部食べるのは止めましょう」
ふと見れば残り少なくなっていたおにぎりに、そういえば『昔』も『兄』が夜食を食べていたと思い出す。
「いっ……!」
有里といい天田といい、何故撃たれた腕を掴むのか問いただしたい。思わず天田を振り払って腕を押さえ悶絶する。治療したとはいえ素人の手当てだ。しかも鎮痛剤は無い。
腕輪を手に入れたので鎮静の特質を持つ雨の炎で鎮めればいいのだが、有里達の目がある場所では流石に行なえる訳が無かった。深呼吸で痛みを無理に逃がしてから振り返れば、アマネが怪我をしていたことを思い出したのか天田が申し訳無さそうにしている。
「頼むから右腕はやめてくれぇ」
天田の頭を撫でつつそう頼んだ。ちょっと涙目になっていたかもしれない。
「あ、ごめんなさい。っていうか、大丈夫なんですか」
「弾は貫通してるし血は止まってるしなぁ。一応は平気だぜぇ」
「普通は平気じゃないと思うんだがな」
真田の何とも言えない様な物言いは、あったら困るが撃たれたことが無いからこそ言えるものだ。二度目になったら嫌でも耐性は付く。アマネの場合二度目なんてものでは無いかもしれないが。
腕を掴むなと言ったせいか、アマネの服を掴んだ天田にまだ何か用があるのかと振り返る。その先では既に有里がおにぎりへ手を伸ばしていた。別にいいのだが年頃の女子高生があんなに頬張るのはどうなのだろうか。
「で、何か用かぁ?」
「そんな大した事じゃないんですけど、ありがとうございました」
前置きもなく礼を言われて思わず眉をしかめてしまう。アマネが何故礼を言われているのか分からない事に気づいたのか、天田が慌てて続けた。
「その、昨日の事とか! ……荒垣さんの、こととか」
「アキのことに関してはオレにも礼を言わせてくれるか。医者の話では迅速な処置のお陰で一命を取り留めたところもあるらしい」
真田の口から改めて『荒垣が生きている』と言われると、やはり思った以上に感動する。
「あの、もし良ければ、荒垣さんの入院している場所を教えてもらえますか?」
「知らなかったのか? ……いや、そうだな。分かった」
「ありがとうございます」
「一緒にお見舞い行く?」
「それはいいです。一人で行きます……有里さん。全部食べるのは止めましょう」
ふと見れば残り少なくなっていたおにぎりに、そういえば『昔』も『兄』が夜食を食べていたと思い出す。