ペルソナP3P
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『前』の時にアマネはタカヤへ、何を守った気分になりたいのかと尋ねた。けれども結局タカヤに守りたいものなどなかったのだろうなと今は考える。
正確にはタカヤが守ろうとしていたものは影時間やペルソナでは無く、自分という存在そのものだったのだろう。しかしタカヤはそれを自覚していなかった。
誰からも必要とされない命を、最期くらいは自分の望みを叶える為に使う。けれどもその望みはとても曖昧で、しかも何処かで間違えてしまっていたのではないか。
眼下で行なわれていた会話の端々を思い出しながらアマネは考える。
死を想うこと。それは同時に生を想っていることに他ならない。
SEESに負けた二人が、悔しげに海へと飛び込んでいく。助けようにもアマネが今から海へ飛び込んだとしても、彼らよりも高い場所であるせいで着水の勢いが強くそれこそ死んでしまう。
どうせ彼等が助かる事は知っているので、アマネは助けには行かなかった。それに『前』と違ってジンは腕を刺し貫かれていない。
橋枠の頂上から降りていく途中で大型シャドウと対峙している『彼女』達が見えた。登った時より時間を掛けて地上へ戻り、待機組の姿を確認してから橋の袂へ向かう。
そこでSEESのメンバーが大型シャドウを倒して戻ってくるのを待った。
暫くして疲れてはいるものの嬉しげな様子で歩いてきた『彼女』達に、アマネは立ちはだかるように『彼女』達の視界へ入るよう移動する。アマネに気付いて足を止めたSEESの面々は、当然だが警戒していた。
「こんばんは」
「……お前も邪魔をしにきたのか」
「いえ。ただ少し言っておこうと思いまして」
警戒どころか敵意を向けてくる岳羽と真田を抑え、桐条が前へと出てくる。
「話せることは無いと言っていただろう」
「時間が経てば情報も変わりますよ。――ストレガは生きています」
「!?」
一気に視線が険しくなる中には、『お前が助けたのか』という疑心も混ざっているようで。特にアマネが『味方』だと言ったのを聞いている桐条と、何か思うところがあるらしい天田の視線は、アマネの真意が探れないとばかりに怪訝そうだった。
「俺が助けた訳では無く、単に死ななかっただけです」
「見ていたのか」
「見てもいましたし、『知って』もいますから」
引っ掛かりを覚えるであろう言い方をすれば、案の定数人は訝しげにしている。
「……決してまだ油断しないでください。俺もとうとう狙われました。間に合うかどうか分かりません」
「何の――」
「これ以上は話せません」
最後にアイギスを一瞥して踵を返した。おそらくアイギスを通して幾月が聞いているか、明日のメンテナンスと称した改造で知るだろう。
だがソレで構わない。意識をアマネへ向けさせておけば幾月も慎重に動くようになる筈だ。
その『前』との違いを狙えばチャンスはある。
正確にはタカヤが守ろうとしていたものは影時間やペルソナでは無く、自分という存在そのものだったのだろう。しかしタカヤはそれを自覚していなかった。
誰からも必要とされない命を、最期くらいは自分の望みを叶える為に使う。けれどもその望みはとても曖昧で、しかも何処かで間違えてしまっていたのではないか。
眼下で行なわれていた会話の端々を思い出しながらアマネは考える。
死を想うこと。それは同時に生を想っていることに他ならない。
SEESに負けた二人が、悔しげに海へと飛び込んでいく。助けようにもアマネが今から海へ飛び込んだとしても、彼らよりも高い場所であるせいで着水の勢いが強くそれこそ死んでしまう。
どうせ彼等が助かる事は知っているので、アマネは助けには行かなかった。それに『前』と違ってジンは腕を刺し貫かれていない。
橋枠の頂上から降りていく途中で大型シャドウと対峙している『彼女』達が見えた。登った時より時間を掛けて地上へ戻り、待機組の姿を確認してから橋の袂へ向かう。
そこでSEESのメンバーが大型シャドウを倒して戻ってくるのを待った。
暫くして疲れてはいるものの嬉しげな様子で歩いてきた『彼女』達に、アマネは立ちはだかるように『彼女』達の視界へ入るよう移動する。アマネに気付いて足を止めたSEESの面々は、当然だが警戒していた。
「こんばんは」
「……お前も邪魔をしにきたのか」
「いえ。ただ少し言っておこうと思いまして」
警戒どころか敵意を向けてくる岳羽と真田を抑え、桐条が前へと出てくる。
「話せることは無いと言っていただろう」
「時間が経てば情報も変わりますよ。――ストレガは生きています」
「!?」
一気に視線が険しくなる中には、『お前が助けたのか』という疑心も混ざっているようで。特にアマネが『味方』だと言ったのを聞いている桐条と、何か思うところがあるらしい天田の視線は、アマネの真意が探れないとばかりに怪訝そうだった。
「俺が助けた訳では無く、単に死ななかっただけです」
「見ていたのか」
「見てもいましたし、『知って』もいますから」
引っ掛かりを覚えるであろう言い方をすれば、案の定数人は訝しげにしている。
「……決してまだ油断しないでください。俺もとうとう狙われました。間に合うかどうか分かりません」
「何の――」
「これ以上は話せません」
最後にアイギスを一瞥して踵を返した。おそらくアイギスを通して幾月が聞いているか、明日のメンテナンスと称した改造で知るだろう。
だがソレで構わない。意識をアマネへ向けさせておけば幾月も慎重に動くようになる筈だ。
その『前』との違いを狙えばチャンスはある。