ペルソナP3P
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『朝礼? 無かったけど?』
「……そっか。それならいいやぁ」
『先生には言っとくからちゃんと休めよ?』
佐藤へ電話して風邪で休むという嘘の言い訳を伝える。疑うことなくむしろ心配までしてくれた佐藤には悪いが、アマネには大人しく部屋へ篭っているつもりはなかった。
他のゴミも入れてカモフラージュした昨夜の衣服を処分する。巌戸台のほうへある個人病院でやはり痣になった腕や背中の診察をしてもらい、数日分のシップが入った袋を提げてその足で電車へ飛び乗った。
病院でシップを張ってもらったから、電車内でシップの匂いが充満していたような気もする。他の客へ内心申し訳ないと思いつつ目的の駅で降り、記憶にある道筋を辿って目的地へ向かう。
住宅地の中にある一軒家。表札は『沢田』
「場所も変わってねぇんだなぁ」
しみじみと思ったが、変わっていたらアマネが大変なのでありがたいと思うことにしておく。出掛ける前に書いた手紙を取り出し、誰かに見られる前に新聞受けへと投函した。
そうして踵を返そうとした先、目の前に買物帰りの女性が立っている。女性は付けていたゴーグルを首へ降ろし、アマネと目が合うと驚いたように目を見開き、それからニコリと微笑んだ。
「『久しぶり』ね。シップの匂いがするわ。怪我をしたの?」
「……昨日、ちょっと」
「アナタはいつもそう。『未来で死んだ時』みたいに、また誰かを守ろうとしているのかしら?」
詰られているようで言い返せないでいると『ビアンキ』が深く息を吐き出した。
「リボーンや隼人達には言わないほうがいい?」
「出来れば。俺は今の状態で沢田達へ会えるとは思ってません」
今の中途半端な状態では会えない。けれどもこうして来ては、姿も見せずに“頼っている”のだから自分はなんて卑怯な奴なのだろう。
けれどもそんな手を使ってでも可能性を増やしたい。その為には欲しい物がある。新聞受けに入れた手紙にはソレの事が書いてあった。
前に来た時会った了平はアマネのことを覚えており、ビアンキもアマネを知っている前提で話している。ということは確実に沢田達もアマネのことを覚えているのだろう。それはそれでいい。
ただ。
「胸を張って、沢田達に会うことが出来ねぇんです」
「……そうなの。それじゃあ仕方ないわね」
ビアンキが立ち尽くしているアマネの横を、軽く肩を叩きながら通り過ぎて家の中へと入っていく。後ろで閉められた玄関の向こうで、幾つかの懐かしい声が聞こえた。
「……そっか。それならいいやぁ」
『先生には言っとくからちゃんと休めよ?』
佐藤へ電話して風邪で休むという嘘の言い訳を伝える。疑うことなくむしろ心配までしてくれた佐藤には悪いが、アマネには大人しく部屋へ篭っているつもりはなかった。
他のゴミも入れてカモフラージュした昨夜の衣服を処分する。巌戸台のほうへある個人病院でやはり痣になった腕や背中の診察をしてもらい、数日分のシップが入った袋を提げてその足で電車へ飛び乗った。
病院でシップを張ってもらったから、電車内でシップの匂いが充満していたような気もする。他の客へ内心申し訳ないと思いつつ目的の駅で降り、記憶にある道筋を辿って目的地へ向かう。
住宅地の中にある一軒家。表札は『沢田』
「場所も変わってねぇんだなぁ」
しみじみと思ったが、変わっていたらアマネが大変なのでありがたいと思うことにしておく。出掛ける前に書いた手紙を取り出し、誰かに見られる前に新聞受けへと投函した。
そうして踵を返そうとした先、目の前に買物帰りの女性が立っている。女性は付けていたゴーグルを首へ降ろし、アマネと目が合うと驚いたように目を見開き、それからニコリと微笑んだ。
「『久しぶり』ね。シップの匂いがするわ。怪我をしたの?」
「……昨日、ちょっと」
「アナタはいつもそう。『未来で死んだ時』みたいに、また誰かを守ろうとしているのかしら?」
詰られているようで言い返せないでいると『ビアンキ』が深く息を吐き出した。
「リボーンや隼人達には言わないほうがいい?」
「出来れば。俺は今の状態で沢田達へ会えるとは思ってません」
今の中途半端な状態では会えない。けれどもこうして来ては、姿も見せずに“頼っている”のだから自分はなんて卑怯な奴なのだろう。
けれどもそんな手を使ってでも可能性を増やしたい。その為には欲しい物がある。新聞受けに入れた手紙にはソレの事が書いてあった。
前に来た時会った了平はアマネのことを覚えており、ビアンキもアマネを知っている前提で話している。ということは確実に沢田達もアマネのことを覚えているのだろう。それはそれでいい。
ただ。
「胸を張って、沢田達に会うことが出来ねぇんです」
「……そうなの。それじゃあ仕方ないわね」
ビアンキが立ち尽くしているアマネの横を、軽く肩を叩きながら通り過ぎて家の中へと入っていく。後ろで閉められた玄関の向こうで、幾つかの懐かしい声が聞こえた。