ペルソナP3P
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病院へ荒垣が救急搬送されるそのどさくさに紛れて、アマネは有里達へ気付かれないように家へと帰った。荒垣の血が服にべったりとついていたので表立ったところが通れず、アパートへ着いた頃にはもう朝までそんなに時間は無い。
コンクリへ落下して身体をぶつけていたり心臓マッサージで腕が疲れていたり、この様子では朝までの数時間で疲れが取れそうになかった。汚れだらけの服を、洗って血を取る努力もする気になれず全てゴミ袋へ放り込む。アパート特有の狭い風呂場へ入って頭から湯を浴びた。
手や顔だけでは無く髪にも血がついていたのか、流れていく湯に少し赤みが付いている。それを見下ろしてシャワーとは違う水滴が零れた。
「……全然駄目じゃねぇかよ」
桐条達に顔を見られたことはまだいい。どうせいつかは見られてしまうだろうと思っていたからそれが早まっただけだ。前もって有里へ名前を告げてもいるので、確実に探されるだろうがそれだって仕方ない。
そんな事より、荒垣が助けられたのかどうか。
救急車で搬送されていったから荒垣が何処の病院で、どんな処置を受けるのかが分からない。おそらくチドリと同じく桐条の手が掛かっている辰巳記念病院だろうが、今の段階では搬送されて、助かったかどうかすらアマネには分からなかった。
当然だがアマネはSEESではないので連絡が来ない。そもそも荒垣以外のSEESのメンバーでアマネの存在を知っていたのは何人だろうか。その内荒垣と知り合いである事を知っていたのは。アマネが影時間に適性があると知っていたのはと考えれば有里一人に絞られてしまう。
だが彼女はアマネの連絡先など知らない。だからアマネには自分から聞きに行くか、明日の朝礼を聞かなければ荒垣がどうなったのか分からないのだ。
彼を死なせたくなかった。アマネに大事な事を気付かせてくれた人。アマネを信じてくれた人だった。
風呂を出ても眠れる気がしない。髪を乾かしてタオルを肩へ掛けて、手に取った召喚器で自分のこめかみを撃つ。久しぶりに召喚したイブリスはペルソナの姿をしていて、決してアマネのシャドウだった時の姿はしていない。
それでも良かった。一人でいるのが嫌だっただけだ。
「荒垣さんが駄目だったとしてもまだ頑張る。頑張るから、今は傍に居てくれぇ……」
イブリスは何も言わずアマネの頭へ手を伸ばしてくる。これでは『前』のイブリスへ依存していたときへ逆戻りだなと自嘲して、思ったより変な泣き声が漏れた。
コンクリへ落下して身体をぶつけていたり心臓マッサージで腕が疲れていたり、この様子では朝までの数時間で疲れが取れそうになかった。汚れだらけの服を、洗って血を取る努力もする気になれず全てゴミ袋へ放り込む。アパート特有の狭い風呂場へ入って頭から湯を浴びた。
手や顔だけでは無く髪にも血がついていたのか、流れていく湯に少し赤みが付いている。それを見下ろしてシャワーとは違う水滴が零れた。
「……全然駄目じゃねぇかよ」
桐条達に顔を見られたことはまだいい。どうせいつかは見られてしまうだろうと思っていたからそれが早まっただけだ。前もって有里へ名前を告げてもいるので、確実に探されるだろうがそれだって仕方ない。
そんな事より、荒垣が助けられたのかどうか。
救急車で搬送されていったから荒垣が何処の病院で、どんな処置を受けるのかが分からない。おそらくチドリと同じく桐条の手が掛かっている辰巳記念病院だろうが、今の段階では搬送されて、助かったかどうかすらアマネには分からなかった。
当然だがアマネはSEESではないので連絡が来ない。そもそも荒垣以外のSEESのメンバーでアマネの存在を知っていたのは何人だろうか。その内荒垣と知り合いである事を知っていたのは。アマネが影時間に適性があると知っていたのはと考えれば有里一人に絞られてしまう。
だが彼女はアマネの連絡先など知らない。だからアマネには自分から聞きに行くか、明日の朝礼を聞かなければ荒垣がどうなったのか分からないのだ。
彼を死なせたくなかった。アマネに大事な事を気付かせてくれた人。アマネを信じてくれた人だった。
風呂を出ても眠れる気がしない。髪を乾かしてタオルを肩へ掛けて、手に取った召喚器で自分のこめかみを撃つ。久しぶりに召喚したイブリスはペルソナの姿をしていて、決してアマネのシャドウだった時の姿はしていない。
それでも良かった。一人でいるのが嫌だっただけだ。
「荒垣さんが駄目だったとしてもまだ頑張る。頑張るから、今は傍に居てくれぇ……」
イブリスは何も言わずアマネの頭へ手を伸ばしてくる。これでは『前』のイブリスへ依存していたときへ逆戻りだなと自嘲して、思ったより変な泣き声が漏れた。