ペルソナP3P
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旧陸軍基地跡で目撃されたのが一回。辰巳記念病院で一回。伏見の冤罪晴らしで一回。計三回は桐条に遭遇している訳だが、桐条はその三回を全て繋げる事が出来るだろうか。
伏見の件に関しては名乗っても居る訳で確実に正体がばれる。少なくとも名前と学年、住所は簡単に分かってしまうだろう。だが桐条達では『その先』が調べられない。
ストレガの一人だと考えるには基地跡で桐条達を助けた行為が気に掛かる。しかしチドリも助けている為、ストレガと関わりがあると思われるのは確定だろう。
実際は『中立』の振りをしているのだけれど。
とりあえずは幾月へ悟られなければ御の字だろう。幾月にアマネの情報が伝われば利用する方向になるであろうことは想像に難くない。そうしてSEESを利用しているのだから。
文化祭が迫り学校も慌ただしくなっていた。アマネのクラスではやはり『前』と同じ射的をやるらしい。
「日曜大工の出来る男ってのは、モテると思うかね?」
「日曜大工の出来る『お父さん』ならな」
「じゃあ日曜日は料理作ってくれる男」
「おいおい待てよ斑鳩は毎日作ってるじゃん。ということは斑鳩はモテモテか?」
「モテモテだろ?」
「モテモテだな」
「くそっ! じゃあオレはもう斑鳩に料理を教わるしかない!」
「そうして乙メンになっていくのであった」
「やめて」
射的台に釘を打ち込んでいる後ろで、紙製の花を作りながら無駄話しているクラスメイト達は、人をネタにしないで欲しい。最後の釘を打ち終えたところで踏み台にしていた椅子から降りようとして、『前』にあった事を思い出した。
右手首には、当然だが包帯は巻かれていない。
「どうした斑鳩?」
「……なんでもねぇよ。ところで退いてくれねぇと降りられねぇんだけど」
「飛べ!」
「いやいやいや、無理だろ」
「出来るけど本気でやったら煩せぇだろぉ?」
「出来るの!?」
「男子動けやテメェ等!」
女子に怒られて大人しくなる佐藤達にやっと椅子から降りられた。
窓の外では台風の前触れのように空が曇っている。目に見えて移動しているのが分かる雲の流れに、どうせ今回も中止になるのだろうなと思った。例え文化祭が中止にならずとも、『あの人』は風邪を引いてしまったから参加は出来なかったかも知れないが。結局月光館での文化祭に、あの人は参加出来ていない。
残念だったのだろうか。本当は。
アマネだってあの人が文化祭に参加して楽しんでいる姿を見てみたかった。
「文化祭楽しみだな!」
「……そうだなぁ」
伏見の件に関しては名乗っても居る訳で確実に正体がばれる。少なくとも名前と学年、住所は簡単に分かってしまうだろう。だが桐条達では『その先』が調べられない。
ストレガの一人だと考えるには基地跡で桐条達を助けた行為が気に掛かる。しかしチドリも助けている為、ストレガと関わりがあると思われるのは確定だろう。
実際は『中立』の振りをしているのだけれど。
とりあえずは幾月へ悟られなければ御の字だろう。幾月にアマネの情報が伝われば利用する方向になるであろうことは想像に難くない。そうしてSEESを利用しているのだから。
文化祭が迫り学校も慌ただしくなっていた。アマネのクラスではやはり『前』と同じ射的をやるらしい。
「日曜大工の出来る男ってのは、モテると思うかね?」
「日曜大工の出来る『お父さん』ならな」
「じゃあ日曜日は料理作ってくれる男」
「おいおい待てよ斑鳩は毎日作ってるじゃん。ということは斑鳩はモテモテか?」
「モテモテだろ?」
「モテモテだな」
「くそっ! じゃあオレはもう斑鳩に料理を教わるしかない!」
「そうして乙メンになっていくのであった」
「やめて」
射的台に釘を打ち込んでいる後ろで、紙製の花を作りながら無駄話しているクラスメイト達は、人をネタにしないで欲しい。最後の釘を打ち終えたところで踏み台にしていた椅子から降りようとして、『前』にあった事を思い出した。
右手首には、当然だが包帯は巻かれていない。
「どうした斑鳩?」
「……なんでもねぇよ。ところで退いてくれねぇと降りられねぇんだけど」
「飛べ!」
「いやいやいや、無理だろ」
「出来るけど本気でやったら煩せぇだろぉ?」
「出来るの!?」
「男子動けやテメェ等!」
女子に怒られて大人しくなる佐藤達にやっと椅子から降りられた。
窓の外では台風の前触れのように空が曇っている。目に見えて移動しているのが分かる雲の流れに、どうせ今回も中止になるのだろうなと思った。例え文化祭が中止にならずとも、『あの人』は風邪を引いてしまったから参加は出来なかったかも知れないが。結局月光館での文化祭に、あの人は参加出来ていない。
残念だったのだろうか。本当は。
アマネだってあの人が文化祭に参加して楽しんでいる姿を見てみたかった。
「文化祭楽しみだな!」
「……そうだなぁ」