ペルソナP3P
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荒垣視点
目を覚ますとベッドの上で、この暗い部屋の主はテーブルに置かれたノートパソコンの前で突っ伏していた。パソコンが点いているという事は影時間では無いのだろうが、時計を確認したら既に日付が変わっている。
アマネの周りにはコイツが調べて印刷したと思われる書類や、ペルソナの資料か神話の本が数冊アマネを囲むように広がっていた。幾つかには踏んだ様な皺が出来ていたので、実際踏んだのだろう。
駅の傍の裏路地に居て、アマネが来たことは覚えていた。それから発作を起こして、またアマネがカストールを静めたところまでは記憶があるが、その先は無いので放置すればいいものをまたアパートへ運ばれたらしい。
コートと帽子は掛け布団の上に乗せられていた。起き上がってそれを羽織り、アマネを起こしてちゃんと布団で寝かせようとベッドから降りる。アマネはまるで死んだように眠っていた。冷たい体温と聞こえない呼吸音にまさかと思ったが、途端に寝言を言ったので安心する。
少し前からコイツは調べ物に勤しんでいるようだった。学校は時期的にもうすぐ期末試験があるだろうに、試験勉強をするでもなく何かを調べている。同時に裏路地の不良の溜まり場へいる荒垣の元へも相変わらず来ていた。
「一体何がしてぇんだか」
呟いて寝ているアマネの身体を持ち上げる。思った以上に軽くて驚いたなんてものではなかったが、起こさずに寝かせてやろうと思ったのを今更覆す訳にもいかず、そのまま自分が今まで寝ていたベッドの中へ押し込んだ。
パソコンの電源はどうしようかと画面を覗き込めば、いくつものウィンドウが開きそれら全てが文字で埋め尽くされている。十年前に辰巳ポートアイランドで起こった事件と、桐条で行なわれていたシャドウに関する研究について調べていたらしかった。
「……下手に触んねぇでください」
後ろから声がして振り向けば、アマネが瞼を開けて荒垣を見ている。
パソコンの明かりがその顔を青白く照らしているのに、荒垣は眩しそうだと少しずれたことを思った。
「十年前の事件が関係してる事は、ノートを読んでるんですから知ってるでしょう?」
「調べ直しか?」
「『前』はあまり調べなかった事を、もう少し詳しく調べ直してるんです。あの人の所業は俺が思ってたよりも多いみてぇで、隠滅される前に残しておこうと思って」
「……んなの、桐条に頼めばいいだろ」
「桐条先輩が知るのは、もっと後ですから」
桐条のことを先輩と呼ぶ声には、どうしてか懐かしさが滲んで震えている。
目を覚ますとベッドの上で、この暗い部屋の主はテーブルに置かれたノートパソコンの前で突っ伏していた。パソコンが点いているという事は影時間では無いのだろうが、時計を確認したら既に日付が変わっている。
アマネの周りにはコイツが調べて印刷したと思われる書類や、ペルソナの資料か神話の本が数冊アマネを囲むように広がっていた。幾つかには踏んだ様な皺が出来ていたので、実際踏んだのだろう。
駅の傍の裏路地に居て、アマネが来たことは覚えていた。それから発作を起こして、またアマネがカストールを静めたところまでは記憶があるが、その先は無いので放置すればいいものをまたアパートへ運ばれたらしい。
コートと帽子は掛け布団の上に乗せられていた。起き上がってそれを羽織り、アマネを起こしてちゃんと布団で寝かせようとベッドから降りる。アマネはまるで死んだように眠っていた。冷たい体温と聞こえない呼吸音にまさかと思ったが、途端に寝言を言ったので安心する。
少し前からコイツは調べ物に勤しんでいるようだった。学校は時期的にもうすぐ期末試験があるだろうに、試験勉強をするでもなく何かを調べている。同時に裏路地の不良の溜まり場へいる荒垣の元へも相変わらず来ていた。
「一体何がしてぇんだか」
呟いて寝ているアマネの身体を持ち上げる。思った以上に軽くて驚いたなんてものではなかったが、起こさずに寝かせてやろうと思ったのを今更覆す訳にもいかず、そのまま自分が今まで寝ていたベッドの中へ押し込んだ。
パソコンの電源はどうしようかと画面を覗き込めば、いくつものウィンドウが開きそれら全てが文字で埋め尽くされている。十年前に辰巳ポートアイランドで起こった事件と、桐条で行なわれていたシャドウに関する研究について調べていたらしかった。
「……下手に触んねぇでください」
後ろから声がして振り向けば、アマネが瞼を開けて荒垣を見ている。
パソコンの明かりがその顔を青白く照らしているのに、荒垣は眩しそうだと少しずれたことを思った。
「十年前の事件が関係してる事は、ノートを読んでるんですから知ってるでしょう?」
「調べ直しか?」
「『前』はあまり調べなかった事を、もう少し詳しく調べ直してるんです。あの人の所業は俺が思ってたよりも多いみてぇで、隠滅される前に残しておこうと思って」
「……んなの、桐条に頼めばいいだろ」
「桐条先輩が知るのは、もっと後ですから」
桐条のことを先輩と呼ぶ声には、どうしてか懐かしさが滲んで震えている。