ペルソナP3P
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荒垣視点
アマネが書いたノートは、初めて見た時はアキ達が屋久島へ旅行に行くところで止まっていた。それが大体七月後半なので、それまでにSEESの面々が『大型シャドウ』と戦う満月の日が一度訪れる筈らしい。確証は無かった。
屋久島より先もいつかちゃんと書くつもりだ、と以前言っていたので、それを信じて定期的に荒垣はアマネが直々に書いたノートを時々確認に行っている。書くのが遅いのではなく、荒垣へ読まれることを前提にわざと少しずつ書いているらしいそれは、現在あの『天田』が親戚の元へ行けない為、巌戸台分寮で夏休みを過ごす事になったと増えていた。
高校生の寮へ小学生の彼を住ませるのか、とか、色々複雑な思いが浮かんだものの、何一つとして言葉には出来ない。
何とも言えない気分でノートを閉じれば、夕食の野菜炒めを運んできたアマネが座る。テレビを点けてニュース番組を映し、いただきますと食べ始める姿は至って普通だ。男子高校生にしては料理の腕も家事の腕も高いが、両親が亡くなっているらしいので自然とそうなったのかもしれない。
そんなごく『普通』の筈の男子高校生がしかし、荒垣へ『ストレガ』のことを聞いてきた。
「別に貴方の抑制剤について聞きてぇ訳じゃねぇんです。アレは身体に悪いですが、服用については仕方ねぇ部分も……ペルソナの抑制ですけど、俺貴方のペルソナ抑制して……いや、それはいいですね」
「よくねえだろ」
「アレについては完全に予想外なんでぇ。そのうち調べさせてもらうとして。ストレガは正直SEESの妨害者なんですよねぇ」
「だろうな。オレはあいつ等の目的を知らねえが碌な事考えてるとは思えねえ」
「俺は彼等の目的も考えも『そうさせた者』も知ってはいるんですが、彼らを説得出来るかって言われたら無理ですねぇ」
弱音のように言ってアマネが唸る。
全部知っているのだろうに『出来ない』なんておかしな話だが、世の中には絶対に無理だという事が必ずあるものだ。
「オメェはどうしたいんだ?」
「……出来る事なら、生きていて欲しい、んですかねぇ?」
最後に疑問符をつけて首を傾げるアマネは、今盛大にネタバレ発言をしたと気付いているのかいないのか。ストレガの誰か、もしくは全員が、『死ぬ』未来をコイツはきっと『知っている』。
以前、初めてノートを見てしまった日、アマネは『助けられそうな人を助けたい』と言っていた。ストレガが死ぬ事を分かっていて悩んでいるのは、つまりはそう言うことなのだろう。
「……死んだら終わりだぞ」
「知ってます」
アマネが書いたノートは、初めて見た時はアキ達が屋久島へ旅行に行くところで止まっていた。それが大体七月後半なので、それまでにSEESの面々が『大型シャドウ』と戦う満月の日が一度訪れる筈らしい。確証は無かった。
屋久島より先もいつかちゃんと書くつもりだ、と以前言っていたので、それを信じて定期的に荒垣はアマネが直々に書いたノートを時々確認に行っている。書くのが遅いのではなく、荒垣へ読まれることを前提にわざと少しずつ書いているらしいそれは、現在あの『天田』が親戚の元へ行けない為、巌戸台分寮で夏休みを過ごす事になったと増えていた。
高校生の寮へ小学生の彼を住ませるのか、とか、色々複雑な思いが浮かんだものの、何一つとして言葉には出来ない。
何とも言えない気分でノートを閉じれば、夕食の野菜炒めを運んできたアマネが座る。テレビを点けてニュース番組を映し、いただきますと食べ始める姿は至って普通だ。男子高校生にしては料理の腕も家事の腕も高いが、両親が亡くなっているらしいので自然とそうなったのかもしれない。
そんなごく『普通』の筈の男子高校生がしかし、荒垣へ『ストレガ』のことを聞いてきた。
「別に貴方の抑制剤について聞きてぇ訳じゃねぇんです。アレは身体に悪いですが、服用については仕方ねぇ部分も……ペルソナの抑制ですけど、俺貴方のペルソナ抑制して……いや、それはいいですね」
「よくねえだろ」
「アレについては完全に予想外なんでぇ。そのうち調べさせてもらうとして。ストレガは正直SEESの妨害者なんですよねぇ」
「だろうな。オレはあいつ等の目的を知らねえが碌な事考えてるとは思えねえ」
「俺は彼等の目的も考えも『そうさせた者』も知ってはいるんですが、彼らを説得出来るかって言われたら無理ですねぇ」
弱音のように言ってアマネが唸る。
全部知っているのだろうに『出来ない』なんておかしな話だが、世の中には絶対に無理だという事が必ずあるものだ。
「オメェはどうしたいんだ?」
「……出来る事なら、生きていて欲しい、んですかねぇ?」
最後に疑問符をつけて首を傾げるアマネは、今盛大にネタバレ発言をしたと気付いているのかいないのか。ストレガの誰か、もしくは全員が、『死ぬ』未来をコイツはきっと『知っている』。
以前、初めてノートを見てしまった日、アマネは『助けられそうな人を助けたい』と言っていた。ストレガが死ぬ事を分かっていて悩んでいるのは、つまりはそう言うことなのだろう。
「……死んだら終わりだぞ」
「知ってます」