ペルソナP3P
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荒垣が検査入院をしていた真田の元へ行った日から数日後の、ゴールデンウィークの最中。テレビを点けたまま夕食を取っていたら、テレビから聞き覚えのある『名前』が聞こえてきて噎せた。
たまたまノートを見に来ていた荒垣が思わず心配して声を掛けてくる程咳き込み、まだジュースの流れていたテレビを凝視すれば、聞き間違いではないことを悟る。荒垣も不思議そうにそのニュースを見やり、首を傾げていた。
「今年出来たばかりの『風紀財団』か。コレがどうかしたのか?」
荒垣がさも当然のように口にしたことが信じられない。『前』にはそんな組織は存在していなかったし、アマネにはその『存在していなかった』組織を『違う場所』で聞いたことがあった。
ニュースでは女性アナウンサーが淡々とその『風紀財団』とやらがまた事件解決を行なったと報道している。二年後には田舎で事件に遭遇する彼女が生きて喋っている事に違和感を覚えなくも無いが、問題はそっちではない。
「……恭弥?」
呟いた名前に荒垣が疑問符を浮かべる。しかしコレはこの『一年』に関する事ではないので話すつもりは無かった。
『今年』を一度経験しているんです、ということも話せないというのに、幾つか前の『前世で会った奴』のようです。なんて、どう考えても言える訳が無い。
さりげなく荒垣から『風紀財団』の事を聞きだし、結構世間的に有名な私設自警団だと知り、『前』にはそんなものは無かったと改めて考えた。
夕食後にネットで調べれば、今年の三月頃に設立されたばかりの組織でトップは若干十五歳の『高校生』。本部は月光館から電車で一時間程度の場所にある『並盛』町。まだ設立して間もないというのに、既に『第二の警察』とばかりに着実に実績を上げている様である。
むしろ有名なのに知らなかったのかと荒垣に不思議がられる程で、アマネは情報収集の至らなさを実感した。月光館と辰巳ポートアイランド近辺に的を絞り過ぎていたらしい。
というより、『前』と違うのは『彼女』だけだと思い込んでいたのか。
『前』は生まれてある程度自由に動けるようになってから、覚えのあるものが無いかを確かめたが、今回は平行世界への移動だったから調べていなかったのも敗因だろう。
カレンダーを見て次の満月までの日付を確認する。この為にわざわざ月齢の載っているカレンダーを買ったのだ。
ゴールデンウィークの休みもまだある。満月の日までアマネがやらねばならない事も無い。
「……いやでも、行ってどうすんだぁ」
たまたまノートを見に来ていた荒垣が思わず心配して声を掛けてくる程咳き込み、まだジュースの流れていたテレビを凝視すれば、聞き間違いではないことを悟る。荒垣も不思議そうにそのニュースを見やり、首を傾げていた。
「今年出来たばかりの『風紀財団』か。コレがどうかしたのか?」
荒垣がさも当然のように口にしたことが信じられない。『前』にはそんな組織は存在していなかったし、アマネにはその『存在していなかった』組織を『違う場所』で聞いたことがあった。
ニュースでは女性アナウンサーが淡々とその『風紀財団』とやらがまた事件解決を行なったと報道している。二年後には田舎で事件に遭遇する彼女が生きて喋っている事に違和感を覚えなくも無いが、問題はそっちではない。
「……恭弥?」
呟いた名前に荒垣が疑問符を浮かべる。しかしコレはこの『一年』に関する事ではないので話すつもりは無かった。
『今年』を一度経験しているんです、ということも話せないというのに、幾つか前の『前世で会った奴』のようです。なんて、どう考えても言える訳が無い。
さりげなく荒垣から『風紀財団』の事を聞きだし、結構世間的に有名な私設自警団だと知り、『前』にはそんなものは無かったと改めて考えた。
夕食後にネットで調べれば、今年の三月頃に設立されたばかりの組織でトップは若干十五歳の『高校生』。本部は月光館から電車で一時間程度の場所にある『並盛』町。まだ設立して間もないというのに、既に『第二の警察』とばかりに着実に実績を上げている様である。
むしろ有名なのに知らなかったのかと荒垣に不思議がられる程で、アマネは情報収集の至らなさを実感した。月光館と辰巳ポートアイランド近辺に的を絞り過ぎていたらしい。
というより、『前』と違うのは『彼女』だけだと思い込んでいたのか。
『前』は生まれてある程度自由に動けるようになってから、覚えのあるものが無いかを確かめたが、今回は平行世界への移動だったから調べていなかったのも敗因だろう。
カレンダーを見て次の満月までの日付を確認する。この為にわざわざ月齢の載っているカレンダーを買ったのだ。
ゴールデンウィークの休みもまだある。満月の日までアマネがやらねばならない事も無い。
「……いやでも、行ってどうすんだぁ」