ペルソナP3P
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荒垣視点
結局無理矢理『泊まれ』と言われてベッドを譲り渡され、朝になって荒垣が眼を覚ますと男はいなかった。
テーブルの上にはちりめん作りの人形型キーホルダーを付けられた鍵が置かれており、その傍には『朝食は冷蔵庫の中』だとか『コートは干してある』とかいやに詳細の書かれた書置き。見も知らぬ奴に鍵を置いて家を空けるんじゃねえよと思いつつその書置きへ眼を通していく。
最後に『この家の鍵はともかくもう一つの鍵とキーホルダーは絶対紛失しないでください』と書かれており、テーブルの上のキーホルダーを見下ろした。このアパートの鍵の他にもう一つ、何処のものかも分からない鍵が付いている。実家の鍵か何かにしては今住んでいるこのアパートの鍵よりも大切らしいそれに不思議に思った。
部屋を見回せば、引っ越してきてまだ荷物の整理が終わっていないかのように積まれている段ボール箱。ベッドの脇の床へ積み上げられた本やノート。ダンボールはともかく部屋全体は綺麗なのにそこだけ雑多だ。
ベッドの脇へ座ったまま積まれているノートを手に取る。中にはぎっしりと色々書かれているが、落書きなのか音符のような記号が並んでいるだけだった。
こんな落書きをするなど変な奴だと思いながら捲っていって、ふと気付いて手を止める。
「……これ、文字か?」
いくつかのパターンで構成されているそれは、単語の様に時々区切られており、荒垣は携帯を取り出してメール作成画面を表示させた。
そこへ記号をアルファベットへ置き直して打ち込んでいく。一文だけ置き直して見たそれを確認すれば、『ペルソナ使い』
ペルソナのことを知っているのは昨夜の段階で気づいていたが、それとこのノートの落書きの関係は分からなかった。
他の文章も解読してみたかったが、あまり他人の私物を漁るのも悪かろうとノートを閉じて戻す。戻した先には学校で使うらしい教科書もあることに気付いて、そこでやっとあの男が月光館学園の一年だと知れた。
ならば、アイツは今学校へ行っているのだろう。午前である今は到底帰ってくることはない。それとも深夜に不良の溜まり場へ来るような奴なので授業をサボって帰ってくるのか。
ともかく鍵を置いていったのならこのアパートを出て行っていいのだろうと思って立ち上がり、テーブルの上の鍵を掴んだところで再び気付いて荒垣は掴んだキーホルダーを見下ろす。
キーホルダーが付いているという事は、コレは普段使いの鍵だろう。そしてここは一人暮らしとしか思えないアパート。
「……アイツ、鍵持ってったのか?」
結局無理矢理『泊まれ』と言われてベッドを譲り渡され、朝になって荒垣が眼を覚ますと男はいなかった。
テーブルの上にはちりめん作りの人形型キーホルダーを付けられた鍵が置かれており、その傍には『朝食は冷蔵庫の中』だとか『コートは干してある』とかいやに詳細の書かれた書置き。見も知らぬ奴に鍵を置いて家を空けるんじゃねえよと思いつつその書置きへ眼を通していく。
最後に『この家の鍵はともかくもう一つの鍵とキーホルダーは絶対紛失しないでください』と書かれており、テーブルの上のキーホルダーを見下ろした。このアパートの鍵の他にもう一つ、何処のものかも分からない鍵が付いている。実家の鍵か何かにしては今住んでいるこのアパートの鍵よりも大切らしいそれに不思議に思った。
部屋を見回せば、引っ越してきてまだ荷物の整理が終わっていないかのように積まれている段ボール箱。ベッドの脇の床へ積み上げられた本やノート。ダンボールはともかく部屋全体は綺麗なのにそこだけ雑多だ。
ベッドの脇へ座ったまま積まれているノートを手に取る。中にはぎっしりと色々書かれているが、落書きなのか音符のような記号が並んでいるだけだった。
こんな落書きをするなど変な奴だと思いながら捲っていって、ふと気付いて手を止める。
「……これ、文字か?」
いくつかのパターンで構成されているそれは、単語の様に時々区切られており、荒垣は携帯を取り出してメール作成画面を表示させた。
そこへ記号をアルファベットへ置き直して打ち込んでいく。一文だけ置き直して見たそれを確認すれば、『ペルソナ使い』
ペルソナのことを知っているのは昨夜の段階で気づいていたが、それとこのノートの落書きの関係は分からなかった。
他の文章も解読してみたかったが、あまり他人の私物を漁るのも悪かろうとノートを閉じて戻す。戻した先には学校で使うらしい教科書もあることに気付いて、そこでやっとあの男が月光館学園の一年だと知れた。
ならば、アイツは今学校へ行っているのだろう。午前である今は到底帰ってくることはない。それとも深夜に不良の溜まり場へ来るような奴なので授業をサボって帰ってくるのか。
ともかく鍵を置いていったのならこのアパートを出て行っていいのだろうと思って立ち上がり、テーブルの上の鍵を掴んだところで再び気付いて荒垣は掴んだキーホルダーを見下ろす。
キーホルダーが付いているという事は、コレは普段使いの鍵だろう。そしてここは一人暮らしとしか思えないアパート。
「……アイツ、鍵持ってったのか?」