ペルソナ4
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俺の背後へ現れたイブリスが、全身を覆うように燃え上がる炎と共に高く浮かび上がり、急降下をするように足立の背後へいた月森のイザナギへ良く似たペルソナへ体当たりをかますと、足立と足立のペルソナは面白いほど勢い良く瓦礫の中へと吹き飛んでいった。
体当たりをしたイブリスが、月森達を抱きかかえ俺の後ろへ運んできてから消える。
「……先輩」
「良く頑張ったなぁ。――ペルソナッ!」
もう一度召喚器の引き金を引いて、再び現れたイブリスが今度は月森達の怪我を治した。
俺のイブリスが持つ唯一の回復技では、完全に治してやる事は出来なかったが、随分と楽にはなったと思いたい。
足立に撃たれた時は流石にまずいと思った。どうにか相手が油断したところで自分の持っている銃型召喚器を撃てる状況が欲しいと考えていたのだが、相手も銃を持っている事がネックだったのだ。
結局、強引に自殺したがりという事で撃てるところまで持ち込んだが。
「斑鳩先輩、それ……」
「ペルソナ召喚出来ねぇって言ってただろぉ。コレ、俺専用の召喚器」
「しょう、かん、き?」
「弾は出ないから武器じゃねぇ。でもペルソナを出すのに必要なんだよ。いいから態勢を立て直せぇ」
瓦礫が上へ向かって吹き飛び、その下から足立と足立のペルソナが出てくる。俺や月森達を睨みつける眼は金色で、この膜を張ったかのような霧と赤黒い空の下では、その金色が嫌に目立った。
足元へ紙袋を置いて召喚器をホルダーへ戻し、腰のナイフを抜く。
「……くそっ、そんなのアリかよ」
「は、ゲームにはジョーカーがあるモンだって忘れたのかぁ?」
ポケットへ突っ込んだままだった赤い腕章を腕に付ける。その隣に、立てるほどまで回復したらしい月森が武器を構えながら並んだ。
「ちょっと遅くなったぁ」
「そんな事無いです」
「そっか。あの馬鹿蹴るにはまだ間に合うかぁ。そりゃ重畳」
軽口を叩きながらも足立から眼を離さない。回復したとはいえ強さで足立を凌駕したわけではないし、俺一人戦力が加わったところで大した差もないと思う。
足立は顔を押さえて苦痛に堪えるような顔をしていた。右手に握られた銃は提げられたままでこちらへ向けられる事も無く、何かを呟き続けている。
俺は別に、彼の思考を真っ向から否定はしない。ただ、完全に同意もしないだけで。
ペルソナも使って久しぶりに思い切り暴れられるかもしれない戦いを前に、胸が騒ぐ。それを月森達の誰にも悟られないよう、口を開いた。
「月森、いけるなぁ?」
「はい!」
体当たりをしたイブリスが、月森達を抱きかかえ俺の後ろへ運んできてから消える。
「……先輩」
「良く頑張ったなぁ。――ペルソナッ!」
もう一度召喚器の引き金を引いて、再び現れたイブリスが今度は月森達の怪我を治した。
俺のイブリスが持つ唯一の回復技では、完全に治してやる事は出来なかったが、随分と楽にはなったと思いたい。
足立に撃たれた時は流石にまずいと思った。どうにか相手が油断したところで自分の持っている銃型召喚器を撃てる状況が欲しいと考えていたのだが、相手も銃を持っている事がネックだったのだ。
結局、強引に自殺したがりという事で撃てるところまで持ち込んだが。
「斑鳩先輩、それ……」
「ペルソナ召喚出来ねぇって言ってただろぉ。コレ、俺専用の召喚器」
「しょう、かん、き?」
「弾は出ないから武器じゃねぇ。でもペルソナを出すのに必要なんだよ。いいから態勢を立て直せぇ」
瓦礫が上へ向かって吹き飛び、その下から足立と足立のペルソナが出てくる。俺や月森達を睨みつける眼は金色で、この膜を張ったかのような霧と赤黒い空の下では、その金色が嫌に目立った。
足元へ紙袋を置いて召喚器をホルダーへ戻し、腰のナイフを抜く。
「……くそっ、そんなのアリかよ」
「は、ゲームにはジョーカーがあるモンだって忘れたのかぁ?」
ポケットへ突っ込んだままだった赤い腕章を腕に付ける。その隣に、立てるほどまで回復したらしい月森が武器を構えながら並んだ。
「ちょっと遅くなったぁ」
「そんな事無いです」
「そっか。あの馬鹿蹴るにはまだ間に合うかぁ。そりゃ重畳」
軽口を叩きながらも足立から眼を離さない。回復したとはいえ強さで足立を凌駕したわけではないし、俺一人戦力が加わったところで大した差もないと思う。
足立は顔を押さえて苦痛に堪えるような顔をしていた。右手に握られた銃は提げられたままでこちらへ向けられる事も無く、何かを呟き続けている。
俺は別に、彼の思考を真っ向から否定はしない。ただ、完全に同意もしないだけで。
ペルソナも使って久しぶりに思い切り暴れられるかもしれない戦いを前に、胸が騒ぐ。それを月森達の誰にも悟られないよう、口を開いた。
「月森、いけるなぁ?」
「はい!」