ペルソナ4
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俺を待ちはせず足立に話を聞きに行った月森達は、病院で足立を問い詰めるもそこで足立を逃がしたらしい。だが殆ど自供したようなものでテレビの中へ逃げ込んだらしく、追いかけることを俺に告げると電話は切れた。
ロールキャベツをタッパーへ詰め込んで紙袋へ入れ、ナイフと召喚器を服の下に隠し、ウォレットチェーンを腰に着けてから、部屋の隅に置いていたアタッシュケースを見やる。
生田目に向かって投げつけたり結構乱暴に扱ったりしたせいか、所々凹んでいたり傷が付いてしまっているそれを少し考えてから開けて、中に入っていたもう一つの物をポケットへねじ込んだ。
まずは病院へ言って堂島氏へ会う。堂島氏は生田目のいた病室の扉が見える場所の椅子に座っていた。
「堂島さん」
「! 斑鳩くんか」
「話は月森から聞きました。足立さん、逃げたんですね」
「……ああ」
苦い顔をして俯く堂島氏が何を考えているのかは分からない。自分の同僚だった足立が犯人だった事か、追いかけた月森達の心配か、一連の事件のことか。
それとも。
「と言うわけで、俺も行ってきます。堂島さんも病室で安静にしていてください」
まだ松葉杖を使わなければ歩き回れない堂島氏の腕を掴んで立たせ、脇に置いてあった松葉杖を渡す。
「不安なら菜々子ちゃんの傍でも構いません。貴方の甥と、その仲間達を信じてやってくれませんか?」
「……前から思っていたが、君は、時々オレより年上に思えるな」
堂島氏の言葉に一瞬驚き、それからすぐに笑って見せた。
「人生経験豊富なんですよ。少なくとも『つまらない』だなんて考える余裕は無かったくらいに」
「……孝介たちと、足立のことを頼む」
堂島氏を菜々子ちゃんの病室まで連れて行ってから、病院を飛び出して霧の深い市内をジュネスへ向かって走る。昨日よりも濃くなった霧を不安がるように、住人達が口々に呟いているのが走り抜ける間際聞こえた。
この霧も、テレビの中と関係があるのだろうか。
ふと空を見上げている人を見つけて、何かあるのだろうかと足を止めて同じく空を見上げる。
「……オイオイ、マジかぁ?」
霧に霞む視界の向こう、空にポッカリと空いた穴から更に深い霧が溢れ出てきているのが見えた。
ロールキャベツをタッパーへ詰め込んで紙袋へ入れ、ナイフと召喚器を服の下に隠し、ウォレットチェーンを腰に着けてから、部屋の隅に置いていたアタッシュケースを見やる。
生田目に向かって投げつけたり結構乱暴に扱ったりしたせいか、所々凹んでいたり傷が付いてしまっているそれを少し考えてから開けて、中に入っていたもう一つの物をポケットへねじ込んだ。
まずは病院へ言って堂島氏へ会う。堂島氏は生田目のいた病室の扉が見える場所の椅子に座っていた。
「堂島さん」
「! 斑鳩くんか」
「話は月森から聞きました。足立さん、逃げたんですね」
「……ああ」
苦い顔をして俯く堂島氏が何を考えているのかは分からない。自分の同僚だった足立が犯人だった事か、追いかけた月森達の心配か、一連の事件のことか。
それとも。
「と言うわけで、俺も行ってきます。堂島さんも病室で安静にしていてください」
まだ松葉杖を使わなければ歩き回れない堂島氏の腕を掴んで立たせ、脇に置いてあった松葉杖を渡す。
「不安なら菜々子ちゃんの傍でも構いません。貴方の甥と、その仲間達を信じてやってくれませんか?」
「……前から思っていたが、君は、時々オレより年上に思えるな」
堂島氏の言葉に一瞬驚き、それからすぐに笑って見せた。
「人生経験豊富なんですよ。少なくとも『つまらない』だなんて考える余裕は無かったくらいに」
「……孝介たちと、足立のことを頼む」
堂島氏を菜々子ちゃんの病室まで連れて行ってから、病院を飛び出して霧の深い市内をジュネスへ向かって走る。昨日よりも濃くなった霧を不安がるように、住人達が口々に呟いているのが走り抜ける間際聞こえた。
この霧も、テレビの中と関係があるのだろうか。
ふと空を見上げている人を見つけて、何かあるのだろうかと足を止めて同じく空を見上げる。
「……オイオイ、マジかぁ?」
霧に霞む視界の向こう、空にポッカリと空いた穴から更に深い霧が溢れ出てきているのが見えた。