ペルソナ4
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「『死が救済』なんて人が、『タスケルナ』とか『コロサレルヨ』なんて書く?」
「『イレラレテコロサレル』ってのも、考えてみりゃ……テメェで出してんなら、『イレテ コロス』だろ」
「……つまり、これは生田目が書いたものじゃない?」
カタカナで書いた『イレラレテ』の部分を丸で囲む。
「『入れられて』ってことは、完二が言ったとおり自分で入れている生田目が使うべき言葉じゃねぇ。生田目の行動を知っている誰かが生田目の行動を指してるってのが、正しいんじゃねぇかぁ?」
「別の……第三者的立場から傍観してる人がいる。じゃなかったらこんな文面をかけるはずがない」
「Si ということは生田目の他に第三者が出てくる。それはさておき、じゃあ生田目は何処までを把握して誘拐事件を引き起こしてたんだぁ? そもそも、どうしてテレビの中に入れてたんだぁ? アイツはテレビの中がどんな場所だか知ってたのかぁ?」
「……どうやら、生田目にもう一度話を聞く必要がありますね」
冷静にやるべき事が決まった月森達と共に立ち上がるも、俺は一緒に行かない事にした。
「一緒に行かないんですか?」
「クマを探しに行ってくる。アイツまだ菜々子ちゃんが息を吹き返した事知らねぇだろぉ」
生田目も一応安静が必要な人物で、容疑者とはいえそう集団で押し掛けるのも良くないだろう。一人減ったところで大して変わらないが、逆に俺一人いなくてもそれだけ人数がいればどうにかなる。
何かあったら連絡するように言い置いて病院を出て、とりあえずジュネスを目指した。テレビの中へ入って軽く探すも見当たらず、すぐにテレビから出る。
次にクマが行きそうな神社や商店街を探すも、濃い霧のせいでクマの姿どころかあまり人の姿も無い。
店の中まで覗いてクマがいないことを確かめ、当ても無く歩きながら他にクマが行きそうな場所を考えていて、ふと足を止めた。
まさかここは無いだろうと思いながらも、ポケットに入れっぱなしだった鍵を使って青い扉を開く。
いつもと変わらぬイゴールとマーガレットの姿。
「ようこそベルベットルームへ」
「……ですよねぇ」
当たり前だと思いながらも中へ入って扉を閉めた。
「本日はどんな御用でしょうか?」
「あんた等に言ってもあまり意味がねぇと思うんだがなぁ。クマっていう元はテレビの中へいて、最近はこちらの世界にも出入りしている自我を持てたシャドウを探してる。念の為に聞くが、ここにソイツは来てねぇかぁ?」
「そのようなお客は今のところ来ておりません」
表情一つ変えずにそう返してマーガレットが微笑む。相変わらずの金目。
「それにしましても、自我を得たシャドウでございますか」
「メティスや綾時さんみたいなモンだと思ってる。そう考えると自我を持つシャドウって結構多いなぁオイ」
思わず自分の言葉に突っ込んでしまったが、二人からは何の反応も無かったので少し寂しい。
「それともシャドウは元は人の内面だし、自我を持つことって多いのかぁ?」
「はてさて、私には分かりかねる事でございます。申し訳ありません」
謝罪を口にしながらもニヤリと笑うイゴールに、知らないのではなく言えない事情があるのだと察する。
「それはそうと、貴方様は再びペルソナを召喚したようですな」
「ああ……うん」
「ひとつお教えさせていただきます。貴方は以前と変わらぬ召喚法を使用したようでございますが、この地で再び手に入れた貴方の力は、この地での召喚法をも可能にされておられるようですな」
つまり、召喚器を使わなくとも月森達と同じ様にペルソナを召喚出来るという事か。召喚器が無ければ不安だったが、今後はその心配も無いのだろう。
「ですが、一つの召喚法に慣れてしまった貴方は、新しい召喚法の場合酷く気力を消耗しましょう。出来うる限り、変わらぬ方法をされ続けるのがよろしいかと」
「今の言葉で俺の予想は台無しだぁ」
結局召喚器は手放せない運命らしい。クマを探しに来ただけなのに酷く疲れた。
だが、万が一は召喚器が無くとも召喚出来るというのはありがたい。召喚器が無くとも精神力で強引に召喚も出来るらしいが、流石にそれよりは保障された召喚がしたかった。
「とにかく、もしクマがここへ来たらちゃんと戻ってくるように言ってくれねぇかぁ?」
「何処へ戻るように、でしょうか?」
「勿論、月森達のとこだぁ。シャドウに戻れなんて俺は絶対言わねぇし、今更クマを突き放すなんて真似は俺を含めた月森達の誰もしねぇよ。安心して戻ってくればいいんだぁ」
踵を返して扉のノブへ手を掛ける。
外へ出ると相変わらず霧が濃く、ポケットに入れていた携帯が振動した。
「もしもし」
『あ、先輩、……クマのやつ見つかりましたか?』
「思いつく場所は行ってみたしテレビの中も一応見たけど居なかった。そっちは?」
『生田目は、……やっぱり最初の山野アナと小西先輩の件とは、関わってませんでした。テレビの中へ入れていたのも、本当に救おうとしていたからで』
「花村、もういい。詳しいことはまた後日集まって聞く。今日はもう皆一度帰って休んだほうがいいだろぉ。月森に伝えてくれぇ」
『あ、いや、今代わります』
花村の震える声が小さくなって、月森の声が大きくなる。
『もしもし』
「お前も分かってるだろうけど、花村の声が震えてる。それに今日は色々あったし、一度休んで日を改めたほうがいいと思う」
『……分かりました』
「『イレラレテコロサレル』ってのも、考えてみりゃ……テメェで出してんなら、『イレテ コロス』だろ」
「……つまり、これは生田目が書いたものじゃない?」
カタカナで書いた『イレラレテ』の部分を丸で囲む。
「『入れられて』ってことは、完二が言ったとおり自分で入れている生田目が使うべき言葉じゃねぇ。生田目の行動を知っている誰かが生田目の行動を指してるってのが、正しいんじゃねぇかぁ?」
「別の……第三者的立場から傍観してる人がいる。じゃなかったらこんな文面をかけるはずがない」
「Si ということは生田目の他に第三者が出てくる。それはさておき、じゃあ生田目は何処までを把握して誘拐事件を引き起こしてたんだぁ? そもそも、どうしてテレビの中に入れてたんだぁ? アイツはテレビの中がどんな場所だか知ってたのかぁ?」
「……どうやら、生田目にもう一度話を聞く必要がありますね」
冷静にやるべき事が決まった月森達と共に立ち上がるも、俺は一緒に行かない事にした。
「一緒に行かないんですか?」
「クマを探しに行ってくる。アイツまだ菜々子ちゃんが息を吹き返した事知らねぇだろぉ」
生田目も一応安静が必要な人物で、容疑者とはいえそう集団で押し掛けるのも良くないだろう。一人減ったところで大して変わらないが、逆に俺一人いなくてもそれだけ人数がいればどうにかなる。
何かあったら連絡するように言い置いて病院を出て、とりあえずジュネスを目指した。テレビの中へ入って軽く探すも見当たらず、すぐにテレビから出る。
次にクマが行きそうな神社や商店街を探すも、濃い霧のせいでクマの姿どころかあまり人の姿も無い。
店の中まで覗いてクマがいないことを確かめ、当ても無く歩きながら他にクマが行きそうな場所を考えていて、ふと足を止めた。
まさかここは無いだろうと思いながらも、ポケットに入れっぱなしだった鍵を使って青い扉を開く。
いつもと変わらぬイゴールとマーガレットの姿。
「ようこそベルベットルームへ」
「……ですよねぇ」
当たり前だと思いながらも中へ入って扉を閉めた。
「本日はどんな御用でしょうか?」
「あんた等に言ってもあまり意味がねぇと思うんだがなぁ。クマっていう元はテレビの中へいて、最近はこちらの世界にも出入りしている自我を持てたシャドウを探してる。念の為に聞くが、ここにソイツは来てねぇかぁ?」
「そのようなお客は今のところ来ておりません」
表情一つ変えずにそう返してマーガレットが微笑む。相変わらずの金目。
「それにしましても、自我を得たシャドウでございますか」
「メティスや綾時さんみたいなモンだと思ってる。そう考えると自我を持つシャドウって結構多いなぁオイ」
思わず自分の言葉に突っ込んでしまったが、二人からは何の反応も無かったので少し寂しい。
「それともシャドウは元は人の内面だし、自我を持つことって多いのかぁ?」
「はてさて、私には分かりかねる事でございます。申し訳ありません」
謝罪を口にしながらもニヤリと笑うイゴールに、知らないのではなく言えない事情があるのだと察する。
「それはそうと、貴方様は再びペルソナを召喚したようですな」
「ああ……うん」
「ひとつお教えさせていただきます。貴方は以前と変わらぬ召喚法を使用したようでございますが、この地で再び手に入れた貴方の力は、この地での召喚法をも可能にされておられるようですな」
つまり、召喚器を使わなくとも月森達と同じ様にペルソナを召喚出来るという事か。召喚器が無ければ不安だったが、今後はその心配も無いのだろう。
「ですが、一つの召喚法に慣れてしまった貴方は、新しい召喚法の場合酷く気力を消耗しましょう。出来うる限り、変わらぬ方法をされ続けるのがよろしいかと」
「今の言葉で俺の予想は台無しだぁ」
結局召喚器は手放せない運命らしい。クマを探しに来ただけなのに酷く疲れた。
だが、万が一は召喚器が無くとも召喚出来るというのはありがたい。召喚器が無くとも精神力で強引に召喚も出来るらしいが、流石にそれよりは保障された召喚がしたかった。
「とにかく、もしクマがここへ来たらちゃんと戻ってくるように言ってくれねぇかぁ?」
「何処へ戻るように、でしょうか?」
「勿論、月森達のとこだぁ。シャドウに戻れなんて俺は絶対言わねぇし、今更クマを突き放すなんて真似は俺を含めた月森達の誰もしねぇよ。安心して戻ってくればいいんだぁ」
踵を返して扉のノブへ手を掛ける。
外へ出ると相変わらず霧が濃く、ポケットに入れていた携帯が振動した。
「もしもし」
『あ、先輩、……クマのやつ見つかりましたか?』
「思いつく場所は行ってみたしテレビの中も一応見たけど居なかった。そっちは?」
『生田目は、……やっぱり最初の山野アナと小西先輩の件とは、関わってませんでした。テレビの中へ入れていたのも、本当に救おうとしていたからで』
「花村、もういい。詳しいことはまた後日集まって聞く。今日はもう皆一度帰って休んだほうがいいだろぉ。月森に伝えてくれぇ」
『あ、いや、今代わります』
花村の震える声が小さくなって、月森の声が大きくなる。
『もしもし』
「お前も分かってるだろうけど、花村の声が震えてる。それに今日は色々あったし、一度休んで日を改めたほうがいいと思う」
『……分かりました』