ペルソナ4
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「その先輩は、俺が到着した時はもう虫の息だった。撃たれた場所が場所だったから助かる見込みも無かったし、病院へ運ぶ余裕も無かった。奈々子ちゃんとは違って目の前で息が止まったのも見た」
「……その先輩は」
「死んだよ。世間的には不良同士の喧嘩による事故で処理された。だから、お前らが菜々子ちゃんを心配する気持ちは痛てぇほど分かってた。でも同じだけ、俺達にはあの場所で何も出来ないとも分かってる。何かしたいのに何をすればいいのかも分からなくて、誰かの指示が欲しいと思うことも。指示があれば、その場を離れる理由にもなるし何も出来ない免罪符になる。死んでも『指示を出した奴が悪い』って責任転嫁出来る」
おそらくあの時、俺の思ったとおりに俺のことを恨んだのだろう花村が、視線を逸らしたのに目の端で気付きながら無視する。責めたい訳ではなかったし、責められない理由も無い。
「……ネタばらしするつもりは無かったんだがなぁ」
頭を掻いて誤魔化すように笑って言う。
「それなら……それなら言ってくれれば良かったじゃねッスか!」
「ネタを言ったら意味がねぇだろぉがぁ」
分かっていてわざと恨まれるような事をしたのだと、これで知られてしまった。自分からそう思わせるように動いたのだとはいえ、実際俺に憤りを感じていたのだろう花村や久慈川は、とても申し訳なさそうな顔をしている。
そんな顔をさせたかった訳ではないのだ。だから今だって、彼等が落ち着くまでは一緒にいないほうがいいだろうと思ってこの場を去ろうと思っていた。
仕方なく開き直ることにするか、と月森を呼び寄せ、その頭へ手を乗せる。
「お前、よく折れなかったなぁ。お前は頑張ったよ」
目を見開いて月森が俺を見た。笑ってやれば泣きそうに潤んだ眼を、慌てて腕で隠して月森は頷く。
「……先輩、スイマセンでした」
「いいんだぁ。俺は先輩なんだから、たまには先輩らしいことをしねぇと」
傍に来て頭を下げる花村の頭も撫でてやれば、久慈川や里中も近付いてきた。菜々子ちゃんが息を吹き返した喜びや色々なもので泣き止まない後輩達の頭を順に撫でて宥める。
月森がリーダーとして彼等の前で折れる姿を見せられないように、俺にだって先輩としての矜持があるのだ。
「それで、斑鳩先輩。こんな時に言うのもなんですけど、ボクたちは生田目の行動に疑問を持っています。先輩の知恵を……貸していただけますか?」
直斗に言われて、頷く。
「んなの当たり前じゃねぇかぁ」
「……その先輩は」
「死んだよ。世間的には不良同士の喧嘩による事故で処理された。だから、お前らが菜々子ちゃんを心配する気持ちは痛てぇほど分かってた。でも同じだけ、俺達にはあの場所で何も出来ないとも分かってる。何かしたいのに何をすればいいのかも分からなくて、誰かの指示が欲しいと思うことも。指示があれば、その場を離れる理由にもなるし何も出来ない免罪符になる。死んでも『指示を出した奴が悪い』って責任転嫁出来る」
おそらくあの時、俺の思ったとおりに俺のことを恨んだのだろう花村が、視線を逸らしたのに目の端で気付きながら無視する。責めたい訳ではなかったし、責められない理由も無い。
「……ネタばらしするつもりは無かったんだがなぁ」
頭を掻いて誤魔化すように笑って言う。
「それなら……それなら言ってくれれば良かったじゃねッスか!」
「ネタを言ったら意味がねぇだろぉがぁ」
分かっていてわざと恨まれるような事をしたのだと、これで知られてしまった。自分からそう思わせるように動いたのだとはいえ、実際俺に憤りを感じていたのだろう花村や久慈川は、とても申し訳なさそうな顔をしている。
そんな顔をさせたかった訳ではないのだ。だから今だって、彼等が落ち着くまでは一緒にいないほうがいいだろうと思ってこの場を去ろうと思っていた。
仕方なく開き直ることにするか、と月森を呼び寄せ、その頭へ手を乗せる。
「お前、よく折れなかったなぁ。お前は頑張ったよ」
目を見開いて月森が俺を見た。笑ってやれば泣きそうに潤んだ眼を、慌てて腕で隠して月森は頷く。
「……先輩、スイマセンでした」
「いいんだぁ。俺は先輩なんだから、たまには先輩らしいことをしねぇと」
傍に来て頭を下げる花村の頭も撫でてやれば、久慈川や里中も近付いてきた。菜々子ちゃんが息を吹き返した喜びや色々なもので泣き止まない後輩達の頭を順に撫でて宥める。
月森がリーダーとして彼等の前で折れる姿を見せられないように、俺にだって先輩としての矜持があるのだ。
「それで、斑鳩先輩。こんな時に言うのもなんですけど、ボクたちは生田目の行動に疑問を持っています。先輩の知恵を……貸していただけますか?」
直斗に言われて、頷く。
「んなの当たり前じゃねぇかぁ」