ペルソナ4
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発展途中の、おそらく菜々子ちゃんの深層心理を掘り出して作られた場所は、綺麗な場所だった。完成すればいわゆる天国のようなところなのだろうと思えるのは、ここが無垢すぎるからだ。
穢れも何も無い。純真な彼女らしいと思いながら殆ど一本道の通路を進む。
勢い込んで飛び込んだはいいが、昼間は辰巳ポートアイランドへ行っており、そのまま警察署へ行ったものだからナイフが無い。
向かった先では、座り込む菜々子ちゃんを見下ろす生田目がいた。
「おいぃ!」
「ひっ」
怯えてこちらを見る生田目に、少しずつ近付いていく。シャドウは徘徊しているが数が少ない。だから周囲には気を配る必要は無かった。
「く、来るな! この子は、僕が救うんだ……!」
そう言って生田目が奈々子ちゃんへ手を伸ばす。舌打ちをして持っていたアタッシュケースを投げつけると、生田目は頭を抱えて避けた。
召喚器を出してから投げれば良かったと軽く後悔しつつ、今のうちに菜々子ちゃんへ駆け寄る。
「菜々子ちゃん!」
「アマネお兄ちゃんっ!」
抱きかかえて走り出す。怯える生田目の向こうに落ちていたアタッシュケースを拾い、とりあえず今は生田目から逃げることを選んだ。
生田目は分からないが初めて入った菜々子ちゃんにこの空間は良くない。出来るだけ早く出口に繋がるテレビを探し出して出してやらなければならないだろう。
腕の中で咳き込む菜々子ちゃんの顔を覗き込む。
「怖い?」
「……菜々子、怖く、ないよ?」
こういう時でさえこの子は自分を押さえ込むのか。
「俺の質問が悪かったなぁ。きっと月森が来るから信じてやれよぉ」
「うん」
少女を抱く腕に力を込める。最初の逃亡が既に間違った方向へ向かっていたらしいとは、すぐに分かった。
だんだんと頂上へと向かっている。
舌打ちは菜々子ちゃんがいるので我慢したが、内心では悪態を吐きまくった。いっそのこと生田目を殺してしまうかと思ったが、そんな事は出来ない。
途中で菜々子ちゃんを降ろし、後ろからまだ生田目が来ないことを確かめてからアタッシュケースを開ける。
かつてしていた赤い腕章と一緒に、拳銃の形の召喚器。
「鉄砲?」
「違うぜぇ。これは俺の大事な『お守り』だぁ。使うと神様が来て俺達を守ってくれるんだぁ」
菜々子ちゃんを引き寄せて目と耳を塞ぎ、自分のこめかみへ向けて召喚器の銃口を当てる。
正直、久しぶりの召喚に耐えられるかどうか分からなかった。
「……イブリス」
薄い硝子の砕けるような音。懐かしい感覚に一瞬視界が眩みながらも、イブリスが持っている唯一回復効果のある技を発動する。
この空間にいることで蓄積される疲労がそれで少しでも回復してくれればいいが。菜々子ちゃんを見下ろすと少し呼吸が落ち着いていたようである。
生田目が見えたので、再び走り出すことにした。
穢れも何も無い。純真な彼女らしいと思いながら殆ど一本道の通路を進む。
勢い込んで飛び込んだはいいが、昼間は辰巳ポートアイランドへ行っており、そのまま警察署へ行ったものだからナイフが無い。
向かった先では、座り込む菜々子ちゃんを見下ろす生田目がいた。
「おいぃ!」
「ひっ」
怯えてこちらを見る生田目に、少しずつ近付いていく。シャドウは徘徊しているが数が少ない。だから周囲には気を配る必要は無かった。
「く、来るな! この子は、僕が救うんだ……!」
そう言って生田目が奈々子ちゃんへ手を伸ばす。舌打ちをして持っていたアタッシュケースを投げつけると、生田目は頭を抱えて避けた。
召喚器を出してから投げれば良かったと軽く後悔しつつ、今のうちに菜々子ちゃんへ駆け寄る。
「菜々子ちゃん!」
「アマネお兄ちゃんっ!」
抱きかかえて走り出す。怯える生田目の向こうに落ちていたアタッシュケースを拾い、とりあえず今は生田目から逃げることを選んだ。
生田目は分からないが初めて入った菜々子ちゃんにこの空間は良くない。出来るだけ早く出口に繋がるテレビを探し出して出してやらなければならないだろう。
腕の中で咳き込む菜々子ちゃんの顔を覗き込む。
「怖い?」
「……菜々子、怖く、ないよ?」
こういう時でさえこの子は自分を押さえ込むのか。
「俺の質問が悪かったなぁ。きっと月森が来るから信じてやれよぉ」
「うん」
少女を抱く腕に力を込める。最初の逃亡が既に間違った方向へ向かっていたらしいとは、すぐに分かった。
だんだんと頂上へと向かっている。
舌打ちは菜々子ちゃんがいるので我慢したが、内心では悪態を吐きまくった。いっそのこと生田目を殺してしまうかと思ったが、そんな事は出来ない。
途中で菜々子ちゃんを降ろし、後ろからまだ生田目が来ないことを確かめてからアタッシュケースを開ける。
かつてしていた赤い腕章と一緒に、拳銃の形の召喚器。
「鉄砲?」
「違うぜぇ。これは俺の大事な『お守り』だぁ。使うと神様が来て俺達を守ってくれるんだぁ」
菜々子ちゃんを引き寄せて目と耳を塞ぎ、自分のこめかみへ向けて召喚器の銃口を当てる。
正直、久しぶりの召喚に耐えられるかどうか分からなかった。
「……イブリス」
薄い硝子の砕けるような音。懐かしい感覚に一瞬視界が眩みながらも、イブリスが持っている唯一回復効果のある技を発動する。
この空間にいることで蓄積される疲労がそれで少しでも回復してくれればいいが。菜々子ちゃんを見下ろすと少し呼吸が落ち着いていたようである。
生田目が見えたので、再び走り出すことにした。