ペルソナ4
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SIDE 月森
『なんと、アリスに続いてもう一人の飛び入り参加者だ!』
司会者のよく分からない前説が響き渡る中、ステージの脇の緞帳の影からステージの中心へ向かって歩いてくる人物に、月森は自分が笑い者になっていることも忘れて言葉を無くした。隣の花村や完二も、さっきまでノリノリだったクマまで驚いてその人物を凝視している。
ステージの下に居る観客たちには、薄暗くてまだ良く分からないらしく、ザワザワとした声と不思議そうな空気が溢れていた。
その空気が、『彼』がスポットライトの下へ辿り着いた途端静まり返る。
短めのポニーテール。月森と同じく学校の女子の制服だがスカートの丈は膝より短く、男らしく仁王立ちすることも無く綺麗に足をそろえて立つ。
「写真部の女装喫茶で、私の写真、配布中です。……その、来て、ください」
控えめでどこか掠れた声で、宣伝をした『彼』が微笑み恥ずかしげに俯いた瞬間、クマが壇上に出た時と同じ位の歓声が上がった。
それを聞いた『彼』がスポットライトの下から早々に逃げてステージを後にする。司会者が慌てて呼び止める声も、観客の声に紛れて聞こえなかったのだろう。
優勝は、『彼』とギリギリの差でクマだった。
『なんと、アリスに続いてもう一人の飛び入り参加者だ!』
司会者のよく分からない前説が響き渡る中、ステージの脇の緞帳の影からステージの中心へ向かって歩いてくる人物に、月森は自分が笑い者になっていることも忘れて言葉を無くした。隣の花村や完二も、さっきまでノリノリだったクマまで驚いてその人物を凝視している。
ステージの下に居る観客たちには、薄暗くてまだ良く分からないらしく、ザワザワとした声と不思議そうな空気が溢れていた。
その空気が、『彼』がスポットライトの下へ辿り着いた途端静まり返る。
短めのポニーテール。月森と同じく学校の女子の制服だがスカートの丈は膝より短く、男らしく仁王立ちすることも無く綺麗に足をそろえて立つ。
「写真部の女装喫茶で、私の写真、配布中です。……その、来て、ください」
控えめでどこか掠れた声で、宣伝をした『彼』が微笑み恥ずかしげに俯いた瞬間、クマが壇上に出た時と同じ位の歓声が上がった。
それを聞いた『彼』がスポットライトの下から早々に逃げてステージを後にする。司会者が慌てて呼び止める声も、観客の声に紛れて聞こえなかったのだろう。
優勝は、『彼』とギリギリの差でクマだった。