ペルソナ4
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「ようこそ占いの館へ」
「……。暗にアンタがベルベットルームの主人の座を狙ってるようにしか思えねぇんだが、楽しいかぁ?」
「ええ。文化祭というものは始めての経験ですが、この浮ついた空気は嫌いではありません」
「そっかぁ……前半の言葉は無視かぁ」
文化祭当日。一緒に回る相手も居らず一人寂しく学校内をうろついていて、どう考えても違和感のある青い暗幕で覆われた占いの館を見つけてしまった。
その中で静かに座っていた、深い青色のローブのフードを深く被り、口元以外の素肌を晒そうとしない彼女の正面に座って、深く息を吐き出す。
「イゴールの許可は貰ってんのかぁ?」
「主は、別に私の外出を制限しておりません」
だからといって思い切り人間社会の祭り事に参加しているとは、イゴールだって思わないに違いない。
「……お土産は持っていってあげろよぉ。マーガレット」
せめてとばかりにそう勧めてやれば、フードを深く被った彼女、マーガレットの唇が弧を描いた。
どうしてどうやって学校の文化祭に紛れ込み、占いの館などという店を出しているのか分からないが、一般客も文化祭の間は出入り自由になっているし、その勢いと浮ついた雰囲気に興味を抱いて、マーガレット以外にも怪しい存在がいてもおかしくは無いのかもしれない。
気付いてしまうと違和感だらけだが。
「貴方も、占って差し上げましょうか?」
「結構だぁ。俺は予言とかそういう類は苦手になってるから」
「あら残念。ふふふ」
机の上のタロットカードへ手を伸ばして笑う彼女が、怖い。彼女の妹であるエリザベス程の無邪気さが無いからだろうか。
「では、私に付き合って頂けますか? 主へのお土産と、文化祭を楽しみたいのですが」
「……結局ここにいるのに飽きたんじゃねぇの?」
占いの館といえど店ではあるから、誰かがずっといないといけない。それでは普段ベルベットルームで座りっぱなしなのと変わらないだろう。
断る理由も無かったので了承して椅子から立ち上がった。ローブを脱いで同じく立ち上がったマーガレットの服装は、いつもと同じものだったし、金髪という事で一緒にいると目立つだろうが仕方が無い。
出来ればマーガレットを知っているかもしれない月森達に見つからないように、と願いながら占いの館を後にする。きちんと閉店の札を下げるマーガレットを連れて、とりあえず外の出店から見て回る事にした。
はぐれない様にか俺の腕に自身の腕を絡ませ歩く姿は、やはり結構な注目の的になる。
そんな視線を気にした様子も無く、楽しんでいたマーガレットのお気に入りは、射的で獲ったジャアクフロストの人形だった。
「……。暗にアンタがベルベットルームの主人の座を狙ってるようにしか思えねぇんだが、楽しいかぁ?」
「ええ。文化祭というものは始めての経験ですが、この浮ついた空気は嫌いではありません」
「そっかぁ……前半の言葉は無視かぁ」
文化祭当日。一緒に回る相手も居らず一人寂しく学校内をうろついていて、どう考えても違和感のある青い暗幕で覆われた占いの館を見つけてしまった。
その中で静かに座っていた、深い青色のローブのフードを深く被り、口元以外の素肌を晒そうとしない彼女の正面に座って、深く息を吐き出す。
「イゴールの許可は貰ってんのかぁ?」
「主は、別に私の外出を制限しておりません」
だからといって思い切り人間社会の祭り事に参加しているとは、イゴールだって思わないに違いない。
「……お土産は持っていってあげろよぉ。マーガレット」
せめてとばかりにそう勧めてやれば、フードを深く被った彼女、マーガレットの唇が弧を描いた。
どうしてどうやって学校の文化祭に紛れ込み、占いの館などという店を出しているのか分からないが、一般客も文化祭の間は出入り自由になっているし、その勢いと浮ついた雰囲気に興味を抱いて、マーガレット以外にも怪しい存在がいてもおかしくは無いのかもしれない。
気付いてしまうと違和感だらけだが。
「貴方も、占って差し上げましょうか?」
「結構だぁ。俺は予言とかそういう類は苦手になってるから」
「あら残念。ふふふ」
机の上のタロットカードへ手を伸ばして笑う彼女が、怖い。彼女の妹であるエリザベス程の無邪気さが無いからだろうか。
「では、私に付き合って頂けますか? 主へのお土産と、文化祭を楽しみたいのですが」
「……結局ここにいるのに飽きたんじゃねぇの?」
占いの館といえど店ではあるから、誰かがずっといないといけない。それでは普段ベルベットルームで座りっぱなしなのと変わらないだろう。
断る理由も無かったので了承して椅子から立ち上がった。ローブを脱いで同じく立ち上がったマーガレットの服装は、いつもと同じものだったし、金髪という事で一緒にいると目立つだろうが仕方が無い。
出来ればマーガレットを知っているかもしれない月森達に見つからないように、と願いながら占いの館を後にする。きちんと閉店の札を下げるマーガレットを連れて、とりあえず外の出店から見て回る事にした。
はぐれない様にか俺の腕に自身の腕を絡ませ歩く姿は、やはり結構な注目の的になる。
そんな視線を気にした様子も無く、楽しんでいたマーガレットのお気に入りは、射的で獲ったジャアクフロストの人形だった。