ペルソナ4
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「話さねぇよ」
月森が悲しげな顔をする。その頭へ手を伸ばして撫でた。
「これは、俺が俺の中にしまっておきたい事なんだぁ。お前が話すに値しないって訳じゃねぇから、そんな顔をしないでくれぇ」
「でも先輩は辛そうだ」
「辛れぇよ。今でもまだあんまりその事については整理出来たと思ってねぇし諦めきれもしねぇ。でもそれでいいんだよ今のところは。お前が気に病む必要はねぇ」
落ち込む月森が、どうして聞きたいと思ったのか。それはなんとなく理解は出来たけれど、こればっかりは駄目だ。
「お前はやさしいから、きっと俺の力になろうとしてくれているんだろうが、今はまだ、そんなことしなくていいんだぁ。なぁ?」
頷いてくれた月森へ微笑みを返して、今度こそ戻る為に歩き出す。繋いでいた手は離したけれど、月森が後ろから俺の腕を掴んでいた。
「いつか、教えてくれますか?」
「お前そんなに聞きたいのかぁ?」
「聞きたいです。佐藤さんが先輩が有里? さんのこと、凄く慕ってたって言ってました」
「うん」
「オレも、先輩のこと好きです」
「……ありがとう」
今の俺と月森は、あの頃の湊さんと俺の様な関係なんだろうか。先輩と後輩。でもそれ以外の何かも確かにあるような、しっかりとした絆が。
だったらなおさら、俺は前を向く努力をしなければならない。
談話室で迷惑になる寸前程度に騒いでいた花村達は、戻ってきた俺達を見て少しだけホッとしていた。暗に不安にさせてしまったかと考えて、あえて何事も無かったフリをする。
「直斗、桐条グループに話は着けたけど、その計画文書の事は口外すんなよぉ」
「話を着けたって、桐条グループ相手にですか?」
「うん」
「うっそぉ! 先輩実は凄い人?」
久慈川の質問には否定を返す。凄い訳ではなく、たまたま桐条のご令嬢と知り合いというだけだ。それでも桐条グループの関係者と知り合いという事で、俄かな羨望の的である。
聞けば久慈川は桐条グループの中の企業でも仕事をしたことがあるらしい。ジュネスとも提携を組んでいたりするらしく、桐条の幅広さを再認識させられた。
「でも、どうしてその桐条グループがシャドウに関する計画文書なんて持ってたんだろう?」
「シャドウも商売に使えるとか考えた、とか? あはは、さすがに無いか」
外れるも遠からずな里中の予想に内心冷や汗が出る。商売ではないが、個人的目的で利用しようとしていたという事実は、桐条の為にも俺の為にも教える訳にはいかなかった。
月森が悲しげな顔をする。その頭へ手を伸ばして撫でた。
「これは、俺が俺の中にしまっておきたい事なんだぁ。お前が話すに値しないって訳じゃねぇから、そんな顔をしないでくれぇ」
「でも先輩は辛そうだ」
「辛れぇよ。今でもまだあんまりその事については整理出来たと思ってねぇし諦めきれもしねぇ。でもそれでいいんだよ今のところは。お前が気に病む必要はねぇ」
落ち込む月森が、どうして聞きたいと思ったのか。それはなんとなく理解は出来たけれど、こればっかりは駄目だ。
「お前はやさしいから、きっと俺の力になろうとしてくれているんだろうが、今はまだ、そんなことしなくていいんだぁ。なぁ?」
頷いてくれた月森へ微笑みを返して、今度こそ戻る為に歩き出す。繋いでいた手は離したけれど、月森が後ろから俺の腕を掴んでいた。
「いつか、教えてくれますか?」
「お前そんなに聞きたいのかぁ?」
「聞きたいです。佐藤さんが先輩が有里? さんのこと、凄く慕ってたって言ってました」
「うん」
「オレも、先輩のこと好きです」
「……ありがとう」
今の俺と月森は、あの頃の湊さんと俺の様な関係なんだろうか。先輩と後輩。でもそれ以外の何かも確かにあるような、しっかりとした絆が。
だったらなおさら、俺は前を向く努力をしなければならない。
談話室で迷惑になる寸前程度に騒いでいた花村達は、戻ってきた俺達を見て少しだけホッとしていた。暗に不安にさせてしまったかと考えて、あえて何事も無かったフリをする。
「直斗、桐条グループに話は着けたけど、その計画文書の事は口外すんなよぉ」
「話を着けたって、桐条グループ相手にですか?」
「うん」
「うっそぉ! 先輩実は凄い人?」
久慈川の質問には否定を返す。凄い訳ではなく、たまたま桐条のご令嬢と知り合いというだけだ。それでも桐条グループの関係者と知り合いという事で、俄かな羨望の的である。
聞けば久慈川は桐条グループの中の企業でも仕事をしたことがあるらしい。ジュネスとも提携を組んでいたりするらしく、桐条の幅広さを再認識させられた。
「でも、どうしてその桐条グループがシャドウに関する計画文書なんて持ってたんだろう?」
「シャドウも商売に使えるとか考えた、とか? あはは、さすがに無いか」
外れるも遠からずな里中の予想に内心冷や汗が出る。商売ではないが、個人的目的で利用しようとしていたという事実は、桐条の為にも俺の為にも教える訳にはいかなかった。