ペルソナ4
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「白河通りならこっちのほうが近道だぜぇ」
「ホントすか?」
天城を背負う完二に頷いて、路地を進む。更に後ろでは久慈川に肩を貸す里中とクマを背負う花村。
月森は俺が背負っていた。流石にシャツのボタンは閉めてあるが、何が悲しくて素肌を晒す男を背負わなければならない。
「よくご存知ですね」
「昔はここにいたからなぁ」
白鐘嬢の感想にそう返すと背中の月森が小さく唸る。
「月光館学園に通ってたんだぁ。お前らも今日行ったんだろぉ? 伏見サンとか佐藤って奴に会わなかったかぁ?」
「生徒会長の伏見さんですか? なら会いましたよ」
「俺は彼女と同じクラスだったんだぁ。生徒会にも一時期いたんだぜぇ」
聞いていた花村と完二が意外そうな声を出すが、それはどういう意味なのだろうか。
生徒会には成績が良いからと教師に無理やり入れられた。それに友人だった佐藤もついて来て、生徒会の書記にちゃっかり納まって。
嗚呼、忙しくて考える暇だけは無かったなと思い出す。当時は何とも思っていなかったそれが、よくよく考えてみれば前にも後にも行かない為の逃避だったと分かる。
「どうして転校を? 確か一人暮らしでしたよね?」
「嫌な事があってここにいるのが苦痛になったんだぁ」
「それじゃ、もしかして今も辛かったりします?」
クマの保護者と化しているからか、花村が申し訳なさそうな顔をするのを振り返って見て、大丈夫だと返した。
「今はもう、ふんぎりさえつけば昔の知り合いとも会える」
「……さとう、さんが」
耳元で声がして思わず立ち止まれば、目を覚ましたらしい月森が眠そうな顔を上げている。
「起きたのかぁ。 歩けるかぁ?」
返事の代わりに月森は首を横に振って、肩から前に回されていた腕に力が込められた。
「オマエなぁ、迷惑だろ。歩けよ」
「やだ」
「いいよ花村」
苦笑してまた歩き出す。
「それで、佐藤がどうしたぁ?」
「……先輩がなくなって、さむい教室でかわいそうで、でも大好きで回復したみたいだって」
訳が分からないが、おそらく月森は佐藤に会ってどうしてか俺と知り合いであると知られて、俺が転校した理由でも聞いたのだろう。
寒い教室のことは分かる。佐藤が俺を見て泣きそうな顔をした日だ。その時はどうしてか分からなかったが、俺はあの時佐藤から見て可哀想だったのか。
ホテルは、二年前に大型シャドウの居た店だった。以前今は亡き幾月氏が「アミューズメントホテル」と言っていたことがあるが、まさか本当に学生が泊まるとは。
教師に見つかる前にビジネスホテルへ帰った。
「ホントすか?」
天城を背負う完二に頷いて、路地を進む。更に後ろでは久慈川に肩を貸す里中とクマを背負う花村。
月森は俺が背負っていた。流石にシャツのボタンは閉めてあるが、何が悲しくて素肌を晒す男を背負わなければならない。
「よくご存知ですね」
「昔はここにいたからなぁ」
白鐘嬢の感想にそう返すと背中の月森が小さく唸る。
「月光館学園に通ってたんだぁ。お前らも今日行ったんだろぉ? 伏見サンとか佐藤って奴に会わなかったかぁ?」
「生徒会長の伏見さんですか? なら会いましたよ」
「俺は彼女と同じクラスだったんだぁ。生徒会にも一時期いたんだぜぇ」
聞いていた花村と完二が意外そうな声を出すが、それはどういう意味なのだろうか。
生徒会には成績が良いからと教師に無理やり入れられた。それに友人だった佐藤もついて来て、生徒会の書記にちゃっかり納まって。
嗚呼、忙しくて考える暇だけは無かったなと思い出す。当時は何とも思っていなかったそれが、よくよく考えてみれば前にも後にも行かない為の逃避だったと分かる。
「どうして転校を? 確か一人暮らしでしたよね?」
「嫌な事があってここにいるのが苦痛になったんだぁ」
「それじゃ、もしかして今も辛かったりします?」
クマの保護者と化しているからか、花村が申し訳なさそうな顔をするのを振り返って見て、大丈夫だと返した。
「今はもう、ふんぎりさえつけば昔の知り合いとも会える」
「……さとう、さんが」
耳元で声がして思わず立ち止まれば、目を覚ましたらしい月森が眠そうな顔を上げている。
「起きたのかぁ。 歩けるかぁ?」
返事の代わりに月森は首を横に振って、肩から前に回されていた腕に力が込められた。
「オマエなぁ、迷惑だろ。歩けよ」
「やだ」
「いいよ花村」
苦笑してまた歩き出す。
「それで、佐藤がどうしたぁ?」
「……先輩がなくなって、さむい教室でかわいそうで、でも大好きで回復したみたいだって」
訳が分からないが、おそらく月森は佐藤に会ってどうしてか俺と知り合いであると知られて、俺が転校した理由でも聞いたのだろう。
寒い教室のことは分かる。佐藤が俺を見て泣きそうな顔をした日だ。その時はどうしてか分からなかったが、俺はあの時佐藤から見て可哀想だったのか。
ホテルは、二年前に大型シャドウの居た店だった。以前今は亡き幾月氏が「アミューズメントホテル」と言っていたことがあるが、まさか本当に学生が泊まるとは。
教師に見つかる前にビジネスホテルへ帰った。