ペルソナ4
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「Si だが名乗った覚えはねぇよなぁ?」
「失礼ながら勝手に調べさせて頂きました。僕は探偵の白鐘直斗と言います。この度八十神高校へ転校しまして」
「転校して早々修学旅行。なるほどコイツ等に引っ張られたかぁ?」
「偶然です」
探偵、とはなかなか面白い稼業である。いったい何の事件と関わっているのかと思ったが、そんなの当然連続誘拐事件だろう。久保美津雄が逮捕されたということで社会的には終わったとされたはずだ。
社会的には。
俺や少し鋭い奴ならアレが、ただの模倣で本当に事件が終わったといえないことは分かりきっている。模倣犯が出た後は真犯人が大人しくしているのが少し不安の種だが、警察が久保を逮捕したことで満足しているなら事件はこのまま迷宮入りだろう。
だが、この白鐘嬢は違うらしい。
「失礼ですが、貴方は以前生放送でテレビに映っていましたね」
「インタビューのことかぁ? あの時間の割には結構な奴が見てたみたいだぜぇ」
「数日後、貴方は学校を休んだそうですが」
月森が未だに完二へ飲み物のお代わりを要求している。
「風邪引いたんだぁ」
その月森がやっと俺が居る事に気付いたらしく、笑顔で膝の天城を降ろして近付いてきた。けらけらと笑い続ける天城。
花村が近付いてきた月森に怯えた様子だったが、月森の目には俺しか映っていないらしく、俺に抱きつこうとしてくるのを足元へ座らせて阻止する。
「ええ、ですが貴方の近所の方が、貴方のアパートへ伺ったそうですが一度も返事が無かったという証言があります」
「で?」
「貴方は本当は、学校を休んで違う場所へいたのではないですか?」
白鐘嬢の言葉に反応してはいけない。それだけは分かっていたので笑顔を作って白鐘嬢を見た。
「お嬢さんは……」
「僕は男です」
「……白鐘君は何を言いてぇんだぁ? 俺はあの日は風邪で寝てたんだぁ。出かける必要もねぇだろぉ」
「……貴方も、皆さんと一緒ですか」
何かに失望したかのような怒りを隠した声は、俺が誤魔化したのとは別の要因も含まれている。おそらく月森達にも事件のことを聞いて、誤魔化されたのだろう。
場の空気に酔っている奴もいるから案外本当のことを言ってしまったかもしれないが、酔っているからと白鐘嬢のほうが本気に取らず、馬鹿にされていると思ったのか。
まぁ、真実といえど非現実的なことを酔っ払いに言われたら、信じられないものだ。
「白鐘君。一つだけ教えてやるが、真実は時に奇怪だぁ」
「彼等の世迷い言を信じろと?」
「いや、その小さな頭で考えられる以上に真実は柔軟であるってこったぁ」
「……おっしゃる意味が分かりませんが」
戸惑う白鐘嬢に笑みを深くして立ち上がる。笑うのを止めて眠り始めている天城や久慈川、俺の脚に寄り掛かって寝ている月森を見て、そろそろ帰らせたほうが良いだろうと思ったからだ。
「失礼ながら勝手に調べさせて頂きました。僕は探偵の白鐘直斗と言います。この度八十神高校へ転校しまして」
「転校して早々修学旅行。なるほどコイツ等に引っ張られたかぁ?」
「偶然です」
探偵、とはなかなか面白い稼業である。いったい何の事件と関わっているのかと思ったが、そんなの当然連続誘拐事件だろう。久保美津雄が逮捕されたということで社会的には終わったとされたはずだ。
社会的には。
俺や少し鋭い奴ならアレが、ただの模倣で本当に事件が終わったといえないことは分かりきっている。模倣犯が出た後は真犯人が大人しくしているのが少し不安の種だが、警察が久保を逮捕したことで満足しているなら事件はこのまま迷宮入りだろう。
だが、この白鐘嬢は違うらしい。
「失礼ですが、貴方は以前生放送でテレビに映っていましたね」
「インタビューのことかぁ? あの時間の割には結構な奴が見てたみたいだぜぇ」
「数日後、貴方は学校を休んだそうですが」
月森が未だに完二へ飲み物のお代わりを要求している。
「風邪引いたんだぁ」
その月森がやっと俺が居る事に気付いたらしく、笑顔で膝の天城を降ろして近付いてきた。けらけらと笑い続ける天城。
花村が近付いてきた月森に怯えた様子だったが、月森の目には俺しか映っていないらしく、俺に抱きつこうとしてくるのを足元へ座らせて阻止する。
「ええ、ですが貴方の近所の方が、貴方のアパートへ伺ったそうですが一度も返事が無かったという証言があります」
「で?」
「貴方は本当は、学校を休んで違う場所へいたのではないですか?」
白鐘嬢の言葉に反応してはいけない。それだけは分かっていたので笑顔を作って白鐘嬢を見た。
「お嬢さんは……」
「僕は男です」
「……白鐘君は何を言いてぇんだぁ? 俺はあの日は風邪で寝てたんだぁ。出かける必要もねぇだろぉ」
「……貴方も、皆さんと一緒ですか」
何かに失望したかのような怒りを隠した声は、俺が誤魔化したのとは別の要因も含まれている。おそらく月森達にも事件のことを聞いて、誤魔化されたのだろう。
場の空気に酔っている奴もいるから案外本当のことを言ってしまったかもしれないが、酔っているからと白鐘嬢のほうが本気に取らず、馬鹿にされていると思ったのか。
まぁ、真実といえど非現実的なことを酔っ払いに言われたら、信じられないものだ。
「白鐘君。一つだけ教えてやるが、真実は時に奇怪だぁ」
「彼等の世迷い言を信じろと?」
「いや、その小さな頭で考えられる以上に真実は柔軟であるってこったぁ」
「……おっしゃる意味が分かりませんが」
戸惑う白鐘嬢に笑みを深くして立ち上がる。笑うのを止めて眠り始めている天城や久慈川、俺の脚に寄り掛かって寝ている月森を見て、そろそろ帰らせたほうが良いだろうと思ったからだ。