ペルソナ4
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マヨナカテレビに映る少年を見て、コイツはただの模倣犯だと確信する。
久保美津雄。警察が見つけた物的証拠から捜索のされていた高校生。行方不明だという話だったが、テレビの中へ行っていればなるほど見つからないだろう。
自分がやったと繰り返す姿は目立ちたがりの犯人らしいとも言えるが、そのくせ具体的にどうやって行なったのかは言わない。
それはつまり言わないのではなく、知らないから言えないのだ。
最後の教師に関してはコイツがやったかも知れない。それでも録音の如く同じ言葉しか繰り返さない様子からは、その時の記憶さえ曖昧だろう。
初めて殺人を犯した者の多くは時に、その事実に興奮して自分の行動を覚えていられない。冷静になれば思い出せるが、テレビに映った少年は興奮している。アレがシャドウだとしてもだ。
なんだか月森達をコイツと会わせたくないなぁ。なんて考えても、彼等は結局行くのだろう。犯人として捕まえに。
もしコイツがただの模倣犯だと教えても、今度は助けに行かなければと考えると思われる。
そもそも『模倣』であっても人を殺していることは変わり無いのだから、罪人なのか。
「……面倒臭せぇ」
「先輩はゲーム嫌いなんですか?」
「うん? ああ、ゲームはあまりしねぇなぁ」
天城が振り返って聞いてきたのは、俺の独り言をこの場所に対するものだと思ったからだろう。
久保を捕まえるために入り込んだテレビの中へ新しく出来ていた空間は、粗いドットで組まれたゲームのような空間だった。粗いドットも過ぎればレンガ造りに見えてくるのが不思議である。これが久保の深層心理だとすれば、少し怖い気もした。
ゲームは、コンテニューさえすれば何度死んでも生き返る。
様々な形をしている『敵』をたくさん倒していく、つまり邪魔者を排除するという認識。そしてやり直せるという前提。
ゲームにのめり込み過ぎた子供が、人は死んでも生き返るとか、邪魔な『敵』は殺していいと認識することが時にある。ゲームばかり遣りすぎて現実との境界が分からなくなるのが原因だと思われるが俺は良く知らない。
もし久保がそういう思考の持ち主だったら、捕まえに来た月森達に抵抗する場合躊躇も手加減も出来ないのだろうなと思う。だって別に生き返るから死んでもいいじゃないかと考えているからだ。
そう考えて向かった最後の扉の向こうは、予想に反して薄暗い部屋だった。
シャドウである自分へ向けて怒鳴り続けている久保。それを無視してテレビへ向かいゲームを続けているシャドウ。
シャドウの視線を自分へ向けることに必死になっている久保は、どうやら俺が思っていたような思考の持ち主ではなかったけれど、俺が考えていた行動心理ではあったらしい。
『自分に関心を向けてほしい』
そんな理由と周りは呆れるだろうけれど、それだって彼の満足には繋がるのだろう。人を殺して罪人と言われようが、もう彼は嬉しいばかり。それ以外は何も考えていない。
「……面倒くせぇ」
久保美津雄。警察が見つけた物的証拠から捜索のされていた高校生。行方不明だという話だったが、テレビの中へ行っていればなるほど見つからないだろう。
自分がやったと繰り返す姿は目立ちたがりの犯人らしいとも言えるが、そのくせ具体的にどうやって行なったのかは言わない。
それはつまり言わないのではなく、知らないから言えないのだ。
最後の教師に関してはコイツがやったかも知れない。それでも録音の如く同じ言葉しか繰り返さない様子からは、その時の記憶さえ曖昧だろう。
初めて殺人を犯した者の多くは時に、その事実に興奮して自分の行動を覚えていられない。冷静になれば思い出せるが、テレビに映った少年は興奮している。アレがシャドウだとしてもだ。
なんだか月森達をコイツと会わせたくないなぁ。なんて考えても、彼等は結局行くのだろう。犯人として捕まえに。
もしコイツがただの模倣犯だと教えても、今度は助けに行かなければと考えると思われる。
そもそも『模倣』であっても人を殺していることは変わり無いのだから、罪人なのか。
「……面倒臭せぇ」
「先輩はゲーム嫌いなんですか?」
「うん? ああ、ゲームはあまりしねぇなぁ」
天城が振り返って聞いてきたのは、俺の独り言をこの場所に対するものだと思ったからだろう。
久保を捕まえるために入り込んだテレビの中へ新しく出来ていた空間は、粗いドットで組まれたゲームのような空間だった。粗いドットも過ぎればレンガ造りに見えてくるのが不思議である。これが久保の深層心理だとすれば、少し怖い気もした。
ゲームは、コンテニューさえすれば何度死んでも生き返る。
様々な形をしている『敵』をたくさん倒していく、つまり邪魔者を排除するという認識。そしてやり直せるという前提。
ゲームにのめり込み過ぎた子供が、人は死んでも生き返るとか、邪魔な『敵』は殺していいと認識することが時にある。ゲームばかり遣りすぎて現実との境界が分からなくなるのが原因だと思われるが俺は良く知らない。
もし久保がそういう思考の持ち主だったら、捕まえに来た月森達に抵抗する場合躊躇も手加減も出来ないのだろうなと思う。だって別に生き返るから死んでもいいじゃないかと考えているからだ。
そう考えて向かった最後の扉の向こうは、予想に反して薄暗い部屋だった。
シャドウである自分へ向けて怒鳴り続けている久保。それを無視してテレビへ向かいゲームを続けているシャドウ。
シャドウの視線を自分へ向けることに必死になっている久保は、どうやら俺が思っていたような思考の持ち主ではなかったけれど、俺が考えていた行動心理ではあったらしい。
『自分に関心を向けてほしい』
そんな理由と周りは呆れるだろうけれど、それだって彼の満足には繋がるのだろう。人を殺して罪人と言われようが、もう彼は嬉しいばかり。それ以外は何も考えていない。
「……面倒くせぇ」