ペルソナ4
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長時間テレビの中にいたせいで限界が来たのだろう久慈川りせを連れて、出入り口にしている広場へと戻った。
外へは一緒に行けないクマに花村達は心配するも、当のクマはペラペラ状態になってしまった自分を復活させるからと、すでに思考は元の体を取り戻すことに執心している。
それならと順にテレビの外へ出て行く後輩達の後ろで、なんとなくクマに話しかけた。
「本当は、考える時間が欲しいんだろぉ?」
「……クマ、この前言われたことがまだ少し分からないクマ」
「どの辺りが?」
「考えたら寂しくなくなるクマか」
「……どうして寂しいのか分かったら次はどうすれば寂しくなくなるのかを考えろぉ。そしたら次は、次、次、と考えていくことが、大切なんだぁ」
「ほんとクマか?」
「考えて理解しようとすることで、最終的に人になれた存在を知ってる。まぁ、身体が変わったとかそういうことでは無かったんだけど、その人は機械の身体から人になった。理解するということはその感情を知るということだぁ。感情は知れば自分のものにすることも出来る。そうして……」
「クマ?」
月森が振り返ってクマと話している俺に気付く。その向こうでは完二がテレビに頭を突っ込んでいた。
そうして、人は感情を操っていつかシャドウを身の内に孕む。
様々な感情を覚えて抑圧して、いつかそれを受け入れなければならない時が来るとしても。もしくは一生受け入れずに済むとしても。
ではまだ人ではないクマは、自分を受け入れられるのだろうか。
「どうしたクマか?」
「……ん、少し俺も疲れたみたいだなぁ。やっぱ年だぁ」
「アマネはセンセイと一つ違うだけクマよ」
「一年はだいぶ違う。もっと歳を取れば分かるけど、五十台と四十台の壁は厚いんだぁ」
「なーんか重みのある言葉クマ」
「でも、クマはちゃんと自分と向き合ったんだなぁ。それは偉いよ」
「アマネだって自分と向き合ったクマ」
「向き合ってる途中なんだよ、俺の場合」
置きっぱなしの携帯はまだ怖くて、電源を入れられていない。イブリスと自分を信じて二年前一緒の寮にいたあの人達と話をするには、まだ勇気と切欠が足りなかった。
クマはそんな俺の内面には当然気付かなかったようで、頭を撫でてやれば恥ずかしげに喜んだ。
その心が折れる様な瞬間が来ないことを、少なからず望む。
「先輩、行きましょう」
「おう。じゃあなぁ。クマ」
月森に呼ばれてテレビのほうへ歩き出した。俺を待っていたらしい月森もクマへ向けて手を振って、テレビの中へと体を押し込んだ。
「何を話してたんですか?」
「俺に勇気が足りないって話」
「先輩はカッコイイと思います」
どうしてそう言ったのか分からないが、なんか違う気がする。
外へは一緒に行けないクマに花村達は心配するも、当のクマはペラペラ状態になってしまった自分を復活させるからと、すでに思考は元の体を取り戻すことに執心している。
それならと順にテレビの外へ出て行く後輩達の後ろで、なんとなくクマに話しかけた。
「本当は、考える時間が欲しいんだろぉ?」
「……クマ、この前言われたことがまだ少し分からないクマ」
「どの辺りが?」
「考えたら寂しくなくなるクマか」
「……どうして寂しいのか分かったら次はどうすれば寂しくなくなるのかを考えろぉ。そしたら次は、次、次、と考えていくことが、大切なんだぁ」
「ほんとクマか?」
「考えて理解しようとすることで、最終的に人になれた存在を知ってる。まぁ、身体が変わったとかそういうことでは無かったんだけど、その人は機械の身体から人になった。理解するということはその感情を知るということだぁ。感情は知れば自分のものにすることも出来る。そうして……」
「クマ?」
月森が振り返ってクマと話している俺に気付く。その向こうでは完二がテレビに頭を突っ込んでいた。
そうして、人は感情を操っていつかシャドウを身の内に孕む。
様々な感情を覚えて抑圧して、いつかそれを受け入れなければならない時が来るとしても。もしくは一生受け入れずに済むとしても。
ではまだ人ではないクマは、自分を受け入れられるのだろうか。
「どうしたクマか?」
「……ん、少し俺も疲れたみたいだなぁ。やっぱ年だぁ」
「アマネはセンセイと一つ違うだけクマよ」
「一年はだいぶ違う。もっと歳を取れば分かるけど、五十台と四十台の壁は厚いんだぁ」
「なーんか重みのある言葉クマ」
「でも、クマはちゃんと自分と向き合ったんだなぁ。それは偉いよ」
「アマネだって自分と向き合ったクマ」
「向き合ってる途中なんだよ、俺の場合」
置きっぱなしの携帯はまだ怖くて、電源を入れられていない。イブリスと自分を信じて二年前一緒の寮にいたあの人達と話をするには、まだ勇気と切欠が足りなかった。
クマはそんな俺の内面には当然気付かなかったようで、頭を撫でてやれば恥ずかしげに喜んだ。
その心が折れる様な瞬間が来ないことを、少なからず望む。
「先輩、行きましょう」
「おう。じゃあなぁ。クマ」
月森に呼ばれてテレビのほうへ歩き出した。俺を待っていたらしい月森もクマへ向けて手を振って、テレビの中へと体を押し込んだ。
「何を話してたんですか?」
「俺に勇気が足りないって話」
「先輩はカッコイイと思います」
どうしてそう言ったのか分からないが、なんか違う気がする。