ペルソナ4
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「クマ……、お前っ」
「センセイ……、クマ……みんなを守れたクマか?」
「馬鹿やろ……、無茶しやがってっ!守れたどころじゃねぇよっ、命の恩人だっつーのっ!」
薄い絨毯のようになってしまったクマはそれでも嬉しげに笑う。思い出したのは宣告者だった彼とアイギス、そしてメティスと時の狭間で見たイブリス。
クマは彼とアイギスと同じような存在だろうことは前から分かっていた。本当はメティスと同じシャドウなんだろうことも、薄々気付いている。
けれど、彼は月森達を助けたそれこそ命の恩人だ。本来のシャドウであればやらない行動に、彼自身も戸惑っていたけれど、それは心の何処かでそうしたいという感情が、いつかのアイギスの様に生まれているからだ。
内面が生まれつつある。
クマから少し離れたところでは、先程踵落としの決まって荒い画像のようにブレが出ているシャドウと向き合う久慈川りせの姿。
「そういえば先輩、凄かったですねさっき」
「あ? ああ、踵落とし」
「私もああいうの出来るようになりたいですっ」
里中が小声ながらも興奮して話し掛けて来る。久慈川りせが自分のシャドウを受け入れられれば、もう帰るだけでもあるから少し気が抜けたのだろう。
本来ならテレビの外へ戻るまでは気を抜かないで欲しいのだが、疲れている彼等にそれを言うのも酷というもので。
外に出たら何か奢ってやるかと財布の中身を思い出そうとしたところで、クマから禍々しい気配と重苦しい空気を感じた。思わず里中を庇うように身構えたところで他の面々も異変に気付く。
クマの背後に現れた、歪な恐怖を感じさせるシャドウ。
「……クマ?」
俺の小さな呟きは誰にも聞こえない。
そのシャドウはクマの内面の一部だとは思えないほど荒んだ言葉を発してクマと言い合っていたかと思うとこちらへ視線を向けた。
あ、ヤバイ。なんて思う余裕があるだけマシだろう。
空間を壊す勢いで全てを吸い込もうとする強風に、咄嗟に傍に居た里中の肩を掴んで近くにあった鉄筋にしがみ付く。ペラペラだったクマが早々に吸い込まれてしまったが、彼はあのシャドウの表側だ。クマが滅ぶことはまだ無いと思う。
問題は吸い込まれそうになっている俺達で、俺達は吸い込まれてしまえばクマと違って消滅してしまう。そうなればおそらく、亡くなった犠牲者二人の様にテレビアンテナか電線に引っかかった死体の出来上がりだ。
ああでも死んだら『あの人』や『彼等』に会えるかな、なんて少しでも考えたのがバレたのか、しがみ付いていた里中が襟首を絞める。吸い込まれないように必死なのだろうが苦しい。
別の意味でヤバイ気がした時、久慈川が得たらしいペルソナが現れた。
「センセイ……、クマ……みんなを守れたクマか?」
「馬鹿やろ……、無茶しやがってっ!守れたどころじゃねぇよっ、命の恩人だっつーのっ!」
薄い絨毯のようになってしまったクマはそれでも嬉しげに笑う。思い出したのは宣告者だった彼とアイギス、そしてメティスと時の狭間で見たイブリス。
クマは彼とアイギスと同じような存在だろうことは前から分かっていた。本当はメティスと同じシャドウなんだろうことも、薄々気付いている。
けれど、彼は月森達を助けたそれこそ命の恩人だ。本来のシャドウであればやらない行動に、彼自身も戸惑っていたけれど、それは心の何処かでそうしたいという感情が、いつかのアイギスの様に生まれているからだ。
内面が生まれつつある。
クマから少し離れたところでは、先程踵落としの決まって荒い画像のようにブレが出ているシャドウと向き合う久慈川りせの姿。
「そういえば先輩、凄かったですねさっき」
「あ? ああ、踵落とし」
「私もああいうの出来るようになりたいですっ」
里中が小声ながらも興奮して話し掛けて来る。久慈川りせが自分のシャドウを受け入れられれば、もう帰るだけでもあるから少し気が抜けたのだろう。
本来ならテレビの外へ戻るまでは気を抜かないで欲しいのだが、疲れている彼等にそれを言うのも酷というもので。
外に出たら何か奢ってやるかと財布の中身を思い出そうとしたところで、クマから禍々しい気配と重苦しい空気を感じた。思わず里中を庇うように身構えたところで他の面々も異変に気付く。
クマの背後に現れた、歪な恐怖を感じさせるシャドウ。
「……クマ?」
俺の小さな呟きは誰にも聞こえない。
そのシャドウはクマの内面の一部だとは思えないほど荒んだ言葉を発してクマと言い合っていたかと思うとこちらへ視線を向けた。
あ、ヤバイ。なんて思う余裕があるだけマシだろう。
空間を壊す勢いで全てを吸い込もうとする強風に、咄嗟に傍に居た里中の肩を掴んで近くにあった鉄筋にしがみ付く。ペラペラだったクマが早々に吸い込まれてしまったが、彼はあのシャドウの表側だ。クマが滅ぶことはまだ無いと思う。
問題は吸い込まれそうになっている俺達で、俺達は吸い込まれてしまえばクマと違って消滅してしまう。そうなればおそらく、亡くなった犠牲者二人の様にテレビアンテナか電線に引っかかった死体の出来上がりだ。
ああでも死んだら『あの人』や『彼等』に会えるかな、なんて少しでも考えたのがバレたのか、しがみ付いていた里中が襟首を絞める。吸い込まれないように必死なのだろうが苦しい。
別の意味でヤバイ気がした時、久慈川が得たらしいペルソナが現れた。