ペルソナ4
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テレビに映り、砂嵐にぼやけたマヨナカテレビに映り、テレビの中へ突き落とされ、はっきりとしたマヨナカテレビへ映る。
ではマヨナカテレビとは何なのだろうかと思う。何故次の犠牲者が映るのか。誰が映しているのかどうして二度映すのか。気になる部分はいくらでもある。
だが花村のこの考えはきっと良いところまでは行っているのだろう。少なくともテレビへ映された人物が次のマヨナカテレビで映される辺りは。
この仮説で行けば次に突き落とされる危険があるのは、テレビで休業報道をされ稲羽市へ居るのだという久慈川りせ。もし彼女がテレビの中へ落とされれば仮説が正しいことになる。
そういう訳で揃って久慈川りせの監視をしていたのだが、途中で愛家の出前を頼むってどういうことだ。
「腹が減ってはなんとやら、ですって先輩」
「まぁ、食うのは別にいいんだけどよぉ」
一人だけ自販機で買った缶珈琲を飲みながら、少し離れて同じ様に愛家の出前で来た定食を食べている刑事に視線を向けた。
月森の保護者である堂島氏から、高校生が変なことに興味半分で頭を突っ込むなという忠告も兼ねて俺達を監視する命令を受けているらしい。その割には口を滑らしてそのことを言ってしまうし、監視のくせに堂々と姿を晒している。
足立透。昨日もがんものおすそ分けをしたし、朝も挨拶をしたばかりなのでどうも変な気分だ。
「刑事さんだったんですね」
「うん。言ってなかったっけ?」
「不定期なお仕事をされているとは思ってました」
「あー、泊まりだったりするからね」
今日もくたびれたスーツに身を包んで、隣で笑いながら定食を頬張る姿は警察には見えなかった。
「いやでも、僕もびっくりだよ。君が孝介君達と一緒にいるなんてさ」
「ええ、色々ありまして」
足立は俺が誘拐された事を知らない。俺が誘拐事件の関係者であることすら、謎の電話のおかげで病欠だったという事になっていて事件になってもいないのだ。
だからある意味『俺のことを知る人物が疑わしい』のだが、その反面月森達と行動している点に違和感が出てしまってはいる。
「仲いいの?」
「まだあんまり。でもこうして一緒に行動する程度には」
自分で聞いておきながら興味の無いような相槌を打つ足立に、出前の金を払っていないことを告げるべきか悩む。
飲み干した珈琲の缶を捨て、後ろの柱に寄り掛かった。
「足立さんはこの事件、どう思ってるんですか?」
「そりゃあ一日も早く犯人を捕まえ」
「もっと個人的な感想では、どうですか」
小声で、隣にいる足立にしか聞こえないように彼の言葉を遮る。里中達はまだそれぞれが注文した物を食べるのと久慈川りせの動向に夢中で、こちらの会話には気付いていない。
「……君さぁ」
花村が騒ぎ出したお陰で彼の言葉はそれ以上出て来なかった。久慈川りせの後をこそこそと付けているオタクの様な男を追い駆けだした花村達を追って、足立も一瞬漂った不穏な空気を無かったことにして動き出す。
そうして捕まえた男を警察署へ連行する姿を見送る皆に、あれはどう考えても犯人じゃないとはどうしても言えなかった。
ではマヨナカテレビとは何なのだろうかと思う。何故次の犠牲者が映るのか。誰が映しているのかどうして二度映すのか。気になる部分はいくらでもある。
だが花村のこの考えはきっと良いところまでは行っているのだろう。少なくともテレビへ映された人物が次のマヨナカテレビで映される辺りは。
この仮説で行けば次に突き落とされる危険があるのは、テレビで休業報道をされ稲羽市へ居るのだという久慈川りせ。もし彼女がテレビの中へ落とされれば仮説が正しいことになる。
そういう訳で揃って久慈川りせの監視をしていたのだが、途中で愛家の出前を頼むってどういうことだ。
「腹が減ってはなんとやら、ですって先輩」
「まぁ、食うのは別にいいんだけどよぉ」
一人だけ自販機で買った缶珈琲を飲みながら、少し離れて同じ様に愛家の出前で来た定食を食べている刑事に視線を向けた。
月森の保護者である堂島氏から、高校生が変なことに興味半分で頭を突っ込むなという忠告も兼ねて俺達を監視する命令を受けているらしい。その割には口を滑らしてそのことを言ってしまうし、監視のくせに堂々と姿を晒している。
足立透。昨日もがんものおすそ分けをしたし、朝も挨拶をしたばかりなのでどうも変な気分だ。
「刑事さんだったんですね」
「うん。言ってなかったっけ?」
「不定期なお仕事をされているとは思ってました」
「あー、泊まりだったりするからね」
今日もくたびれたスーツに身を包んで、隣で笑いながら定食を頬張る姿は警察には見えなかった。
「いやでも、僕もびっくりだよ。君が孝介君達と一緒にいるなんてさ」
「ええ、色々ありまして」
足立は俺が誘拐された事を知らない。俺が誘拐事件の関係者であることすら、謎の電話のおかげで病欠だったという事になっていて事件になってもいないのだ。
だからある意味『俺のことを知る人物が疑わしい』のだが、その反面月森達と行動している点に違和感が出てしまってはいる。
「仲いいの?」
「まだあんまり。でもこうして一緒に行動する程度には」
自分で聞いておきながら興味の無いような相槌を打つ足立に、出前の金を払っていないことを告げるべきか悩む。
飲み干した珈琲の缶を捨て、後ろの柱に寄り掛かった。
「足立さんはこの事件、どう思ってるんですか?」
「そりゃあ一日も早く犯人を捕まえ」
「もっと個人的な感想では、どうですか」
小声で、隣にいる足立にしか聞こえないように彼の言葉を遮る。里中達はまだそれぞれが注文した物を食べるのと久慈川りせの動向に夢中で、こちらの会話には気付いていない。
「……君さぁ」
花村が騒ぎ出したお陰で彼の言葉はそれ以上出て来なかった。久慈川りせの後をこそこそと付けているオタクの様な男を追い駆けだした花村達を追って、足立も一瞬漂った不穏な空気を無かったことにして動き出す。
そうして捕まえた男を警察署へ連行する姿を見送る皆に、あれはどう考えても犯人じゃないとはどうしても言えなかった。