ペルソナ4
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一二年で合同林間学校があった次の週。夕食の材料を買おうとジュネスの食材売り場へ行けば、偶然月森がいた。
「夕飯かぁ?」
「はい」
月森の持つ買い物籠の中には、出来合いの弁当が三つ。
「夜食?」
「いいえ。夕食です」
当たり前のような月森の様子から、これが今日の夕食で普段からこういう食事なのだと知れる。育ち盛りの高校生がこんなものばかり食って良いはずがない。こいつの親はどうしているんだと思ったが、そういえば月森は家の事情で父子家庭の叔父の家に四月から世話になっているという話だった。
ということはその叔父は何をしている。しかも普段かららしいということは、その家では月森の食事が出ないのか。
「叔父さんだっけ? お前の分の食事無ぇの?」
「オレ弁当は作れるんですけど、食事はいつも出気合いとかなんです」
「……叔父さん達も?」
「はい」
信じられない。
というより許しがたい。その叔父には月森より幼い子供も居たはずだ。
尚更もって許しがたい。
「……今すぐその出来合いの弁当を戻せぇ」
思ったより低くなった声でそう告げて、月森がその言葉の意味を理解する前に籠から出来合い弁当を戻した。
「何食いたい?」
「えっと、カレー?」
「Si 材料買うぞぉ」
月森の腕を掴み、野菜売り場から順にカレーの材料を籠へ放り込んでいく。時には野菜の選び方を教えつつ、鬼気迫っているかのように買い物をする俺は、傍から見ても異様だっただろうが気にしない。
そんなことより月森とその家族の食生活改善だ。
レジを通って買い物袋を抱えて、月森の案内で月森がお世話になっているらしい堂島家へ向かう。玄関を開ければこの家の娘さんらしい少女が出てきたので挨拶と簡単な自己紹介をしてから、保護者である月森の叔父の帰宅時間を尋ねた。
「お父さん今日は少し遅くなるって」
「Si 台所を借りるよ。菜々子ちゃんはカレー好きかぁ?」
「カレー! 菜々子カレー好きだよ!」
「という訳で台所借りるぜぇ」
後ろでまだ状況の飲み込めていない月森は、菜々子ちゃんと一緒に居間へ居てもらって、とにかくカレーとサラダを作り始める。途中からしてきたカレーの匂いに釣られて台所の様子を気にしていた二人に、皿へ盛ったカレーを差し出せば満面の笑みで美味しいと言う。
二人が食べている間に帰ってきた二人の保護者、堂島氏は俺を見て驚いたようだった。
俺が滔々と食事の大切さと栄養バランスについて語りだすと、わざわざ正座して反省する様子を見るに、一応今の状態は良くないと考えてはいたのだろう。それを実行に移すには、彼の刑事という職のせいで不定期な生活時間がネックになっていることも分かった。
結局まだ幼い菜々子ちゃんを除いた三人で話し合った結果、月森が料理することになったので多少は改善されるだろう。弁当が作れるなら、教えれば普通に作れるはずである。
出過ぎた真似ではない。食事は大切だ。
「夕飯かぁ?」
「はい」
月森の持つ買い物籠の中には、出来合いの弁当が三つ。
「夜食?」
「いいえ。夕食です」
当たり前のような月森の様子から、これが今日の夕食で普段からこういう食事なのだと知れる。育ち盛りの高校生がこんなものばかり食って良いはずがない。こいつの親はどうしているんだと思ったが、そういえば月森は家の事情で父子家庭の叔父の家に四月から世話になっているという話だった。
ということはその叔父は何をしている。しかも普段かららしいということは、その家では月森の食事が出ないのか。
「叔父さんだっけ? お前の分の食事無ぇの?」
「オレ弁当は作れるんですけど、食事はいつも出気合いとかなんです」
「……叔父さん達も?」
「はい」
信じられない。
というより許しがたい。その叔父には月森より幼い子供も居たはずだ。
尚更もって許しがたい。
「……今すぐその出来合いの弁当を戻せぇ」
思ったより低くなった声でそう告げて、月森がその言葉の意味を理解する前に籠から出来合い弁当を戻した。
「何食いたい?」
「えっと、カレー?」
「Si 材料買うぞぉ」
月森の腕を掴み、野菜売り場から順にカレーの材料を籠へ放り込んでいく。時には野菜の選び方を教えつつ、鬼気迫っているかのように買い物をする俺は、傍から見ても異様だっただろうが気にしない。
そんなことより月森とその家族の食生活改善だ。
レジを通って買い物袋を抱えて、月森の案内で月森がお世話になっているらしい堂島家へ向かう。玄関を開ければこの家の娘さんらしい少女が出てきたので挨拶と簡単な自己紹介をしてから、保護者である月森の叔父の帰宅時間を尋ねた。
「お父さん今日は少し遅くなるって」
「Si 台所を借りるよ。菜々子ちゃんはカレー好きかぁ?」
「カレー! 菜々子カレー好きだよ!」
「という訳で台所借りるぜぇ」
後ろでまだ状況の飲み込めていない月森は、菜々子ちゃんと一緒に居間へ居てもらって、とにかくカレーとサラダを作り始める。途中からしてきたカレーの匂いに釣られて台所の様子を気にしていた二人に、皿へ盛ったカレーを差し出せば満面の笑みで美味しいと言う。
二人が食べている間に帰ってきた二人の保護者、堂島氏は俺を見て驚いたようだった。
俺が滔々と食事の大切さと栄養バランスについて語りだすと、わざわざ正座して反省する様子を見るに、一応今の状態は良くないと考えてはいたのだろう。それを実行に移すには、彼の刑事という職のせいで不定期な生活時間がネックになっていることも分かった。
結局まだ幼い菜々子ちゃんを除いた三人で話し合った結果、月森が料理することになったので多少は改善されるだろう。弁当が作れるなら、教えれば普通に作れるはずである。
出過ぎた真似ではない。食事は大切だ。