ペルソナ4
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俺がいなくなったことは、警察に知られておらず事件として発展はしていなかった。
長時間テレビの中へ居たことで悪い体調を押して学校へ行くと、同級生に風邪は治ったのかと言われて首を傾げる。
同じ様に出会い頭もういいのかと聞いてきた担任の教師に訊けば、俺は昨日、風邪を引いたと電話して休んでいた事になっていた。どういう事か分からない俺は、まだ本調子でないという事にして学校を早退してアパートへ帰る。
電話した覚えどころか、俺はいつテレビの中へ押し込まれたのかも知らない。一昨日月森達と別れてアパートへ帰り、玄関を入ったところで後ろから来た人の気配に振り返ろうとして殴られた覚えはある。だが姿までは見えなかったのだ。
誰が電話したのか。そもそも誰が俺をテレビの中へ押し込んだのか。押し込んだ人物と学校に病欠の連絡をしたのが同一人物であるなら、それが月森達の探している犯人である。
アパートへ帰って、熱が出始めたらしくふらつく身体で踏ん張りながら着替えてベッドへ横になった。
枕元に置いていた音楽プレーヤーの電源を入れようとして、ふと一緒に置いてあったウォレットチェーンが目に留まる。
「……まさか、お前が電話したとかじゃ」
独り言じみた問いかけは、触ってもいないのにささやかな音を立てた気がしたウォレットチェーンに、無かったことにすることにした。
一眠りもすると元々影時間に慣れていたせいか、随分と楽になる。明日にはもう普通に学校へ行けるだろう。
チャイムが鳴ったので玄関へ出ると、小さい袋を提げた足立が立っていた。
「足立さん?」
「……あっれー? 斑鳩くん風邪? 駄目だよちゃんと寝てなきゃ」
「寝てたんですけどね」
「ホント? じゃあ起こしちゃったのか。前に貰ったおかずのタッパー、返そうと思って昨日も来たんだけど、居なかったみたいだから」
「何時ごろですか?」
「んーと、今日と同じ五時頃かな」
それならちょうど、テレビの中に月森達が入ってきた頃だろう。なるほど俺がここにいる訳が無い。
「熟睡してたんだと思います。わざわざすみません」
「いいよ別に。あ、じゃあ僕行くから。お大事に」
「ありがとうございます」
水滴の付いたタッパーを渡し、早足で階段を降りていく足立は本当に急いでいるのだろう。部屋へ戻ると換気の為に開けていた窓から足立の声が聞こえた。
「……ねぇの」
最後だけしか聞こえなかったので、何を言っていたのかは分からない。ただ、いつも話をする時とは違う声のトーンに、機嫌が悪かったらしいことを悟った。
長時間テレビの中へ居たことで悪い体調を押して学校へ行くと、同級生に風邪は治ったのかと言われて首を傾げる。
同じ様に出会い頭もういいのかと聞いてきた担任の教師に訊けば、俺は昨日、風邪を引いたと電話して休んでいた事になっていた。どういう事か分からない俺は、まだ本調子でないという事にして学校を早退してアパートへ帰る。
電話した覚えどころか、俺はいつテレビの中へ押し込まれたのかも知らない。一昨日月森達と別れてアパートへ帰り、玄関を入ったところで後ろから来た人の気配に振り返ろうとして殴られた覚えはある。だが姿までは見えなかったのだ。
誰が電話したのか。そもそも誰が俺をテレビの中へ押し込んだのか。押し込んだ人物と学校に病欠の連絡をしたのが同一人物であるなら、それが月森達の探している犯人である。
アパートへ帰って、熱が出始めたらしくふらつく身体で踏ん張りながら着替えてベッドへ横になった。
枕元に置いていた音楽プレーヤーの電源を入れようとして、ふと一緒に置いてあったウォレットチェーンが目に留まる。
「……まさか、お前が電話したとかじゃ」
独り言じみた問いかけは、触ってもいないのにささやかな音を立てた気がしたウォレットチェーンに、無かったことにすることにした。
一眠りもすると元々影時間に慣れていたせいか、随分と楽になる。明日にはもう普通に学校へ行けるだろう。
チャイムが鳴ったので玄関へ出ると、小さい袋を提げた足立が立っていた。
「足立さん?」
「……あっれー? 斑鳩くん風邪? 駄目だよちゃんと寝てなきゃ」
「寝てたんですけどね」
「ホント? じゃあ起こしちゃったのか。前に貰ったおかずのタッパー、返そうと思って昨日も来たんだけど、居なかったみたいだから」
「何時ごろですか?」
「んーと、今日と同じ五時頃かな」
それならちょうど、テレビの中に月森達が入ってきた頃だろう。なるほど俺がここにいる訳が無い。
「熟睡してたんだと思います。わざわざすみません」
「いいよ別に。あ、じゃあ僕行くから。お大事に」
「ありがとうございます」
水滴の付いたタッパーを渡し、早足で階段を降りていく足立は本当に急いでいるのだろう。部屋へ戻ると換気の為に開けていた窓から足立の声が聞こえた。
「……ねぇの」
最後だけしか聞こえなかったので、何を言っていたのかは分からない。ただ、いつも話をする時とは違う声のトーンに、機嫌が悪かったらしいことを悟った。