ペルソナ4
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「ようこそベルベットールームへ」
いつもと変わらない口上のイゴールの向かいへ腰を下ろす。今日は土産も何も無い。
「お客様は一つ答えに近付いたようですね」
「近付いただけで得た訳じゃねぇ。だからまだアンタの世話になるぜぇ」
「構いません。私は拒みはしませんとも」
青く狭い車内を見回せばマーガレットと目が合う。相変わらず不敵に微笑む彼女へ今日は微笑み返せば、彼女は少し驚いたように目を丸くしてからより一層深く微笑んだ。
「貴方に以前お話したことではございますが、この度ご報告したいことがございます」
「何?」
「貴方を繋ぎとめる絆が強固になったようです。これを」
テーブルに置かれたのは以前来たときに見せられた『吊るされた男』のカード。男の足首に縛られた紐が、元からそうであったように太い縄になっている。描き加えられたわけでは無く、元からそういう絵柄であったかのようだ。
「絆が強まったことにより、貴方のペルソナはより強くなられたことでしょう。この状態を保つも良し、更なる絆を求めるも良し。以前の絆を求められるのもまた、良いでしょう」
マーガレットが何かを取り出してカードの横へ置いた。カード容れのようなものが付いたウォレットチェーンである。カードを入れる部分はちょうど隣のタロットカードを入れるのに良いだろう。絵柄が分かるようにか、その部分は繊細な意匠が四隅を飾っているだけだ。
「差し上げましょう」
本当にいいのかと二人の様子を伺いながら手を伸ばし、カードとカード入れを手に取る。
スライドさせるようにカードを中へ入れれば、カードの表面が出るはずの場所には見覚えのない絵柄が浮かび上がった。
いや、見覚えはある。だがタロットの絵柄ではない。どちらかというとトランプのジョーカーの様にシンプルで。けれども細かく描かれているのが分かる。
「……イブリス」
呟くとガードの部分が淡く光り、手のひらほどの大きさだったカードが外側の部分ごと小指の長さ程に小さくなった。カードを取り出すことも出来なくなり、元からそういう意匠であったかのように手の上へ乗っている。
「貴方のペルソナです。それで召喚が出来るということではございませんが、貴方の慰めになれば幸いです」
「二年前にくれよぉ。こういうのは」
そうは言ってもオリジナルのタロットの様な俺のペルソナの描かれたそのカードは、正直とても嬉しかった。途中で死んだりもしているが長年生きてきた中でも、結構上位に入るプレゼントである。
「ありがとう」
「こちらも些細なお礼でございます」
「あ、プリンとかのお礼ってこと?」
立ち上がって腰のベルトに提げてみた。普段はこういうアクセサリーなどは身に着けないのだが、これは嬉しさも相まってかすんなりと付けられる。
「とても似合っております」
マーガレットにもそう言われた。
いつもと変わらない口上のイゴールの向かいへ腰を下ろす。今日は土産も何も無い。
「お客様は一つ答えに近付いたようですね」
「近付いただけで得た訳じゃねぇ。だからまだアンタの世話になるぜぇ」
「構いません。私は拒みはしませんとも」
青く狭い車内を見回せばマーガレットと目が合う。相変わらず不敵に微笑む彼女へ今日は微笑み返せば、彼女は少し驚いたように目を丸くしてからより一層深く微笑んだ。
「貴方に以前お話したことではございますが、この度ご報告したいことがございます」
「何?」
「貴方を繋ぎとめる絆が強固になったようです。これを」
テーブルに置かれたのは以前来たときに見せられた『吊るされた男』のカード。男の足首に縛られた紐が、元からそうであったように太い縄になっている。描き加えられたわけでは無く、元からそういう絵柄であったかのようだ。
「絆が強まったことにより、貴方のペルソナはより強くなられたことでしょう。この状態を保つも良し、更なる絆を求めるも良し。以前の絆を求められるのもまた、良いでしょう」
マーガレットが何かを取り出してカードの横へ置いた。カード容れのようなものが付いたウォレットチェーンである。カードを入れる部分はちょうど隣のタロットカードを入れるのに良いだろう。絵柄が分かるようにか、その部分は繊細な意匠が四隅を飾っているだけだ。
「差し上げましょう」
本当にいいのかと二人の様子を伺いながら手を伸ばし、カードとカード入れを手に取る。
スライドさせるようにカードを中へ入れれば、カードの表面が出るはずの場所には見覚えのない絵柄が浮かび上がった。
いや、見覚えはある。だがタロットの絵柄ではない。どちらかというとトランプのジョーカーの様にシンプルで。けれども細かく描かれているのが分かる。
「……イブリス」
呟くとガードの部分が淡く光り、手のひらほどの大きさだったカードが外側の部分ごと小指の長さ程に小さくなった。カードを取り出すことも出来なくなり、元からそういう意匠であったかのように手の上へ乗っている。
「貴方のペルソナです。それで召喚が出来るということではございませんが、貴方の慰めになれば幸いです」
「二年前にくれよぉ。こういうのは」
そうは言ってもオリジナルのタロットの様な俺のペルソナの描かれたそのカードは、正直とても嬉しかった。途中で死んだりもしているが長年生きてきた中でも、結構上位に入るプレゼントである。
「ありがとう」
「こちらも些細なお礼でございます」
「あ、プリンとかのお礼ってこと?」
立ち上がって腰のベルトに提げてみた。普段はこういうアクセサリーなどは身に着けないのだが、これは嬉しさも相まってかすんなりと付けられる。
「とても似合っております」
マーガレットにもそう言われた。