ペルソナ4
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SIDE 月森
消えたマヨナカテレビに映っていた人は、月森には昼間見た斑鳩と少し違う気がした。
けれども直後掛かってきた花村からの電話で、アレは斑鳩先輩だったと強く言われて、自分の勘が分からなくなる。
とりあえずテレビの中へ行ってみようということになり、放課後飛び込んだテレビの中。
「やっと来たなぁ。待ち草臥れたぜぇ?」
「……先輩?」
クマと一緒に月森達を待っていた人物を見て、安堵する花村達と違って月森は近付く事が出来なかった。
制服を着て髪も長くて、月森達が来た事でクマとの会話を中断したその人物は、見れば見るほど斑鳩先輩とは違う気がするのだ。花村や里中はそうは思わないらしく、気軽に近付いて無事を尋ねたり心配したと話しかけたりしているのに、どうしても近付けない。
「月森君?」
横にいた天城が不思議そうに月森へ声を掛ける。その声に反応して振り返った花村達と一緒に、月森のほうを見た斑鳩の姿をした人物を見て、月森はやっと違和感の理由を理解した。
「……貴方、誰ですか?」
斑鳩に似た人物は、感心したように月森を観察する。
「何言ってんだよ。斑鳩先輩だろ」
「斑鳩先輩の目は、紫色だ」
訝しがる花村に月森が気付いた違和感の正体を教えると、斑鳩の姿をした人物はニッコリと微笑んだ。細くなる目の色は金色。
「良く気付いたなぁ」
「……えっ!?」
月森の言葉を否定しなかったことで、自分は斑鳩ではないと肯定した人物に、慌てて花村と里中が距離を取った。クマは「彼」の傍に居るままだが、二人は月森の傍へと戻ってきて身構える。
打って変わって敵意をむき出しにする月森達に、「彼」は困ったように頭を掻き、困ったように唸った。
「まぁ、察しの通りオレはアイツのシャドウだぁ」
「先輩はどこ?」
「あの馬鹿ならこの先の……ああホラ、あそこに洋館が見えるだろぉ。あそこの何処かにいる」
欄干から少し身を乗り出して指差した先には、確かに城の様な洋館が新しく出来ている。クマを振り返るとクマも黙って頷いた。
目の前の「彼」が何者であれ、斑鳩がここにいるなら助けに行かなければならない。
「みんな、行くぞ」
「オレも一緒にいいかぁ?」
「……理由は」
「んー、会って言う事があんだぁ。駄目なら一人で行くさぁ」
そう言って微笑む「彼」に、月森達は思わず顔を見合わせる。
「どうするクマか?」
「良いんじゃないかな。一応襲ってきたりはしないみたいだし」
「でも得体の知れない奴だぞ? いきなり襲ってきたらどうする」
「それ、クマも同じじゃない?」
「私は、連れて行っても良いと思う」
結局花村達は決断を月森へ任せたらしく月森を見た。
月森は意を決して「彼」を見る。
「一緒に行こう」
「Si オレのことは便宜上『シルビ』って呼んでくれぇ」
シルビはそう名乗ると不敵に笑った。
消えたマヨナカテレビに映っていた人は、月森には昼間見た斑鳩と少し違う気がした。
けれども直後掛かってきた花村からの電話で、アレは斑鳩先輩だったと強く言われて、自分の勘が分からなくなる。
とりあえずテレビの中へ行ってみようということになり、放課後飛び込んだテレビの中。
「やっと来たなぁ。待ち草臥れたぜぇ?」
「……先輩?」
クマと一緒に月森達を待っていた人物を見て、安堵する花村達と違って月森は近付く事が出来なかった。
制服を着て髪も長くて、月森達が来た事でクマとの会話を中断したその人物は、見れば見るほど斑鳩先輩とは違う気がするのだ。花村や里中はそうは思わないらしく、気軽に近付いて無事を尋ねたり心配したと話しかけたりしているのに、どうしても近付けない。
「月森君?」
横にいた天城が不思議そうに月森へ声を掛ける。その声に反応して振り返った花村達と一緒に、月森のほうを見た斑鳩の姿をした人物を見て、月森はやっと違和感の理由を理解した。
「……貴方、誰ですか?」
斑鳩に似た人物は、感心したように月森を観察する。
「何言ってんだよ。斑鳩先輩だろ」
「斑鳩先輩の目は、紫色だ」
訝しがる花村に月森が気付いた違和感の正体を教えると、斑鳩の姿をした人物はニッコリと微笑んだ。細くなる目の色は金色。
「良く気付いたなぁ」
「……えっ!?」
月森の言葉を否定しなかったことで、自分は斑鳩ではないと肯定した人物に、慌てて花村と里中が距離を取った。クマは「彼」の傍に居るままだが、二人は月森の傍へと戻ってきて身構える。
打って変わって敵意をむき出しにする月森達に、「彼」は困ったように頭を掻き、困ったように唸った。
「まぁ、察しの通りオレはアイツのシャドウだぁ」
「先輩はどこ?」
「あの馬鹿ならこの先の……ああホラ、あそこに洋館が見えるだろぉ。あそこの何処かにいる」
欄干から少し身を乗り出して指差した先には、確かに城の様な洋館が新しく出来ている。クマを振り返るとクマも黙って頷いた。
目の前の「彼」が何者であれ、斑鳩がここにいるなら助けに行かなければならない。
「みんな、行くぞ」
「オレも一緒にいいかぁ?」
「……理由は」
「んー、会って言う事があんだぁ。駄目なら一人で行くさぁ」
そう言って微笑む「彼」に、月森達は思わず顔を見合わせる。
「どうするクマか?」
「良いんじゃないかな。一応襲ってきたりはしないみたいだし」
「でも得体の知れない奴だぞ? いきなり襲ってきたらどうする」
「それ、クマも同じじゃない?」
「私は、連れて行っても良いと思う」
結局花村達は決断を月森へ任せたらしく月森を見た。
月森は意を決して「彼」を見る。
「一緒に行こう」
「Si オレのことは便宜上『シルビ』って呼んでくれぇ」
シルビはそう名乗ると不敵に笑った。