ペルソナ4
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階段の踊り場でぼんやりしていると、背後の階段を降りてきた人の気配が一瞬止まるのを感じた。踊り場に人が居たことで驚いたのだろうと大して気にしないでいたら、その気配が覚えのあるものだと気付いて振り返る。
「斑鳩先輩」
「月森」
先日彼の誘いを断ったという引け目があるからか、なんとなく月森を避けたい気分になった。
月森はそんな俺の気持ちを知ってか知らずか、許可を得る事も無く隣へ来て同じ様に手摺りへ寄り掛かる。
視線を向けると俺を見て嬉しそうにしていた。
「……何か用かぁ?」
「先輩を見つけたので」
「用は」
「無いです」
知り合いを見つけただけで近付いてくるって、お前にとって学校はそんなにアウェーなのか。と言いたくなるのを堪えた。そんな気力があるなら既にこの「月森の隣」という場所から逃げている。
イゴールに言われた言葉が未だにしこりとなって胸の内で淀んでいた。
俺が俺でいる為の命綱。
思い当たる事は色々あったが、それに対してどう対処すればいいのかは分からなかった。
例えば、俺が召喚出来なくなってしまったペルソナ「イブリス」 彼を構成していた俺の中の一部は今、彼と一緒に俺の中に見当たらない。
だが、もしあの時彼を構成するにあたり使われた俺の一部が俺の中にあっても、一人だけで封印になってしまったあの人を助けられなかっただろう。
それは今までの事があって自分は「万能」だと思い上がっていた俺を打ちのめすには充分で、それでもまだ諦めきれないでいる自分に愛想を尽かしたイブリス。
彼は、俺の一部ごと何処かへ消えてしまった。
「……おい」
「はい?」
「何やってんだぁ人の髪の毛で」
無視して放置していた月森が、いつの間にか縛ってある俺の髪の毛を弄って遊んでいる。首を捻って何をしているのか見ようとすると、僅かに汚い出来の三つ編みが見えた。
「先輩髪長いですね」
「伸ばしてるから……じゃなくて」
「オレ、従妹が居るんですけど菜々子の髪はこんなに長くないんです」
「それと俺の髪を触る事に関連があんのかぁ?」
「だから長いなぁって思って」
意思の疎通が出来ていないのかと一瞬不安になる。月森を見ると俺が脱力していることを不思議そうに見ている月森と目が合った。
ニコリと微笑む月森の姿に目を細めたくなる。
「先輩の目、紫だ」
「だからなんだぁ」
「ハイカラですね」
「……花村でいいかなぁ。ちょっと呼んで来いぃ」
素直に階段を昇って月森が連れてきた花村に、お前の友人はどういう教育をされているのかと尋ねると、勉強とかは出来るが基本天然だと教えられた。
「斑鳩先輩」
「月森」
先日彼の誘いを断ったという引け目があるからか、なんとなく月森を避けたい気分になった。
月森はそんな俺の気持ちを知ってか知らずか、許可を得る事も無く隣へ来て同じ様に手摺りへ寄り掛かる。
視線を向けると俺を見て嬉しそうにしていた。
「……何か用かぁ?」
「先輩を見つけたので」
「用は」
「無いです」
知り合いを見つけただけで近付いてくるって、お前にとって学校はそんなにアウェーなのか。と言いたくなるのを堪えた。そんな気力があるなら既にこの「月森の隣」という場所から逃げている。
イゴールに言われた言葉が未だにしこりとなって胸の内で淀んでいた。
俺が俺でいる為の命綱。
思い当たる事は色々あったが、それに対してどう対処すればいいのかは分からなかった。
例えば、俺が召喚出来なくなってしまったペルソナ「イブリス」 彼を構成していた俺の中の一部は今、彼と一緒に俺の中に見当たらない。
だが、もしあの時彼を構成するにあたり使われた俺の一部が俺の中にあっても、一人だけで封印になってしまったあの人を助けられなかっただろう。
それは今までの事があって自分は「万能」だと思い上がっていた俺を打ちのめすには充分で、それでもまだ諦めきれないでいる自分に愛想を尽かしたイブリス。
彼は、俺の一部ごと何処かへ消えてしまった。
「……おい」
「はい?」
「何やってんだぁ人の髪の毛で」
無視して放置していた月森が、いつの間にか縛ってある俺の髪の毛を弄って遊んでいる。首を捻って何をしているのか見ようとすると、僅かに汚い出来の三つ編みが見えた。
「先輩髪長いですね」
「伸ばしてるから……じゃなくて」
「オレ、従妹が居るんですけど菜々子の髪はこんなに長くないんです」
「それと俺の髪を触る事に関連があんのかぁ?」
「だから長いなぁって思って」
意思の疎通が出来ていないのかと一瞬不安になる。月森を見ると俺が脱力していることを不思議そうに見ている月森と目が合った。
ニコリと微笑む月森の姿に目を細めたくなる。
「先輩の目、紫だ」
「だからなんだぁ」
「ハイカラですね」
「……花村でいいかなぁ。ちょっと呼んで来いぃ」
素直に階段を昇って月森が連れてきた花村に、お前の友人はどういう教育をされているのかと尋ねると、勉強とかは出来るが基本天然だと教えられた。