序
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シルビを教団へ拉致したクロス元帥と一緒だった男は、リナリーが来るよりも前に死んでしまった。その後数多の入れ替わりが起きてアレンが来た現在、シルビよりもエクソシスト歴が長いのは元帥達を除いて一人もいない。
それだけの長い年月をアクマを倒すことに費やし続けた。相変わらず死ねない理由は無いままで、けれども生きる理由も見つけられやしない。
なのにどうして生きているかというと、単純にシルビが死ねばリナリーが泣くだろうからだ。あとおそらく婦長も涙をこぼす。
泣かれるのは苦手だ。どうすればいいのか分からなくなる。弟がいたシルビにとって自分より幼い子供が泣く姿は弟のそれと重なってしまってどうしようもなく辛い。
他人なのだからシルビなんて死のうが傷つこうが構わないだろうに、傷ついたシルビを見て幼かったリナリーは泣いたのだ。ついでにあの男にも変な顔をされた。
そんな時どうすればいいのか分からなかった。だから婦長に相談したのである。
『出来るだけ怪我をしないようにしなさい』
リナリー達はシルビが傷つくと泣く。だから傷ついてはいけない。
最初の任務の時に同行した女性エクソシストは、シルビが探索部隊や一般人の犠牲を厭わずにいると悲しげな顔をした。
既に故人の彼女は彼女で、死んだ方が幸せなのだと言ったシルビに困り顔で言ったのである。
『人の死を羨むのではなく、惜しんで悲しむ心を持ちなさい』
『何故。皆俺を置いていく。俺もいきたい』
『……おいていかないわ』
シルビは未だにその言葉の真意が分からない。だって親友達も弟もシルビを置いていった。シルビだけがこんな訳の分からない場所に残されている。
彼らの元へいく為に命を削ってもいいではないか。彼らの元へいくだろう死者達を羨んでもいいではないか。
けれども男は困ったような顔をしたし女性は悲しげな顔をしてリナリーは泣くものだから。
「――泣かれるのは、困る」
奇怪現象が起きていたというとある村外れの古びた教会。結局イノセンスは無くてアクマがただ悪さをしていただけのその場所で、シルビはアクマが被った少女の首をナイフでひと思いに切り裂いた。
人間の様に涙の溜まった目元。ほろりとこぼれたそれがナイフの刃先に落ちるのをスローモーションの様に眺めて、あざ笑う。
破けた皮から飛び出した機械造りの腕の爪先がシルビの眼前に迫る。絶命寸前の悪足掻きだと分かっているのに、反射的にナイフをくるりと逆手に持ち返して更に一閃。
オイルを返り血の様に浴びる。後ろで探索部隊が腰を抜かしていた。
それだけの長い年月をアクマを倒すことに費やし続けた。相変わらず死ねない理由は無いままで、けれども生きる理由も見つけられやしない。
なのにどうして生きているかというと、単純にシルビが死ねばリナリーが泣くだろうからだ。あとおそらく婦長も涙をこぼす。
泣かれるのは苦手だ。どうすればいいのか分からなくなる。弟がいたシルビにとって自分より幼い子供が泣く姿は弟のそれと重なってしまってどうしようもなく辛い。
他人なのだからシルビなんて死のうが傷つこうが構わないだろうに、傷ついたシルビを見て幼かったリナリーは泣いたのだ。ついでにあの男にも変な顔をされた。
そんな時どうすればいいのか分からなかった。だから婦長に相談したのである。
『出来るだけ怪我をしないようにしなさい』
リナリー達はシルビが傷つくと泣く。だから傷ついてはいけない。
最初の任務の時に同行した女性エクソシストは、シルビが探索部隊や一般人の犠牲を厭わずにいると悲しげな顔をした。
既に故人の彼女は彼女で、死んだ方が幸せなのだと言ったシルビに困り顔で言ったのである。
『人の死を羨むのではなく、惜しんで悲しむ心を持ちなさい』
『何故。皆俺を置いていく。俺もいきたい』
『……おいていかないわ』
シルビは未だにその言葉の真意が分からない。だって親友達も弟もシルビを置いていった。シルビだけがこんな訳の分からない場所に残されている。
彼らの元へいく為に命を削ってもいいではないか。彼らの元へいくだろう死者達を羨んでもいいではないか。
けれども男は困ったような顔をしたし女性は悲しげな顔をしてリナリーは泣くものだから。
「――泣かれるのは、困る」
奇怪現象が起きていたというとある村外れの古びた教会。結局イノセンスは無くてアクマがただ悪さをしていただけのその場所で、シルビはアクマが被った少女の首をナイフでひと思いに切り裂いた。
人間の様に涙の溜まった目元。ほろりとこぼれたそれがナイフの刃先に落ちるのをスローモーションの様に眺めて、あざ笑う。
破けた皮から飛び出した機械造りの腕の爪先がシルビの眼前に迫る。絶命寸前の悪足掻きだと分かっているのに、反射的にナイフをくるりと逆手に持ち返して更に一閃。
オイルを返り血の様に浴びる。後ろで探索部隊が腰を抜かしていた。