序
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シルビが黒の教団のエクソシストとして過ごし始めてから十数年目のある日。アクマ退治の単独任務から教団本部へと戻ってくると教団内は新しいエクソシストが入団したという話で盛り上がっていた。
どうやらそのエクソシストはクロス・マリアン元帥が手元で大切に育てていたのを手放し教団へ送り込んできたらしい。あの元帥がそんな殊勝な真似をしたのかと珍しく思ったのはシルビだけではないだろう。
そこかしこから漏れ聞こえてくる噂をつなぎ合わせたところ、その新入りは既にシルビの後輩エクソシストである神田と初任務へ赴いてしまっている様だった。それはそれでシルビに運がなかったという話なので構わない。
帰りの列車内で書き上げた報告書を科学班にいるコムイ室長へ提出しに行けば、ちょうど科学班のメンバーに珈琲の差し入れをしていたリナリーがシルビに気付いて顔を上げた。その顔に浮かぶ可愛らしい笑顔にシルビも口角を上げて持っていた報告書を振る。
「シルビ! おかえりなさい!」
「ただいまぁ。報告書持ってきたんだけど室長生きてるぅ?」
「さっき珈琲渡したところ。怪我してない?」
「怪我はしてねぇ。でも後で婦長のところにも顔出しには行くぅ」
なごやかに会話するシルビとリナリーの周囲ではしかし、毎度の事ながら科学班のメンバーが死屍累々といった様子で働き続けていた。その内の数人がリナリー同様にシルビの帰還に気付いて出迎えの挨拶をしてくれたものの、その声に生気は無い。
「俺がいねぇ間に新しいエクソシストが来たってぇ?」
リナリーと一緒にコムイ室長のいる司令室へ向かいながら途中途中で聞いた話題を口にすれば、妹分のリナリーは隣を歩きながら頷いた。
「うん。クロス元帥のお弟子さんだったんだって。兄さん宛に手紙が来てたんだけど、兄さんたら手紙を埋めっぱなしにしてたから、最初侵入者と勘違いされちゃったのよ」
「そりゃ災難な子だなぁ」
「仕事が多くて大変なのは分かってるんだけど、シルビからも兄さんに言ってくれる?」
「俺から言うよりリナリーから言われたほうがしっかりすんだろぉ」
「だといいんだけど」
司令室の扉をノックする。が、部屋の中から返事はない。
リナリーと顔を見合わせてから扉を開ければ、司令室に置かれた執務机の椅子にはウサギだか何だか分からないヌイグルミが鎮座していた。
「……。リナ。悪ぃんだか報告書、持っててくれぇ」
「……うん」
「――……コォムゥイィイイイイイイイ!」
どうやらそのエクソシストはクロス・マリアン元帥が手元で大切に育てていたのを手放し教団へ送り込んできたらしい。あの元帥がそんな殊勝な真似をしたのかと珍しく思ったのはシルビだけではないだろう。
そこかしこから漏れ聞こえてくる噂をつなぎ合わせたところ、その新入りは既にシルビの後輩エクソシストである神田と初任務へ赴いてしまっている様だった。それはそれでシルビに運がなかったという話なので構わない。
帰りの列車内で書き上げた報告書を科学班にいるコムイ室長へ提出しに行けば、ちょうど科学班のメンバーに珈琲の差し入れをしていたリナリーがシルビに気付いて顔を上げた。その顔に浮かぶ可愛らしい笑顔にシルビも口角を上げて持っていた報告書を振る。
「シルビ! おかえりなさい!」
「ただいまぁ。報告書持ってきたんだけど室長生きてるぅ?」
「さっき珈琲渡したところ。怪我してない?」
「怪我はしてねぇ。でも後で婦長のところにも顔出しには行くぅ」
なごやかに会話するシルビとリナリーの周囲ではしかし、毎度の事ながら科学班のメンバーが死屍累々といった様子で働き続けていた。その内の数人がリナリー同様にシルビの帰還に気付いて出迎えの挨拶をしてくれたものの、その声に生気は無い。
「俺がいねぇ間に新しいエクソシストが来たってぇ?」
リナリーと一緒にコムイ室長のいる司令室へ向かいながら途中途中で聞いた話題を口にすれば、妹分のリナリーは隣を歩きながら頷いた。
「うん。クロス元帥のお弟子さんだったんだって。兄さん宛に手紙が来てたんだけど、兄さんたら手紙を埋めっぱなしにしてたから、最初侵入者と勘違いされちゃったのよ」
「そりゃ災難な子だなぁ」
「仕事が多くて大変なのは分かってるんだけど、シルビからも兄さんに言ってくれる?」
「俺から言うよりリナリーから言われたほうがしっかりすんだろぉ」
「だといいんだけど」
司令室の扉をノックする。が、部屋の中から返事はない。
リナリーと顔を見合わせてから扉を開ければ、司令室に置かれた執務机の椅子にはウサギだか何だか分からないヌイグルミが鎮座していた。
「……。リナ。悪ぃんだか報告書、持っててくれぇ」
「……うん」
「――……コォムゥイィイイイイイイイ!」