―幻界病棟ライゼス―
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「まぁ、いきなり現れた病院っていうのは気になるから、今からそっちに行くよ」
会話を終わらせ通話を切ったスティーブンが、手に持つ携帯を見下ろして面倒そうに息を吐いていた。席を立ったクラウスと資料室を出たシルビが話を聞こうと傍へ寄れば、スティーブンは面倒そうながらに苦笑する。
「何があったのかね?」
「ザップの奴がまた負傷したらしくてね。だが搬送先がどうもいきなり現れた不審な病院らしくてレオがキャパオーバーらしい」
「それはレオ君じゃなくても動揺するんじゃ?」
いきなり現れた病院に知り合いが搬送されたら、とりあえず驚いていいと思う。だが一応安心はしていい筈だ。
医者というのは結構、患者がいれば損得勘定を度外視に動く人種だというのがシルビの経験則である。その病院の医者が藪だったり、医療費をふんだくる類でなければ、治療は問題なくされるだろう。
となればシルビが出向いてザップの治療に手を出す必要はない。技術や知識を持っているとしてもただの薬剤師であるシルビより、本業の者達へ任せた方がいいに決まっている。それでも駄目だった場合だけ、死んでいなければ【黒い炎】なり【虹色の光】なりを使って回復すればいいのだ。
その後シルビがぶっ倒れる程度の“損得勘定は度外視”していい。そのくらいにはシルビもライブラを信頼しているつもりである。
「建物なんて数ヶ月あればすぐに増えるぜ? 減る時は一瞬だけどね」
「壊れねぇ建物を造るより造りやすい建物を量産した方が早ぇって話ですか」
「ともあれレオとザップが心配だ。スティーブン。私も共に行こう」
建物の建築論はともかく、今はその正体不明の病院へいるらしいレオとザップだ。クラウスが同行を申し出るのにスティーブンがシルビを見る。
今現在ライブラの事務所にはシルビ達三人とギルベルトだけだ。その中からクラウスとスティーブンが事務所を出てしまうとなれば、事務所が手透きになってしまう。
「俺は待機してますよ。プログラミングも途中だし俺なら【空間転移】出来ますから」
「悪いね」
肩を竦めながら言えばスティーブンが書類整理で使っていたペンのキャップを閉めた。
「念の為GPSは二人とも切らねぇでください。切れたら非常事態だと判断しますから」
「そうならないことを願おう」
ギルベルトが車の用意が出来たと二人を呼びに来て、二人がそれについて行く形で執務室を出て行く。連絡が来たらすぐ分かるようにと携帯を取り出してローテーブルへ置き、作業を再開した。
会話を終わらせ通話を切ったスティーブンが、手に持つ携帯を見下ろして面倒そうに息を吐いていた。席を立ったクラウスと資料室を出たシルビが話を聞こうと傍へ寄れば、スティーブンは面倒そうながらに苦笑する。
「何があったのかね?」
「ザップの奴がまた負傷したらしくてね。だが搬送先がどうもいきなり現れた不審な病院らしくてレオがキャパオーバーらしい」
「それはレオ君じゃなくても動揺するんじゃ?」
いきなり現れた病院に知り合いが搬送されたら、とりあえず驚いていいと思う。だが一応安心はしていい筈だ。
医者というのは結構、患者がいれば損得勘定を度外視に動く人種だというのがシルビの経験則である。その病院の医者が藪だったり、医療費をふんだくる類でなければ、治療は問題なくされるだろう。
となればシルビが出向いてザップの治療に手を出す必要はない。技術や知識を持っているとしてもただの薬剤師であるシルビより、本業の者達へ任せた方がいいに決まっている。それでも駄目だった場合だけ、死んでいなければ【黒い炎】なり【虹色の光】なりを使って回復すればいいのだ。
その後シルビがぶっ倒れる程度の“損得勘定は度外視”していい。そのくらいにはシルビもライブラを信頼しているつもりである。
「建物なんて数ヶ月あればすぐに増えるぜ? 減る時は一瞬だけどね」
「壊れねぇ建物を造るより造りやすい建物を量産した方が早ぇって話ですか」
「ともあれレオとザップが心配だ。スティーブン。私も共に行こう」
建物の建築論はともかく、今はその正体不明の病院へいるらしいレオとザップだ。クラウスが同行を申し出るのにスティーブンがシルビを見る。
今現在ライブラの事務所にはシルビ達三人とギルベルトだけだ。その中からクラウスとスティーブンが事務所を出てしまうとなれば、事務所が手透きになってしまう。
「俺は待機してますよ。プログラミングも途中だし俺なら【空間転移】出来ますから」
「悪いね」
肩を竦めながら言えばスティーブンが書類整理で使っていたペンのキャップを閉めた。
「念の為GPSは二人とも切らねぇでください。切れたら非常事態だと判断しますから」
「そうならないことを願おう」
ギルベルトが車の用意が出来たと二人を呼びに来て、二人がそれについて行く形で執務室を出て行く。連絡が来たらすぐ分かるようにと携帯を取り出してローテーブルへ置き、作業を再開した。