―エスケープ フロム ペイン チェインリアクション―
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二人が帰ってきたのは予想よりもだいぶ時間が経ってからで、ただのお使いに行ってきた割には二人とも疲れ切ったような風体だった。更に言うならスティーブンの予想通り問題を起こしたというか、問題に巻き込まれたらしい。そのせいで遅くなってサブウェイへ寄るのを忘れてきたらしかった。
「意外と使えないんだな君達」
「うおお」
「キビシーナー」
自発的ではない問題に巻き込まれて、それでもお使いを果たして生還してきた二人へスティーブンはにべも無い。疲れきって帰ってきた二人はもう文句をいう気力もあまり無いらしかった。シルビは苦笑しか出来ない。
何でもライブラ構成員の一人である武器商のパトリックが探していた爆弾を見つけたはいいが、それと一緒に謎の密閉空間へ閉じこめられたのを何とか脱出してきたのだという。最終的に爆弾はその密閉空間内で爆発し、二人はその足でお使いを済ませてきたらしい。
「まぁでも無事で良かったじゃねぇですか。ちゃんとお使いだってしてきてる訳ですし、使えねぇってことはありませんよ」
「最低限が出来ただけだろ?」
「最低限も出来ねぇよりマシでしょう?」
書類を片づける手を止めて、傍で書類を抱えていたシルビを見上げるスティーブンは、多分『あまり誉めると調子に乗るぞ』と言いたいのだろう。その考えも正しいと言えば正しいが、シルビはどちらかというと『飴と鞭』派だ。
「二人はちゃんと出来ました」
「……甘いなあシルビは」
つまり何かを達成できたら、ちゃんと誉める派である。
「さて、サブウェイも無ぇですし二人も腹減っただろぉ? 何か作りましょうかぁ」
シルビを見て変な顔をしている二人を無視して、抱えていた書類をスティーブンの机の書類を押しのけて出来たスペースへ置き、キッチンへ向かう為に歩き出した。背中で『クラブハウスサンド! あと濃い珈琲!』と叫ぶスティーブンの声を聞きつつドアへ向かえば、後ろから足音が二つ。
振り返らずとも誰なのかは分かったが、一応振り返れば斗流血法の使い手が二人仲良くシルビの後を付いてきていた。
「手伝います」
「おうおう具になんのか? フライフィッシュサンドか?」
「具にもなれない貴方は食べなくて結構です」
言い合いながらも一応ザップもツェッド同様、シルビを手伝うつもりらしい。仲がいいのか悪いのかわからないが、根の深いところはやはりそっくりなのだろうとシルビには思える。
違う属性とはいえ同じ流派を使い、性格は真面目と屑で真逆でも、根本的な部分が似た者同士なのだ。
「まぁでも、後ろで騒がれると煩せぇなぁやっぱり」
「……スミマセン」
「……ゴメンナサイ」
幻覚の鎖でがんじがらめに拘束した二人を引きずって歩く。
『飴と鞭』派なので、騒々しく喧嘩した二人には三番街で謎の事故が発生したという知らせが来た時、それを知ったスティーブンがこっそり心配していたことは教えてやらないことにした。
「意外と使えないんだな君達」
「うおお」
「キビシーナー」
自発的ではない問題に巻き込まれて、それでもお使いを果たして生還してきた二人へスティーブンはにべも無い。疲れきって帰ってきた二人はもう文句をいう気力もあまり無いらしかった。シルビは苦笑しか出来ない。
何でもライブラ構成員の一人である武器商のパトリックが探していた爆弾を見つけたはいいが、それと一緒に謎の密閉空間へ閉じこめられたのを何とか脱出してきたのだという。最終的に爆弾はその密閉空間内で爆発し、二人はその足でお使いを済ませてきたらしい。
「まぁでも無事で良かったじゃねぇですか。ちゃんとお使いだってしてきてる訳ですし、使えねぇってことはありませんよ」
「最低限が出来ただけだろ?」
「最低限も出来ねぇよりマシでしょう?」
書類を片づける手を止めて、傍で書類を抱えていたシルビを見上げるスティーブンは、多分『あまり誉めると調子に乗るぞ』と言いたいのだろう。その考えも正しいと言えば正しいが、シルビはどちらかというと『飴と鞭』派だ。
「二人はちゃんと出来ました」
「……甘いなあシルビは」
つまり何かを達成できたら、ちゃんと誉める派である。
「さて、サブウェイも無ぇですし二人も腹減っただろぉ? 何か作りましょうかぁ」
シルビを見て変な顔をしている二人を無視して、抱えていた書類をスティーブンの机の書類を押しのけて出来たスペースへ置き、キッチンへ向かう為に歩き出した。背中で『クラブハウスサンド! あと濃い珈琲!』と叫ぶスティーブンの声を聞きつつドアへ向かえば、後ろから足音が二つ。
振り返らずとも誰なのかは分かったが、一応振り返れば斗流血法の使い手が二人仲良くシルビの後を付いてきていた。
「手伝います」
「おうおう具になんのか? フライフィッシュサンドか?」
「具にもなれない貴方は食べなくて結構です」
言い合いながらも一応ザップもツェッド同様、シルビを手伝うつもりらしい。仲がいいのか悪いのかわからないが、根の深いところはやはりそっくりなのだろうとシルビには思える。
違う属性とはいえ同じ流派を使い、性格は真面目と屑で真逆でも、根本的な部分が似た者同士なのだ。
「まぁでも、後ろで騒がれると煩せぇなぁやっぱり」
「……スミマセン」
「……ゴメンナサイ」
幻覚の鎖でがんじがらめに拘束した二人を引きずって歩く。
『飴と鞭』派なので、騒々しく喧嘩した二人には三番街で謎の事故が発生したという知らせが来た時、それを知ったスティーブンがこっそり心配していたことは教えてやらないことにした。