閑話13
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「明日はリールさんと会おうかなって」
話の流れで明日の予定をレオ達へ尋ねたら、レオは頭を掻きながらそう言ってきた。シルビが作ったマカロンを摘まんでいたツェッドがそれを聞いて首を傾げる。
「聞いた事の無い名前ですね」
「ネジ君じゃねぇんだぁ?」
「うん。……ん? オレシルビにネジのこと話した事あったっけ?」
「あーっと、前にちょっと話してくれただろぉ?」
つい口から出てしまった言葉に、シルビがレオのバーガー友達のネジについて慌てて誤魔化したのは、レオの口から聞いた時の記憶がレオの中から失われているからだ。ツェッドの来る前の話なのでそれもツェッドは知らないが、記憶喪失になった後にレオが彼と友達になり直してからは話を聞いていないので、レオの中ではシルビはネジを知らないことになっていた筈である。
失敗したなぁと内心で思いつつシルビもマカロンへ手を伸ばした。紅茶はギルベルトが淹れてくれたものだ。マカロンに関してはライブラが出動する程の騒動が無かったのでシルビが作って持ってきたもので、小皿に分けて仕事中のスティーブンやゲーム中のクラウスの元へも置かれている。
職場で、しかも男が囲んで食べるには些か可愛すぎるお菓子だが、そんな事を今更考えて作るシルビではない。
「リールさんとは、飛んできた野球ボールからソニックを助けてもらった縁で出会ったんだけど、いい人なんだ」
「レオ君がそういうのなら、本当にいい人なんでしょうね」
ツェッドがレオの口から語られる『リール』という人物を褒めれば、レオが嬉しそうにはにかんだ。自身の事でなくとも、大切な友人が褒められると嬉しいものだという感覚はシルビにも理解出来るので、レオがはにかんだ理由も分かった。
レオは【神々の義眼】を手に入れてしまった他は自分のことを普通の人間でしかないと称するが、彼の分け隔てなく偏見無く接するところは素晴らしい美点だろう。初対面でレオを追いかけたシルビや、見た目からして人類では無いと分かるツェッドが相手でも、同じライブラの一員というだけでこうして一緒にお茶を飲むのだ。
シルビがそれを出来るのかといったら、確実に打算が含まれる気がする。
「じゃあ明日は一緒にお昼は無理ですね」
「俺もバイトがあるから、午前中はここに来ねぇかもなぁ」
週に数回という約束で入れているレストランでのバイトを思い出しながらシルビが言えば、斜め向かいに座っていたツェッドが心なし残念そうにしていた。シルビが無言でレオを見れば、同じようにシルビを見ていたレオと目が合って、その視線だけで会話を成立させる。
「……じゃあ、今日の夕飯は一緒に食いましょうよツェッドさん」
「え」
「シルビ何処がいい?」
「家の冷蔵庫にレモンジェラートあるんだけど、持ってくるの面倒だなぁって思ってんだぁ」
「あー、ウマそー」
「材料あるからキーマカレー」
「最高! ツェッドさん夕飯シルビん家でいいすか!?」
隣に座るツェッドへ尋ねるレオに、ツェッドが展開についていけなくて戸惑いながらも了承し、シルビとレオはツェッドから見えない位置で互いに親指を立てた。
弟妹のいる『兄』の前で、遠慮なんてするものではない。
話の流れで明日の予定をレオ達へ尋ねたら、レオは頭を掻きながらそう言ってきた。シルビが作ったマカロンを摘まんでいたツェッドがそれを聞いて首を傾げる。
「聞いた事の無い名前ですね」
「ネジ君じゃねぇんだぁ?」
「うん。……ん? オレシルビにネジのこと話した事あったっけ?」
「あーっと、前にちょっと話してくれただろぉ?」
つい口から出てしまった言葉に、シルビがレオのバーガー友達のネジについて慌てて誤魔化したのは、レオの口から聞いた時の記憶がレオの中から失われているからだ。ツェッドの来る前の話なのでそれもツェッドは知らないが、記憶喪失になった後にレオが彼と友達になり直してからは話を聞いていないので、レオの中ではシルビはネジを知らないことになっていた筈である。
失敗したなぁと内心で思いつつシルビもマカロンへ手を伸ばした。紅茶はギルベルトが淹れてくれたものだ。マカロンに関してはライブラが出動する程の騒動が無かったのでシルビが作って持ってきたもので、小皿に分けて仕事中のスティーブンやゲーム中のクラウスの元へも置かれている。
職場で、しかも男が囲んで食べるには些か可愛すぎるお菓子だが、そんな事を今更考えて作るシルビではない。
「リールさんとは、飛んできた野球ボールからソニックを助けてもらった縁で出会ったんだけど、いい人なんだ」
「レオ君がそういうのなら、本当にいい人なんでしょうね」
ツェッドがレオの口から語られる『リール』という人物を褒めれば、レオが嬉しそうにはにかんだ。自身の事でなくとも、大切な友人が褒められると嬉しいものだという感覚はシルビにも理解出来るので、レオがはにかんだ理由も分かった。
レオは【神々の義眼】を手に入れてしまった他は自分のことを普通の人間でしかないと称するが、彼の分け隔てなく偏見無く接するところは素晴らしい美点だろう。初対面でレオを追いかけたシルビや、見た目からして人類では無いと分かるツェッドが相手でも、同じライブラの一員というだけでこうして一緒にお茶を飲むのだ。
シルビがそれを出来るのかといったら、確実に打算が含まれる気がする。
「じゃあ明日は一緒にお昼は無理ですね」
「俺もバイトがあるから、午前中はここに来ねぇかもなぁ」
週に数回という約束で入れているレストランでのバイトを思い出しながらシルビが言えば、斜め向かいに座っていたツェッドが心なし残念そうにしていた。シルビが無言でレオを見れば、同じようにシルビを見ていたレオと目が合って、その視線だけで会話を成立させる。
「……じゃあ、今日の夕飯は一緒に食いましょうよツェッドさん」
「え」
「シルビ何処がいい?」
「家の冷蔵庫にレモンジェラートあるんだけど、持ってくるの面倒だなぁって思ってんだぁ」
「あー、ウマそー」
「材料あるからキーマカレー」
「最高! ツェッドさん夕飯シルビん家でいいすか!?」
隣に座るツェッドへ尋ねるレオに、ツェッドが展開についていけなくて戸惑いながらも了承し、シルビとレオはツェッドから見えない位置で互いに親指を立てた。
弟妹のいる『兄』の前で、遠慮なんてするものではない。