閑話6
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ツェッド視点
寿司で腹を満たし、次は睡眠欲を消化しようと考えたレオとザップと別れ、ツェッドは自分の寝床があるライブラの事務所へと戻ってきた。既に昼食を食べに行くと出かけてから、日付が変わった上に太陽も昇っている。つまり次の日の出社時間は当に迎えているということになるのだが、流石にクラウスの姿も無く、ソファに座っていたスティーブンも眠そうにしていた。
「おはようございます」
「ああ、おかえり」
ちぐはぐな挨拶も今は仕方ない。ソファで何故かパンケーキを食べているスティーブンへ雑談でも無理に頭を働かさせるのは悪いかと思い、ツェッドも少し仮眠を取ろうと水槽のある温室のドアを開けた。
霧に日光など遮られ光合成はあまり出来ないだろうに、世話をしているクラウスの手腕か温室の植物は今日も青々と茂っている。そんな擬似的な森を抜けて水槽へ向かう途中で、ツェッドは何気ない視界へ何か普段と違うものが映ったことに気付いて足を止めた。
園芸サークルの知り合いから預かっているという、食虫植物の進化系のような食肉植物の葉の陰に、白い何かが丸まっている。クラウスが置き忘れた肥料袋にしては大きいし、そもそもクラウスが置き忘れなどしないだろうと不思議に思い、上の食肉植物に気付かれないように近づいてしゃがんだ。
覗き込んだ先には、白い毛並みの動物がいた。
牛のような山羊のような、しかしそのどちらである風でもない。頭と背中に角があり額部分には怪我なのか抉ったような穴が開いている。驚くべきはその生き物のわき腹へも眼があったことだろうが。やはり額にあるような穴の傍に瞼を閉じた眼と、開かれてはいるもののぼんやりしている眼。
脇腹の眼以外は下あごを前足の上へ乗せて、至って四足動物らしく寝ているらしいその生き物のその眼は、シルビと同じ紫色をしていた。
珍しい偶然もあるものだと思うと同時に、この生き物はクラウスの飼っている動物なのだろうかと考える。でなければクラウスが管理している温室で寝ているのはおかしい。
スティーブンへ聞いたら分かるだろうかと一度執務室のほうへ戻って聞いてみることを思案していると、ぼんやりしていた眼が不意に瞬きをした。そうして周囲をキョロリと見回しツェッドと目が合うと、これでもかというほど眼を見開く。同時に他の閉じていた眼も全開し、立ち上がるとツェッドから逃げる様に温室を出て行った。
「寝ている邪魔をしてしまったかな……」
白い毛並みの動物がしっかりと開け閉めしていった温室の扉を見つめて一人ごちる。
寿司で腹を満たし、次は睡眠欲を消化しようと考えたレオとザップと別れ、ツェッドは自分の寝床があるライブラの事務所へと戻ってきた。既に昼食を食べに行くと出かけてから、日付が変わった上に太陽も昇っている。つまり次の日の出社時間は当に迎えているということになるのだが、流石にクラウスの姿も無く、ソファに座っていたスティーブンも眠そうにしていた。
「おはようございます」
「ああ、おかえり」
ちぐはぐな挨拶も今は仕方ない。ソファで何故かパンケーキを食べているスティーブンへ雑談でも無理に頭を働かさせるのは悪いかと思い、ツェッドも少し仮眠を取ろうと水槽のある温室のドアを開けた。
霧に日光など遮られ光合成はあまり出来ないだろうに、世話をしているクラウスの手腕か温室の植物は今日も青々と茂っている。そんな擬似的な森を抜けて水槽へ向かう途中で、ツェッドは何気ない視界へ何か普段と違うものが映ったことに気付いて足を止めた。
園芸サークルの知り合いから預かっているという、食虫植物の進化系のような食肉植物の葉の陰に、白い何かが丸まっている。クラウスが置き忘れた肥料袋にしては大きいし、そもそもクラウスが置き忘れなどしないだろうと不思議に思い、上の食肉植物に気付かれないように近づいてしゃがんだ。
覗き込んだ先には、白い毛並みの動物がいた。
牛のような山羊のような、しかしそのどちらである風でもない。頭と背中に角があり額部分には怪我なのか抉ったような穴が開いている。驚くべきはその生き物のわき腹へも眼があったことだろうが。やはり額にあるような穴の傍に瞼を閉じた眼と、開かれてはいるもののぼんやりしている眼。
脇腹の眼以外は下あごを前足の上へ乗せて、至って四足動物らしく寝ているらしいその生き物のその眼は、シルビと同じ紫色をしていた。
珍しい偶然もあるものだと思うと同時に、この生き物はクラウスの飼っている動物なのだろうかと考える。でなければクラウスが管理している温室で寝ているのはおかしい。
スティーブンへ聞いたら分かるだろうかと一度執務室のほうへ戻って聞いてみることを思案していると、ぼんやりしていた眼が不意に瞬きをした。そうして周囲をキョロリと見回しツェッドと目が合うと、これでもかというほど眼を見開く。同時に他の閉じていた眼も全開し、立ち上がるとツェッドから逃げる様に温室を出て行った。
「寝ている邪魔をしてしまったかな……」
白い毛並みの動物がしっかりと開け閉めしていった温室の扉を見つめて一人ごちる。