―ラン! ランチ!! ラン!!!―
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最後の一匹をスティーブンが蹴り飛ばす。拘束していた鎖のせいでさほど飛ばされはしなかったが、それでも吹き飛んだ異界人にシルビはやっと最後の幻覚性の鎖を消した。
時間にしておよそ二十一時間。途中で日付も変わってしまうほどの長時間の乱闘に、流石のシルビだって疲れきっていた。
というか普通に考えて、千人はいるという『レキオカ千兄弟』の半数近くを拘束し続けるのに『霧の炎』と『第八の炎』を灯し続けていたのだ。拘束を解こうと暴れる奴等の動きはシルビへと伝わってくるのでそれを押さえ込みつつ、途中加勢だったので通信機を持っておらず戦闘中に携帯も確認も出来ないザップやツェッドの為に、メンバー間の位置確認や状況伝達に動き回ってもいたのである。
疲労感は半端ではなかった。多分以前のように『×××』が使えていたのなら、もう少し動きを最小限に出来るよう計算が出来た気がする。そうでなくとも体力だって落ちているので以前に比べれば疲れやすいのだ。
これは久しぶりに【白澤】の姿になって休んだほうがいいくらいの疲れ具合だなと判断し、同じく疲れ果てた様子で道路に座り込んでいるレオ達を見た。
座り込んでいるというか、ザップに関しては地面と一体化しているとばかりに寝そべっている。そんなに疲れたのかとちょっと心配になって、自分の疲れを無視して声を掛けようとすると、濁点の無い声でザップが一歩も動けないと呟いた。
「……事務所に転移するかぁ?」
「いい……ほれよりめひたあ」
「あーもう何言ってるのか考えるのも面倒なんだけどぉ。何? メシ?」
「もう放っておいていいよシルビ……シルビだって疲れてんだろ?」
「疲れてるけどさぁ」
「ザップさんはオレが持って帰るよ」
レオに言われて、疲れているのは確かだったので素直に聞き入れることにする。何度も鳴らし過ぎて痛くなっている指先を鳴らし、自宅ではなくライブラの事務所へと炎の輪を繋げた。
「じゃあ先に戻るからぁ」
「おつかれー」
「おつかれさまです」
ザップからの声は無い。炎の輪を潜って一瞬で戻ってきたライブラの事務所では、昨日からずっと留守番をしていたのだろうソニックがハンカチを掛けて眠っていた。
シルビと違って移動時間が掛かるクラウス達はまだ戻ってきていない。ギルベルトがシルビの帰還に気付いてお帰りなさいと挨拶してくるのに返して、シルビは前髪をかき上げた。
「キッチン借りてもいいですか?」
腹が減っているようだったので、レオ達が戻ってきたら食べられるようにしてやろうと思ったのだ。
時間にしておよそ二十一時間。途中で日付も変わってしまうほどの長時間の乱闘に、流石のシルビだって疲れきっていた。
というか普通に考えて、千人はいるという『レキオカ千兄弟』の半数近くを拘束し続けるのに『霧の炎』と『第八の炎』を灯し続けていたのだ。拘束を解こうと暴れる奴等の動きはシルビへと伝わってくるのでそれを押さえ込みつつ、途中加勢だったので通信機を持っておらず戦闘中に携帯も確認も出来ないザップやツェッドの為に、メンバー間の位置確認や状況伝達に動き回ってもいたのである。
疲労感は半端ではなかった。多分以前のように『×××』が使えていたのなら、もう少し動きを最小限に出来るよう計算が出来た気がする。そうでなくとも体力だって落ちているので以前に比べれば疲れやすいのだ。
これは久しぶりに【白澤】の姿になって休んだほうがいいくらいの疲れ具合だなと判断し、同じく疲れ果てた様子で道路に座り込んでいるレオ達を見た。
座り込んでいるというか、ザップに関しては地面と一体化しているとばかりに寝そべっている。そんなに疲れたのかとちょっと心配になって、自分の疲れを無視して声を掛けようとすると、濁点の無い声でザップが一歩も動けないと呟いた。
「……事務所に転移するかぁ?」
「いい……ほれよりめひたあ」
「あーもう何言ってるのか考えるのも面倒なんだけどぉ。何? メシ?」
「もう放っておいていいよシルビ……シルビだって疲れてんだろ?」
「疲れてるけどさぁ」
「ザップさんはオレが持って帰るよ」
レオに言われて、疲れているのは確かだったので素直に聞き入れることにする。何度も鳴らし過ぎて痛くなっている指先を鳴らし、自宅ではなくライブラの事務所へと炎の輪を繋げた。
「じゃあ先に戻るからぁ」
「おつかれー」
「おつかれさまです」
ザップからの声は無い。炎の輪を潜って一瞬で戻ってきたライブラの事務所では、昨日からずっと留守番をしていたのだろうソニックがハンカチを掛けて眠っていた。
シルビと違って移動時間が掛かるクラウス達はまだ戻ってきていない。ギルベルトがシルビの帰還に気付いてお帰りなさいと挨拶してくるのに返して、シルビは前髪をかき上げた。
「キッチン借りてもいいですか?」
腹が減っているようだったので、レオ達が戻ってきたら食べられるようにしてやろうと思ったのだ。