―ラン! ランチ!! ラン!!!―
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地下界隈の技師を捜し歩いて、シルビは大体の目処が付いたところでスティーブンの携帯へメールを送った。出来るだけ詳細を送りはしたが、それを読んだだけでは何故シルビがそれを調べていて、それを知ったのかが分からない文面にしてある。というのも現在彼が何処へ居るのか分からないからだ。
もしあの刑事とまだ一緒に居た場合、情報を出さなければならない状況になる。となればスティーブンどころかあの刑事にまで話をしなければならない可能性も出てくるので、シルビとしては非常に遠慮したかった。『復讐者』は一応裏社会の組織だ。
『レギオカ千兄弟』の潜伏場所を探している途中で、携帯が鳴ったので足を止める。
「はい」
『スティーブンだ。今何処に居る? いや、やっぱり言わなくていい。さっきのメールを見たんだが』
「今そっち話しても大丈夫な場所に居ます?」
『ああ。……裏は取れたのか?』
「取れました。やっぱりHLじゃ思考を柔軟にしなけりゃ駄目でしたよ」
再び歩き出しながら報告する内容は、『レギオカ千兄弟』が“接合手術を行なった”というものだ。輸入したパワードスーツは本来“人間が乗って操縦するもの”で異界人がそれを使うとなれば調整屋へ頼んで異界人でも扱えるようにしてもらわねばならない。
だが、普通であれば通らない常識さえ成立してしまうHLという場所のことを考えれば、別にそれへこだわる必要は無かったのだ。
『レギオカ千兄弟』が行なったのは技師による“接合手術”で、頑丈さが売りだった機動歩兵を、『武器として』自身の腕へと接合したのである。当然ただくっつけるだけなので調整屋は必要ない。
単純な接合手術だと異界人の体質によっては医者だって必要が無く、故にその事を知る者というのも減ってくる。全てが人間の裏をかいた行動だともとれなくはない。
誤算があるとすれば物には正規の方法でなくとも使い方があるとシルビが運良く気付いた事か、手術を行なった技師を始末せず、更にはカルテを作らせていたことだろう。手下を大切にしているということなのかもしれないが、せめてカルテは回収しておけばよかったのだ。
「現在潜伏先を探しているところですが、接合を行なった日付からしてそろそろ動き出すやも知れません」
『……分かった。こちらもその考えで動こう。合流してくれるか』
「合流……はちょっと無理っぽいです。っていうか無理ですかねぇ。出来るだけ時間は稼ぎますから、そっちから合流してくれると嬉しいです」
後ろからシルビへかかる影。その影の形に、シルビはまだ何か言っていたスティーブンとの通話を切った。
もしあの刑事とまだ一緒に居た場合、情報を出さなければならない状況になる。となればスティーブンどころかあの刑事にまで話をしなければならない可能性も出てくるので、シルビとしては非常に遠慮したかった。『復讐者』は一応裏社会の組織だ。
『レギオカ千兄弟』の潜伏場所を探している途中で、携帯が鳴ったので足を止める。
「はい」
『スティーブンだ。今何処に居る? いや、やっぱり言わなくていい。さっきのメールを見たんだが』
「今そっち話しても大丈夫な場所に居ます?」
『ああ。……裏は取れたのか?』
「取れました。やっぱりHLじゃ思考を柔軟にしなけりゃ駄目でしたよ」
再び歩き出しながら報告する内容は、『レギオカ千兄弟』が“接合手術を行なった”というものだ。輸入したパワードスーツは本来“人間が乗って操縦するもの”で異界人がそれを使うとなれば調整屋へ頼んで異界人でも扱えるようにしてもらわねばならない。
だが、普通であれば通らない常識さえ成立してしまうHLという場所のことを考えれば、別にそれへこだわる必要は無かったのだ。
『レギオカ千兄弟』が行なったのは技師による“接合手術”で、頑丈さが売りだった機動歩兵を、『武器として』自身の腕へと接合したのである。当然ただくっつけるだけなので調整屋は必要ない。
単純な接合手術だと異界人の体質によっては医者だって必要が無く、故にその事を知る者というのも減ってくる。全てが人間の裏をかいた行動だともとれなくはない。
誤算があるとすれば物には正規の方法でなくとも使い方があるとシルビが運良く気付いた事か、手術を行なった技師を始末せず、更にはカルテを作らせていたことだろう。手下を大切にしているということなのかもしれないが、せめてカルテは回収しておけばよかったのだ。
「現在潜伏先を探しているところですが、接合を行なった日付からしてそろそろ動き出すやも知れません」
『……分かった。こちらもその考えで動こう。合流してくれるか』
「合流……はちょっと無理っぽいです。っていうか無理ですかねぇ。出来るだけ時間は稼ぎますから、そっちから合流してくれると嬉しいです」
後ろからシルビへかかる影。その影の形に、シルビはまだ何か言っていたスティーブンとの通話を切った。