―震撃の血槌―
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第八の炎による空間転移に限った事ではないが、空間と空間を繋ぐ穴を潜る際、穴を潜る以前に付いていた勢いや慣性というものはある程度『保存』される。つまり走って穴を潜った場合、その走った事による勢いが付いたまま穴の向こう側へ出ることになるのだ。
なので例えば高い場所から穴の入り口へと飛び込んだ場合、高いところから“落ちる勢い”というものが穴の出口を出てからも続いているという話になる。この話の問題点はその『勢い』にあり、低い場所と高い場所を繋げて断続的にそれを潜った時、物体は“落下し続けている”ということになり勢いがどんどん付いていく。
とすると最終的には音速やら光速だって超える速度へまで速さを高める事も可能なのだ。
物理学とかの問題だったと思うが、シルビはそれを学ぶ前に感覚で理解してしまったので説明は難しい。だが、シルビがモンスタートラックの軌道修正に空間転移の使用を懸念したのは、そういった理由からである。
ビルの屋上からクラウス達の元へ戻る最中も、頭上ではモンスタートラックが爆散しつつヘルサレムズ・ロットを飛んでいっていた。更にその後ろをシルビが作り上げた第八の炎が追いかけつつスクラップを回収している。正直そうやって炎の輪を潜っただろうスクラップが、ゴミ収集場を滅茶苦茶にしている気もしなくも無い。
「いや、俺のせいじゃねぇ。うん」
呟いて視線を空から地上へ戻し、クラウス達が集まってるのを見たところで、血の気が引いた。
「シルビ君! 無事か!」
「いややめてエイブラムスさん! 今はこっち来ねぇでください!」
「何故だ!」
「何故だ、じゃねぇよぉおおおお!」
あの人は自分の豪運が結果的に周囲へ害を与える事を分かっているのだろうか。力の四割を奪われた状態だし、あまり認めたくないとはいえ、一応シルビは【白澤】として生きた吉兆の印だ。故にシルビ自身が彼の豪運によって退けられた呪いの影響は受けないが、その代わり周囲の被害が甚大になる。
しかも空からは炎の輪で回収しきれていないスクラップが舞い降りている現状。案の定降ってきた大きめなスクラップが、クラウス達の頭上へと降ってきた。
思わず駆け寄りながら指を鳴らしてクラウス達の頭上へも第八の炎の輪を出現させ、スクラップを違う場所へ落とす。ゴミ収集所へ繋げるなんて咄嗟には出来ず、直ぐ脇の道路へ放り捨てたソレが落下速度による勢いをもって落下し、地面を抉った。
「――怖ぇ! スゲー怖かったんですけど大丈夫ですかぁ!?」
「……凄い威力だな」
なので例えば高い場所から穴の入り口へと飛び込んだ場合、高いところから“落ちる勢い”というものが穴の出口を出てからも続いているという話になる。この話の問題点はその『勢い』にあり、低い場所と高い場所を繋げて断続的にそれを潜った時、物体は“落下し続けている”ということになり勢いがどんどん付いていく。
とすると最終的には音速やら光速だって超える速度へまで速さを高める事も可能なのだ。
物理学とかの問題だったと思うが、シルビはそれを学ぶ前に感覚で理解してしまったので説明は難しい。だが、シルビがモンスタートラックの軌道修正に空間転移の使用を懸念したのは、そういった理由からである。
ビルの屋上からクラウス達の元へ戻る最中も、頭上ではモンスタートラックが爆散しつつヘルサレムズ・ロットを飛んでいっていた。更にその後ろをシルビが作り上げた第八の炎が追いかけつつスクラップを回収している。正直そうやって炎の輪を潜っただろうスクラップが、ゴミ収集場を滅茶苦茶にしている気もしなくも無い。
「いや、俺のせいじゃねぇ。うん」
呟いて視線を空から地上へ戻し、クラウス達が集まってるのを見たところで、血の気が引いた。
「シルビ君! 無事か!」
「いややめてエイブラムスさん! 今はこっち来ねぇでください!」
「何故だ!」
「何故だ、じゃねぇよぉおおおお!」
あの人は自分の豪運が結果的に周囲へ害を与える事を分かっているのだろうか。力の四割を奪われた状態だし、あまり認めたくないとはいえ、一応シルビは【白澤】として生きた吉兆の印だ。故にシルビ自身が彼の豪運によって退けられた呪いの影響は受けないが、その代わり周囲の被害が甚大になる。
しかも空からは炎の輪で回収しきれていないスクラップが舞い降りている現状。案の定降ってきた大きめなスクラップが、クラウス達の頭上へと降ってきた。
思わず駆け寄りながら指を鳴らしてクラウス達の頭上へも第八の炎の輪を出現させ、スクラップを違う場所へ落とす。ゴミ収集所へ繋げるなんて咄嗟には出来ず、直ぐ脇の道路へ放り捨てたソレが落下速度による勢いをもって落下し、地面を抉った。
「――怖ぇ! スゲー怖かったんですけど大丈夫ですかぁ!?」
「……凄い威力だな」