―妖眼幻視行―
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棺を四つ背負った、異界存在だった。客室に飛び込むなりそれを殴りつけたクラウスに続き、血だらけで床へ座り込んでいるレオとその妹の脇を抜けて対峙する。
レオと妹さんの怪我を確認したくもあったが、それよりも先にこの異界存在を倒す事へ重きを置いたのは、純粋にライブラのメンバーへ手を出したことへの報いでもあったが、シルビとしては個人的に『友人へ手を出した』事があった。
レオはシルビの友人だ。友人でありライブラでの同僚であり仲間であり、シルビの世界を構築する一欠片である。
シルビは自身の家族や友人や知人へ仇なすものは決して許さない。化け物を化け物として見ない希有な存在達を、害して許せるはずがなかった。
たった一人の友人も守れず何が神か。
レオが背後で泣き声のような叫びを上げる。
クラウスに殴り飛ばされた異界存在が、殴られたことで倒れ伏した床から身体を起こし、激昂して声高に怒鳴っていた。
「たかが人類が、創造主による神工品に、適うわけッ、ねえだろうがァァ……!」
背負っていた棺が壊れ、その中から精巧に作られた手足や脊椎が現れる。一目見てただの器官ではないと分かるそれは、レオの持つ【神々の義眼】同様神性存在が造り出した義肢なのだろう。
となれば【義眼】同様、何かしらの能力を有している筈である。【義眼】が視界を操れる事を考えれば、それぞれの器官で出来ることを支配出来ると考えていいかも知れない。
拘束か、破壊か。身構えたザップ達が自分達の血法を扱おうとするのに合わせて、シルビもいつでも指を鳴らせるように身構え、
その目の前でクラウスが再び異界存在を殴り飛ばした。
殴り飛ばしたというのは正しくない。純粋に殴ったというべきか。
普段のように技名を叫ぶこともなく、無言のままの前振りも遠慮もないクラウスの行動に誰もが唖然としている間も、異界存在を殴ったクラウスは周囲の置物や壁を巻き込んで走り、異界存在に何のアクションもさせる時間を与えず、窓へとその身を叩きつけた。割れた窓から放り出された異界存在の、顔の辺りが光ったと思うと轟音と爆風を伴って爆発する。
咄嗟にシルビは指を鳴らして、緑色の【雷の炎】を割れた窓へ沿うように燃え上がらせ、爆風と爆発の残骸や瓦礫が飛んでこないように防いだ。流石に防ぎきれなかった轟音と閃光は仕方がない。むしろ咄嗟に爆風と瓦礫を防げただけでも良しとすべきだ。
爆発の収まった空から振り返ったクラウスがレオの元へと駆け寄る。唖然としていたK・K達もはっとしてレオの元へ駆け寄っていくのに、シルビは額を押さえつつ意識して角と尾を戻した。
レオと妹さんの怪我を確認したくもあったが、それよりも先にこの異界存在を倒す事へ重きを置いたのは、純粋にライブラのメンバーへ手を出したことへの報いでもあったが、シルビとしては個人的に『友人へ手を出した』事があった。
レオはシルビの友人だ。友人でありライブラでの同僚であり仲間であり、シルビの世界を構築する一欠片である。
シルビは自身の家族や友人や知人へ仇なすものは決して許さない。化け物を化け物として見ない希有な存在達を、害して許せるはずがなかった。
たった一人の友人も守れず何が神か。
レオが背後で泣き声のような叫びを上げる。
クラウスに殴り飛ばされた異界存在が、殴られたことで倒れ伏した床から身体を起こし、激昂して声高に怒鳴っていた。
「たかが人類が、創造主による神工品に、適うわけッ、ねえだろうがァァ……!」
背負っていた棺が壊れ、その中から精巧に作られた手足や脊椎が現れる。一目見てただの器官ではないと分かるそれは、レオの持つ【神々の義眼】同様神性存在が造り出した義肢なのだろう。
となれば【義眼】同様、何かしらの能力を有している筈である。【義眼】が視界を操れる事を考えれば、それぞれの器官で出来ることを支配出来ると考えていいかも知れない。
拘束か、破壊か。身構えたザップ達が自分達の血法を扱おうとするのに合わせて、シルビもいつでも指を鳴らせるように身構え、
その目の前でクラウスが再び異界存在を殴り飛ばした。
殴り飛ばしたというのは正しくない。純粋に殴ったというべきか。
普段のように技名を叫ぶこともなく、無言のままの前振りも遠慮もないクラウスの行動に誰もが唖然としている間も、異界存在を殴ったクラウスは周囲の置物や壁を巻き込んで走り、異界存在に何のアクションもさせる時間を与えず、窓へとその身を叩きつけた。割れた窓から放り出された異界存在の、顔の辺りが光ったと思うと轟音と爆風を伴って爆発する。
咄嗟にシルビは指を鳴らして、緑色の【雷の炎】を割れた窓へ沿うように燃え上がらせ、爆風と爆発の残骸や瓦礫が飛んでこないように防いだ。流石に防ぎきれなかった轟音と閃光は仕方がない。むしろ咄嗟に爆風と瓦礫を防げただけでも良しとすべきだ。
爆発の収まった空から振り返ったクラウスがレオの元へと駆け寄る。唖然としていたK・K達もはっとしてレオの元へ駆け寄っていくのに、シルビは額を押さえつつ意識して角と尾を戻した。