―妖眼幻視行―
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レオナルド視点
「これはこれは……!」
レオの後ろを飛んでいたDr.ガミモヅの監視カメラから驚嘆に似た声が漏れる。クラウスとスティーブンが先に来ていたらしいシルビの脇を抜けて血界の眷属へと立ち向かっていくのに、レオは背後の監視カメラを僅かに振り返った。
【神々の義眼】を含めた『神々の義肢』の調査と研究を目的にしており、その関係で妹のミシェーラへと接触を図り今を以てミシェーラの婚約者であるトビー・マクラクランを拘束して擬態している存在。そしてレオへと接触を図ってきた相手。
その目的が判明する前にライブラ出動の知らせが来たのだ。トビーに擬態している本体はミシェーラと一緒。小型監視カメラだけがレオへと付いてきてレオを監視している。
「なんだよ」
「血界の眷属を拘束しているアレは“大いなる全知の亜種”ではないかね?」
「“大いなる”……?」
「“大いなる全知の亜種”。その名の通り上位存在の中でも更に高位に位置する“神にとっての神”……の、『模造品』だ」
監視カメラの視線が向けられているのはシルビだった。
「『大いなる封印の弟』『大いなる全知の亜種』……呼び方は多彩だが、人間を器として創られた最も創造主に近い神造品。アレをこんな場所でお目に掛かれるなんてね!」
興奮気味に語るDr.ガミモヅの話を聞きながら、レオもシルビを見つめる。シルビは自分がレオへ【神々の義眼】を与えた『リガ=エル=メヌヒュト』と同じく神性存在であると言っていた。
神性存在であるが故かどうかは分からないが、牛のような山羊の様な獣の姿にもなれて、【神々の義眼】の事を知らずとも調べることは出来て、やろうとすれば【神々の義眼】に少しは干渉も出来る男だ。それは知っている。
だがそれしか知らない。
「五年前の騒動で消滅したと思っていたのだが生きていたらしいね。だが劣化は避けられなかったというところか」
「劣化?」
「元を知らないから見て分からないのも仕方ないな。アレの本質は“全知全能”だ。【義眼】は眼球だけだがアレはやろうとすれば全てを支配下に置ける。それがどうだ! 今のアレは僕の存在にも気付かず【義眼】を騙せもしない幻覚しか作れない! あれではただのガラクタも同然だね」
「ガ――シルビをそんな風に言うな!」
「シルビ……ね。シルビ・“テトラ・グラマト”だったか。“テトラグラマト”。ふん」
あまりの言いぐさに思わず怒鳴り返せば、監視カメラの声に嘲笑が混ざった。
「神の名を持ちながら、人間にやられるなんてね」
「これはこれは……!」
レオの後ろを飛んでいたDr.ガミモヅの監視カメラから驚嘆に似た声が漏れる。クラウスとスティーブンが先に来ていたらしいシルビの脇を抜けて血界の眷属へと立ち向かっていくのに、レオは背後の監視カメラを僅かに振り返った。
【神々の義眼】を含めた『神々の義肢』の調査と研究を目的にしており、その関係で妹のミシェーラへと接触を図り今を以てミシェーラの婚約者であるトビー・マクラクランを拘束して擬態している存在。そしてレオへと接触を図ってきた相手。
その目的が判明する前にライブラ出動の知らせが来たのだ。トビーに擬態している本体はミシェーラと一緒。小型監視カメラだけがレオへと付いてきてレオを監視している。
「なんだよ」
「血界の眷属を拘束しているアレは“大いなる全知の亜種”ではないかね?」
「“大いなる”……?」
「“大いなる全知の亜種”。その名の通り上位存在の中でも更に高位に位置する“神にとっての神”……の、『模造品』だ」
監視カメラの視線が向けられているのはシルビだった。
「『大いなる封印の弟』『大いなる全知の亜種』……呼び方は多彩だが、人間を器として創られた最も創造主に近い神造品。アレをこんな場所でお目に掛かれるなんてね!」
興奮気味に語るDr.ガミモヅの話を聞きながら、レオもシルビを見つめる。シルビは自分がレオへ【神々の義眼】を与えた『リガ=エル=メヌヒュト』と同じく神性存在であると言っていた。
神性存在であるが故かどうかは分からないが、牛のような山羊の様な獣の姿にもなれて、【神々の義眼】の事を知らずとも調べることは出来て、やろうとすれば【神々の義眼】に少しは干渉も出来る男だ。それは知っている。
だがそれしか知らない。
「五年前の騒動で消滅したと思っていたのだが生きていたらしいね。だが劣化は避けられなかったというところか」
「劣化?」
「元を知らないから見て分からないのも仕方ないな。アレの本質は“全知全能”だ。【義眼】は眼球だけだがアレはやろうとすれば全てを支配下に置ける。それがどうだ! 今のアレは僕の存在にも気付かず【義眼】を騙せもしない幻覚しか作れない! あれではただのガラクタも同然だね」
「ガ――シルビをそんな風に言うな!」
「シルビ……ね。シルビ・“テトラ・グラマト”だったか。“テトラグラマト”。ふん」
あまりの言いぐさに思わず怒鳴り返せば、監視カメラの声に嘲笑が混ざった。
「神の名を持ちながら、人間にやられるなんてね」