―妖眼幻視行―
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レオが【神々の義眼】で呼んだ血界の眷属の諱名を以てクラウスが【密封】することで終着したと思われる騒動に、シルビは深く息を吐き出して幻覚の鎖を消した。そうしてシルビと同じように一応の安堵を感じているだろうスティーブンの元へと向かう。
「やあシルビ。お疲れ様」
「お疲れ様です」
「警部から聞いたけど先に来てたらしいね」
「例の模倣犯の尾行途中、たまたまダニエル警部の部下の方とかち合っていたので」
少し言葉に棘があったのは仕方ない。シルビだってレオの妹をどうせなら見たかった。
再三言うが護衛も大切だとは分かっている。分かってはいるが一人だけ真面目に尾行をやっていた上に、今のシルビでは倒せないのに血界の眷属と一人で対峙するなど、ちょっと割に合わない気がした。
どうせサポートなので大したことはやっていないが。
「そういえばレオ君来てましたけど、妹さんは?」
「ああ。血界の眷属の出現だったからな。悪いがわざわざ来てもらったんだ」
そう言って頭を掻くスティーブンにシルビは周囲を見回してレオの姿を探す。ここからホテルまでは遠いし、すぐに戻りたいだろうから【第八の炎】を繋げてやろうと思ったのだ。危険が去ったと知って野次馬が集まり初めてもいるので、タクシーなどは近くでは拾えないだろう。
少し離れたところでザップとツェッドが口喧嘩をしながら同じ方向へ向かっているのが見えた。ザップが何か子供じみた悪口を言ってツェッドが冷静に言い返しているらしい。そのくせ一緒に戻るようだった。
K・Kが自分のバイクへと跨がって去っていく。こっそりファンらしい警官がそのK・Kに声を掛けていた。
運転席にギルベルトが乗る車からクラウスがスティーブンを呼んで、スティーブンがそちらへ向かう。レオの姿がない。
「……レオ君?」
何処にも見あたらないレオの姿に名前を呼ぶ。
いつもであれば現場を離れる前にはライブラメンバーの誰かと話している姿があった。ザップに突っ込みを入れたり、ツェッドと寄り道の算段をしていたり、K・Kとハイタッチをしていたり、クラウスとスティーブンに褒められていたり。
シルビにも声を掛けたり。
「……急いで戻ったのかなぁ」
今回の場合は妹がヘルサレムズ・ロットへ来ており、久しぶりの再会に談笑していたところを抜け出してきた様だから、急いで戻ろうと声も掛けずに行ってしまったのかも知れない。そう考えれば何もおかしいところはなかった。
なかった、が。
何となく違和感を覚える。ついでに気付いたが全員に置いていかれた。
「やあシルビ。お疲れ様」
「お疲れ様です」
「警部から聞いたけど先に来てたらしいね」
「例の模倣犯の尾行途中、たまたまダニエル警部の部下の方とかち合っていたので」
少し言葉に棘があったのは仕方ない。シルビだってレオの妹をどうせなら見たかった。
再三言うが護衛も大切だとは分かっている。分かってはいるが一人だけ真面目に尾行をやっていた上に、今のシルビでは倒せないのに血界の眷属と一人で対峙するなど、ちょっと割に合わない気がした。
どうせサポートなので大したことはやっていないが。
「そういえばレオ君来てましたけど、妹さんは?」
「ああ。血界の眷属の出現だったからな。悪いがわざわざ来てもらったんだ」
そう言って頭を掻くスティーブンにシルビは周囲を見回してレオの姿を探す。ここからホテルまでは遠いし、すぐに戻りたいだろうから【第八の炎】を繋げてやろうと思ったのだ。危険が去ったと知って野次馬が集まり初めてもいるので、タクシーなどは近くでは拾えないだろう。
少し離れたところでザップとツェッドが口喧嘩をしながら同じ方向へ向かっているのが見えた。ザップが何か子供じみた悪口を言ってツェッドが冷静に言い返しているらしい。そのくせ一緒に戻るようだった。
K・Kが自分のバイクへと跨がって去っていく。こっそりファンらしい警官がそのK・Kに声を掛けていた。
運転席にギルベルトが乗る車からクラウスがスティーブンを呼んで、スティーブンがそちらへ向かう。レオの姿がない。
「……レオ君?」
何処にも見あたらないレオの姿に名前を呼ぶ。
いつもであれば現場を離れる前にはライブラメンバーの誰かと話している姿があった。ザップに突っ込みを入れたり、ツェッドと寄り道の算段をしていたり、K・Kとハイタッチをしていたり、クラウスとスティーブンに褒められていたり。
シルビにも声を掛けたり。
「……急いで戻ったのかなぁ」
今回の場合は妹がヘルサレムズ・ロットへ来ており、久しぶりの再会に談笑していたところを抜け出してきた様だから、急いで戻ろうと声も掛けずに行ってしまったのかも知れない。そう考えれば何もおかしいところはなかった。
なかった、が。
何となく違和感を覚える。ついでに気付いたが全員に置いていかれた。