―妖眼幻視行―
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レオの妹のミシェーラ・ウォッチが婚約者と共にヘルサレムズ・ロットへ来る事になったと聞いたのは、契約について色々話した次の日だった。妹へ電話するとシルビへ言っていた通りに連絡を取った結果、妹本人の口からその事実を伝えられたらしい。
【神々の義眼】の契約のことを抜きにしても、足が悪くて日常生活でも車椅子へ乗っているらしい妹さんは、その境遇に反して行動的なようだった。そもそも妹というくらいなのだからレオより若い筈なのに、既に婚約者がいるということも驚きである。言っては失礼だがレオなんてガールフレンドの影どころか、女性の知人も少ないのではないだろうか。
「シルビに言われたくない」
「……言っとくけど、俺は全部断ってるだけで見合い話は来てたりするからなぁ?」
「そうなんですか?」
「主に副職関係のお嬢さん達」
「玉の輿狙われてんじゃねーか!」
「独身貴族ばんざぁい」
レオとツェッドとの買い出しへ向かう最中、両手を振り上げるとソニックが真似して両手を上げた。シルビは別に結婚したって構わないのだが子供は作れないし、複雑な境遇と生い立ちを持つ血の繋がらない子供が二人いるので、せめてその二人が認めてくれる伴侶がいい。だがその敷居は高いとも思っているし、どう考えても伴侶を不幸にする未来しか予想出来ないだけだ。
とりあえず『鏡』こと白蘭の性別が女だったらプロポーズしていた。そして振られるところまでが一括りだろう。一度はやっておかないと、という類である。
「そもそもレオ君って何歳だぁ? 妹さんが婚約出来るってことは君もそれなりの歳だろぉ?」
「それはボクも思ってました。レオ君はボクのこともさん付けで呼びますしね」
「二人揃ってオレのことどう思ってんすか……」
「実はまだ未成年かなぁってぇ」
「ボクよりは年上だと思うんですが」
「ニーカさんより若けぇ?」
「適当なことばっかり言いやがってチクショウ!」
見た目から年齢が分かりにくいのだから仕方がないと思った。とはいえ血界の眷属によって生み出されたツェッドの年齢も見た目通りとは限らないし、シルビなんて魂の年齢だけで言うなら八桁を越えている。
買い出しの予定にはなかったがセールをしていた為に入ったドーナッツ店で、カウンターに立つ女性店員がにこやかな笑顔を浮かべた。事務所にいるメンバーの事を考えて持ち帰りで注文する。
「まぁでも、兄弟が結婚とか分かってても結構ショックだよなぁ」
「シルビさんにはご兄弟がいるんでしたね。やはりご結婚を?」
「姉には恋人がいるけど、弟が大学卒業するまで結婚しねぇってぇ」
【神々の義眼】の契約のことを抜きにしても、足が悪くて日常生活でも車椅子へ乗っているらしい妹さんは、その境遇に反して行動的なようだった。そもそも妹というくらいなのだからレオより若い筈なのに、既に婚約者がいるということも驚きである。言っては失礼だがレオなんてガールフレンドの影どころか、女性の知人も少ないのではないだろうか。
「シルビに言われたくない」
「……言っとくけど、俺は全部断ってるだけで見合い話は来てたりするからなぁ?」
「そうなんですか?」
「主に副職関係のお嬢さん達」
「玉の輿狙われてんじゃねーか!」
「独身貴族ばんざぁい」
レオとツェッドとの買い出しへ向かう最中、両手を振り上げるとソニックが真似して両手を上げた。シルビは別に結婚したって構わないのだが子供は作れないし、複雑な境遇と生い立ちを持つ血の繋がらない子供が二人いるので、せめてその二人が認めてくれる伴侶がいい。だがその敷居は高いとも思っているし、どう考えても伴侶を不幸にする未来しか予想出来ないだけだ。
とりあえず『鏡』こと白蘭の性別が女だったらプロポーズしていた。そして振られるところまでが一括りだろう。一度はやっておかないと、という類である。
「そもそもレオ君って何歳だぁ? 妹さんが婚約出来るってことは君もそれなりの歳だろぉ?」
「それはボクも思ってました。レオ君はボクのこともさん付けで呼びますしね」
「二人揃ってオレのことどう思ってんすか……」
「実はまだ未成年かなぁってぇ」
「ボクよりは年上だと思うんですが」
「ニーカさんより若けぇ?」
「適当なことばっかり言いやがってチクショウ!」
見た目から年齢が分かりにくいのだから仕方がないと思った。とはいえ血界の眷属によって生み出されたツェッドの年齢も見た目通りとは限らないし、シルビなんて魂の年齢だけで言うなら八桁を越えている。
買い出しの予定にはなかったがセールをしていた為に入ったドーナッツ店で、カウンターに立つ女性店員がにこやかな笑顔を浮かべた。事務所にいるメンバーの事を考えて持ち帰りで注文する。
「まぁでも、兄弟が結婚とか分かってても結構ショックだよなぁ」
「シルビさんにはご兄弟がいるんでしたね。やはりご結婚を?」
「姉には恋人がいるけど、弟が大学卒業するまで結婚しねぇってぇ」