―BRATATAT MOM―
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流石にそろそろ閉店した薬局の片付けに本腰を入れなければならない。と、元店長に命じられて『WATABEドラッグストア』の店内を片付ける。
とはいえ並んでいた商品や陳列棚は既に処分なりなんなりしてあるので、後は本当に元店長の私物や生活用品などだった。
「なのに当の本人が来ねぇってどういうことだぁああああ!」
店内で叫んでも答える声はない。現在薬局跡にはシルビが一人。
元店長は再就職先であるブラッドベリ総合病院での仕事か楽しくて仕方がないらしく、必要最低限の物をとりあえず病院に近い新居へ移し後はほったらかしの状態なのである。今日も雇われていたよしみという事で片付けを頼んできたが元店長は来ていなかった。
私物なので処分方法はお前に任せる。何なら売ってしまってもいいとまで言われていたが、それでハイそうですかと売れる訳もなくシルビはチマチマと片付け続けていた。第一、ジャパニーズフリークだった元店長が購入した置物などは、偽物を除くと大抵それなりの価値が付き、ヘルサレムズ・ロットのリサイクルショップへ売り叩くのは勿体なさ過ぎるのである。
「ったく、目利きなんだが下手な鉄砲なんだか分かんねぇよ」
箱に詰めた置物や骨董品を元店長の名前で契約したレンタルコンテナの中へ【第八の炎】で放り込む。移動コストも手間も掛からないし、ライブラからの緊急呼び出しが来ても対応出来るこの方法は楽だが、後でコンテナを店長が確認するとは思えなかった。
夜にはバイトが終わるというレオと一緒に夕食を食べる約束をしているので、それまでには終わらせたいというのが本音である。だが残っている量を見るとそれも不安しかない。
時計を確認し、そろそろ休憩を兼ねて昼食でも食いに行くかと立ち上がったところで店頭の窓の方から音がして振り返る。見ればブラインドの下から兄弟らしい少年二人が店内を覗き込んでいた。
一人は以前父親と一緒に来た子だと思い出せたのは、その子が客としてきた日が確か弟の誕生日だとかで会話をしたからである。あとおまけ付きお菓子をあげた覚えもあった。
ガキの掛かっていた店の入り口を開けて身を乗り出せば、振り向いた兄弟と目が合う。
「こんにちはぁ」
「こんにちは。この店閉店したの?」
「うん。店長が違うところで勤める事になってなぁ。何か薬が欲しかったぁ?」
「あー、と。うん。眼帯が欲しかったんだけど」
兄弟で買いに来たのだろうにそれは残念なことだ。この近くではここ以外に何処へ薬局があっただろうかと思い出しながら小首を傾げる。
子供だけで出入り出来る薬局となるとヘルサレムズ・ロットだと少ない。店長も常連達のことを考えずにいきなり閉店させるのが悪いよなと思いつつ、シルビは少年達を見下ろした。
「時間、あるかぁ?」
とはいえ並んでいた商品や陳列棚は既に処分なりなんなりしてあるので、後は本当に元店長の私物や生活用品などだった。
「なのに当の本人が来ねぇってどういうことだぁああああ!」
店内で叫んでも答える声はない。現在薬局跡にはシルビが一人。
元店長は再就職先であるブラッドベリ総合病院での仕事か楽しくて仕方がないらしく、必要最低限の物をとりあえず病院に近い新居へ移し後はほったらかしの状態なのである。今日も雇われていたよしみという事で片付けを頼んできたが元店長は来ていなかった。
私物なので処分方法はお前に任せる。何なら売ってしまってもいいとまで言われていたが、それでハイそうですかと売れる訳もなくシルビはチマチマと片付け続けていた。第一、ジャパニーズフリークだった元店長が購入した置物などは、偽物を除くと大抵それなりの価値が付き、ヘルサレムズ・ロットのリサイクルショップへ売り叩くのは勿体なさ過ぎるのである。
「ったく、目利きなんだが下手な鉄砲なんだか分かんねぇよ」
箱に詰めた置物や骨董品を元店長の名前で契約したレンタルコンテナの中へ【第八の炎】で放り込む。移動コストも手間も掛からないし、ライブラからの緊急呼び出しが来ても対応出来るこの方法は楽だが、後でコンテナを店長が確認するとは思えなかった。
夜にはバイトが終わるというレオと一緒に夕食を食べる約束をしているので、それまでには終わらせたいというのが本音である。だが残っている量を見るとそれも不安しかない。
時計を確認し、そろそろ休憩を兼ねて昼食でも食いに行くかと立ち上がったところで店頭の窓の方から音がして振り返る。見ればブラインドの下から兄弟らしい少年二人が店内を覗き込んでいた。
一人は以前父親と一緒に来た子だと思い出せたのは、その子が客としてきた日が確か弟の誕生日だとかで会話をしたからである。あとおまけ付きお菓子をあげた覚えもあった。
ガキの掛かっていた店の入り口を開けて身を乗り出せば、振り向いた兄弟と目が合う。
「こんにちはぁ」
「こんにちは。この店閉店したの?」
「うん。店長が違うところで勤める事になってなぁ。何か薬が欲しかったぁ?」
「あー、と。うん。眼帯が欲しかったんだけど」
兄弟で買いに来たのだろうにそれは残念なことだ。この近くではここ以外に何処へ薬局があっただろうかと思い出しながら小首を傾げる。
子供だけで出入り出来る薬局となるとヘルサレムズ・ロットだと少ない。店長も常連達のことを考えずにいきなり閉店させるのが悪いよなと思いつつ、シルビは少年達を見下ろした。
「時間、あるかぁ?」